この頃の気持ち



  急に寒くなりましたねー。

  夜中の寒さに耐えられず、先週からガスファンヒーターを使いはじめました。あったかくて幸せ。でもガスファンヒーターって、こんなに早くから使うものでしたっけ?去年の今頃はまだ、エアコンの暖房だけだったような。なんだか、夏も冬もその訪れが早まっている気がします。

  最近の「つれづれなる思い」は、毎回何かのテーマについて(というほどでもないか)書いていたんですが、今回はタイトルどおり、ほんとにつれづれに書いてみます。ネタにつまった? はい! でもそれだけでもなくて、このごろはほんとに、ほんわりほんわりした気分でとりとめなく、いろんなことを思っているので。

  おかげさまで年内はスケジュールがいっぱいで大忙しなんですが、その反動か、来年1月は「冬眠でもしようか・・」と思うほどヒマそうです。大体2カ月先のスケジュールを立てながら活動していますが、来年のスケジュール帳を早々と用意したのに、全然仕事は決まらず、真っ白なままのページ。うーん。

  でも、大丈夫。私、落ち込まないのです。以前の私はヒマになると「やっぱり私ってもうダメなんじゃないかしら」と沈んでしまっていたんですが、最近の私は違います。
  照る日も曇る日も、ハレの日もケの日も、同じ時間が流れてる。どんな日もどんな事もそうあるべきなんだ、と決まっているように思えてきたのです。別に運命論者になったわけでも、なにかの宗教に入ったわけでもないんですけどね。そういうふうに思えると、まるで冷たいウーロン茶を飲んだときのように気分がすっきりして、雨上がりのように景色がくっきりきれいに見える。もともとは私、こういうすっきりしたいい気分になるために音楽やってるんじゃなかったっけ・・・?

  仕事にしてしまうと、どうしてもたくさん仕事をしている(スケジュールが詰まっている)ほうが売れていていい、というような気になってしまうんだけど、やっぱりそれは間違っているかもしれない。うまく充電する時間も作らないと、気持ちがすり減っていって、楽しくなくなってしまう。だから、年末予定が詰まっている分、1月はお休みして次に備えなさい、ってことかも。何にも決まっていないということは、何をしてもいいし、なんでもできるってことなんだから。
  ああ、でもこういうふうに思えたのは、どのくらいぶりだろう。去年CDを作ってからこのかたずっと、「売りこまなきゃ、活動範囲を広げなきゃ」という考えだけで進んできてしまっていたような。ここらで少しペースダウンしてもいいから、初心にかえって、ずっとこれからも音楽を楽しんでいけるように考えなおそう。
  私って、超マイペース人間のつもりでいたけど、スケジュールの入り具合を気にしているのは、つまり他人の目を気にしているのかな。(もちろん、ヒマだとお金が入らないという大問題もありますが。)だとしたら、私のいちばんきらいなパターンだな。自由でさわやかな気分になるために音楽をやるのだから、余計な見栄なんてナンセンス。(お金はある程度はないとまずいけど)

  関係ないけど、ここまで書いたら地震が!といっても震度1か2くらいでしょう。先月書きましたが、うちにはテレビがないのでラジオを聴いてますが、速報も入らないし。
  このアパートは震度1でもグラグラ揺れます。普通は「慌てて外に飛び出さないように」というんでしょうが、私は大地震が来たら、一刻も早くここから逃げ出そうと考えています。

  それはさておき、だから考えを変えて1月はのんびりしよう。メインライブのタイトルに「のんびりゆっくり」ってつけているくらいなんだから。ゆっくり、ゆったりした気分で暮らして2月のバースデーライブに備えよう。

  バースデーライブといえば、私がライブ活動のホームグラウンドにしている上野アリエスが年内いっぱいで無期休業するという話があって、大騒ぎ!都内にライブハウス多し、といえどもいろいろな条件を満たすところは少ないですからね。次なる出演先をうまくみつけられずに、ほとほと困っていたところアリエスから「結局来年1月のみ休業で2月から営業再開します」と言う電話が入って、全身の力が抜けてへなへなしてしまうほど、ほっとしました。ああ、よかったー。次のお店がみつからなくて、あんまり私が落ち込んでいるので、夢を見てるのかとも思いました。でも、本当だった。よかった、よかった。電話をもらったあと3日間は気が抜けてしまったのか、仕事には行っていたものの、他のことはできずダウンしてました。

  だけど、こういうことってあるんだな。もう既にあるのが当たり前のように思ってしまって感謝の気持ちを忘れていること。それはお店だったり人だったり健康だったり、対象はいろいろですが。スタンダードジャズナンバーにも、こういう歌はたくさんあるなあ。大体、恋愛系で「あなたといる間はそのありがたさがわからなくて、皆に忠告されても笑いとばしていた。けれど、いま失恋してみて、彼らの言ってたことがよくわかる。でももう遅い」といった感じ。It Never Entered My Mind、I´ve Grown Accustomed To Her Face、Smoke Gets In Your Eyesなどなど。私は勝手に《だから言ったじゃないの系》と呼んでます。歌っているくせに自分のまわりのものには感謝を忘れていたかもしれないな。いまあるものに感謝しなくちゃ。なんだかいい子ぶってるようだけど、本心から。

  アリエスのこと、心配してくださった皆様、ご心配いただき、ありがとうございました。ということなので、もう大丈夫です。

  さあ、それじゃ元気をだして、クリスマスシーズンを乗り切らなくちゃ。
  その後、年末年始のお休みはゆっくり帰省しようかな。12月に存分にできない大掃除を徹底的にしようかな。久しぶりに部屋の模様替えをしようかな。どこかにぶらりとひとりで旅に行こうかな。静かなところがいいな。別に遠くじゃなくても、静かなところでひとりでぼーっとできればいいんだけれどな。そうだ、そうだ、映画も観に行きたいな。私の好きな江國香織さん原作の(辻仁成さんとの共著)「冷静と情熱のあいだ」。原作は読んだんだけど、映画も評判いいようだし。

  「忙しい」という字は《心を亡くす》。ほんとにそうなのかもしれない。
今夜は江國香織さんの作品のなかでのいちばんのお気に入り「ホテルカクタス」を読みながら、眠ることにします。明日はお休みなので、少しゆっくり眠るつもりです。
 


大越 康子