待つのパワー


 あけましておめでとうございます。といっても早くも1月も半ばですが、今年最初のつれづれということで。本年もマイペースな私ですが、どうぞよろしくおつきあいくださいませ。
 ところで、皆さんどうでした?ジャンボ宝クジ。あんなにいろいろ計画していたのに、私は600円しか当たりませんでした。でも、バラと連番それぞれ7枚づつしか買わなかったのに、両方ちゃんと末等は当たったのだからよし、ですかね?ラッキーなのはうちの父で、バラ連番10枚づつを買って各3000円ずつ、計6000円当たったんだそうです。よく考えるとこれって買った金額と同じで、要するに損はしなかったってことだけなんですが、それでもスゴイと思ってしまう。こんなセコい考えでは、億万長者への道は遠いですね?でも今年はちょこちょこ買ってみようかなあ。何事も継続は力なり、ですし・・・?

 それはさておき、故郷秋田は今年は天候に恵まれ、暖かなお正月でした。年末年始の秋田は雪と決まっているので、年賀状には「秋田で雪のお正月です」と書いちゃったんですが、ごめんなさい、今年は雪なんてひとひらもありませんでした。こんなお正月って何十年ぶりかもしれない。例年、混雑を避けて2日に行く初詣に、はりきって元日に出かけたら、すごい人出。1時間近く並んでやっとお参りできました。それにしても、1時間もの順番待ちは久しぶり。だいたい、気が短いから待つのは苦手。別に差し迫って忙しいわけでなくても、待たされると時間を損した気になってしまうのです。これまでに待ったものなんて数えるほどしかない。

 それでも学生の頃は、いまよりのんびりしていたのか、お芝居の当日券や映画の封切りなんかにも並んだなあ。お芝居のほうは、ほんとにいろいろ。唐十郎から鴻上尚史まで、花園神社から紀伊国屋ホールまで、よく並んだものです。いつもひとりで観にいっていたのですが、行列で待つあいだ何をしていたかが全然思い出せない。当時は自分もお芝居をしていたので、台本でも読んでいたのかなあ。とにかく並ぶことを苦にせず、最盛期は年間100本以上観ていたのだから我ながらすごかった。映画の封切りで覚えているのは、原田知世主演の「時をかける少女」の封切りに並んで観たことだ。角川映画とは観劇のラインナップに比べて、少々ミーハーな気もするが、知世ちゃんのファンというより原作のファンだったのだ。映画を観たのは大学生の頃だが、もっと前、私が小学生の頃にNHKテレビの少年ドラマシリーズで「タイムトラベラー」というタイトルで放映されていたので、なつかしくて。当時人気絶頂だった知世ちゃんを最近の若い人たちは女優さんとは知らなくて、歌手だと思ってたりするんだそうです。確かに歌もさらっと系でいい感じだけれど。話はズレますが、いまどきの若い人たちは阿川泰子さんを知らなかったりします。「ジャズってどんな感じのを歌ってるんですか?」ときかれると「スタンダードなんですが、阿川泰子さんみたいな・・・」と答えてきたのですが、若い人には通用しなくなってきたみたい。困ったなあ。

 もとい、並ぶ話でした。その後、OLになってからしばらくは昼は仕事、夜は続けていた芝居の稽古で並んで観劇をする余裕はなくなってしまった。いまの仕事を始めてからは並ぶところといえば、病院の診察待ちくらい。前に通っていた喉の病院は1時間以上待つのが当然という感じだったけれど、いま行っているところは予約制なのでそんなに待つこともない。ほかには、並んでまで行くところはないなあ。
 あ、でも昨日並んだ。ステージドレスを探しに行ったお店で、私の前のお客様がずうっと更衣室を占領していて20分くらい待っていたんだった。あれは疲れたなあ。でもこうして考えてみると、並んで時間がかかってもなにかをするというのは、情熱ですね。初詣はぜひこの快晴の日に一年の計をたてたいと思ったから、観劇は1本でも多くの舞台をみようと思ったから、喉の病院は早く治そうと思うから、ドレスは試着しなくてはいけないし。並んで待つのもパワーなんだ、と思い知りました。

 結局ねばったそのお店では買わなかったのですが、他のお店で今年のバースデーライブ用のドレスを用意しました。出演スケジュールでも紹介していますが、2月12日(木)御徒町アリエスです。たくさんの方に来ていただけるようにがんばって宣伝しますが、寒空の下、入口で並ぶ必要はまったくございませんので、どうぞ皆様お誕生祝にいらしてくださいね。私もパワーアップしてお待ちしています!


大越 康子