今年前半を締めくくる、福島でのディナーショー。
6月28、29日におかげさまで無事終わりました。会場のレストランは2日間とも満員!私が卒業した郡山第三中学校の同窓の方もいらして、CDを買ってくださったり。和やかで、楽しいステージでした。地元スタッフの方は、
「福島ってなんでも2位なんです。桃とかさくらんぼとか・・・。でも1位になってやろうというハングリーさもなくって、なんだかのんきなんですよねー」
と教えてくださった。それに対し、バンド全員、
「それはいいですねー。1位になるとつらいから、2位っていうのはちょうどいいくらいかも」
との感想。皆考えることは同じなのね。それとも、それくらいのんきな人でなければ、ジャズなんてあんまり儲からない(失礼??でもホント)仕事なんてやっていないのかも。
ともあれ、福島の皆さん、ほんとうにお世話になりました! またお会いできますように。
お話かわって、うちの近所に新しいパチンコ店がオープンするらしい。宣伝のために、店の前や駅の入り口で数人のスタッフが、
「近日オープンです!どうぞよろしくお願いします」
と言いながら、ポケットティッシュを手渡している。のべつまくなしに配っているので、私はこの3日間で10個以上もらったかもしれない。そういえば、私も学生の頃、こういう配るアルバイトをやったなあ。ポケットティッシュじゃなくて、公団住宅の応募ハガキだったけど。
渋谷駅南口で配ったりしてたんだった。歩道橋を降りてくる人に何枚かづつ手渡す。ああいうのって、波があるようで、一人受け取ってくれると続いて何人も取ってくれるのだけれど、ダメなときはずっと空振り。だけどハガキは大きな紙袋2つにぎっしり詰まっている。そのままどこかへ捨ててしまいたい!とも思うけれど、なんと、時々ちゃんと配っているか監視の人が来るのです。こわーい。監視してるヒマがあったらあなたも配ったほうが早いんじゃ・・とも思ったけれど。そしてハガキのすみっこには配布担当者ごとに色分けされたマジックでのマークが入っていて、自分の色の応募ハガキの戻りが悪いと注意されてしまうんでした。でも、なんでああいうバイトを選んだのか、全然思い出せない。多分、拘束時間が短かったからだろうなあ。アルバイトニュースを見て、高田馬場にある事務所に面接に行った記憶はあるんだけど。
バイトといえば、他には小児科病院の受付もやっていた。これは週1回。
午後3時から7時くらいまで。大学の先輩の紹介で、白金のほうの病院だった。受付と会計もやってたような。(それにしても私ってほんとになんにも覚えてないなあ。記憶力の悪さは自分でも呆れるほどだ。だいたい病院の名前すら忘れちゃった)冬にカゼが流行ると、患者さんが増えて、自分もうつされてしまい、治ったかと思うと翌週のバイト日がくるため、冬じゅうずっとカゼひきだったことだけ覚えている。
あとは、土曜の午後と日曜の大学総務部事務室でのお留守番。
職員が一人なので、もうひとり男子学生と一緒にそのサポート。その時間は授業がないため、いろいろな団体に教室を貸し出していて、その受付などをしていた。小学生のための学習塾とか、今や有名になった円より子さん主宰の「ニコニコ離婚講座」とか。今考えると、なかなか変わったラインナップだったかも。でも当時はそんなこと思う余裕もなかったな。高校時代まではアルバイトはおろか、部活動もしたことがなかったので、カンタンなバイトでも、他人の中で働くということで、とっても緊張していたのです。先の小児科受付だって、私はけっこう小さい子供を見るのが好きなのに(だってとんでもなく面白いことをしてたりするから)そういう余裕は全然なかった。
そして、なんといっても学生時代一番長くやったのが、喫茶室ルノアールでのウェイトレス。2年くらいやったかな。学校を卒業して辞めるときはアルバイトなのに、退職金までもらったんでした。ルノアールの新宿西口駅前店。いまも多分あるはず。ヨドバシカメラの向かいで、いつも混んでいる店だった。店長は当時23歳くらいと若く、アルバイトは皆学生かフリーター(でもその当時はフリーターという言葉はまだなかった)で、仲がよかった。アルバイトだけのときには、メロンソーダやゆで卵をこっそりいただいたりしたんだった(ゴメンナサイッ)。ほんとに忙しい店だった。私の「実務仕事は丁寧さよりも、早さ。質より量!」という感覚はここで培われたような気がする。そして、ここで厳しい店長のもとでバイトとはいえ2年働いたことで、私はかなり社会というものに慣れた気がする。
この経験がなければ、就職してから(私は歌の仕事を始める前に会社勤めをしてました)さぞかし大変だったろうとも思う。
ところで、ルノアールではオーダーしたものを飲み終わってしばらくすると、昆布茶が出てきますね。あれはサービスなんですが、とても混みあっているときには、「そろそろ御席を空けてくださると私どももありがたいんですが・・・」という、さりげない(?)合図です。もちろん空いているときはどうぞごゆっくり。あと、ここにもさっきの葉書配りの監視じゃないけれど、「モニター」といってチェックが入ることがあります。「モニター」だとは名乗らずに、普通のお客のようにやってきてコーヒーを飲んで帰ります。が、接客や清掃状況などチェックして本部に報告するのです。だからこのモニターのオーダーを忘れたり、遅くなったりしては大変!
我々アルバイターは一人で来て、厨房のほうを見ているお客様がいると「あの人、モニターかも。注意しなくちゃ」なんてささやきあったものでした。だからルノアールで丁寧に扱われたかったら、店員の動きや厨房をチェックしたりして、モニターのふりをするといいかもしれません(?)
久しぶりに、明日はあのルノアールに行ってみようかな。
大越 康子
|