暑中お見舞い申し上げます


 この夏はほんとに暑いですね。お元気ですか?夏が好きな私も、さすがに今年の暑さには、ちょっと参っています。これまで、暑くて眠れないなんてことはついぞなかったのに、今年は寝苦しくて目が覚めるし、すごい量の汗をかいている。でもクーラーをつけたまま寝ると、喉に悪いし、ということで、氷枕を使い始めました。冷凍庫で冷やしても固くならないもの。氷枕なんて、子供のころ熱をあげたとき以来だけれど、なかなか気持ちいいです。頭と首がひんやりして、すぐに眠れる。近所の薬屋さんでは、店頭に山積みしてあるほかに「お急ぎの方、冷やしたものも用意しています」。今年は売れているんでしょうね。

 ところで、最近の私はあるお医者様に夢中。といっても、いつも登場する歯医者さんではないですよ。(そういえば、そろそろ検診にもいかなきゃいけないんだった!いつ行こうかなあ〜ルンルン♪)実はそれは、またまた小説のなかの人。今回直木賞を受賞した奥田英朗さんの「空中ブランコ」とその前作「イン・ザ・プール」の主人公、精神科医の伊良部一郎。もう読んだ方もいらっしゃるでしょうが、とんでもない変わり者。見た目はトドのように太っていて、色白。お世辞にもカッコいいタイプとはいえない。30代後半なのに、見るもの聞くものすべてに興味を示し、どこまでものめりこみ、あきたらぱっとやめる。他人の目はまったく気にしない。父親が医師会の実力者で、病院を経営しているので、お金にも不自由しない。ワガママな子供そのまま、でもなんとなく憎めない、というとっても魅力的なキャラクター。悩める患者たちは、伊良部のもとを訪れると、「こいつにくらべると自分はなんてまともなんだろう」と思いはじめ、やがてだんだんと症状も軽くなっていくのです。ここまで、小説のなかの人にひきつけられたのは久しぶり。ぜひぜひ今後もシリーズを続行してほしいです。ドラマ(映画)化もされないかなあ。キャスティングはどうしよう?伊良部といつも一緒にいる、ミニタイトの白衣(露出狂?)の看護婦役は、私が若かったら(!)演じたいくらい。これまたみょうちきりんな女です。うまく紹介できないけれど、とにかくこの2冊はオススメ。絶対に笑えます。

 笑えるといえば、今日はおかしかったなあ。
 久々に宣伝用の写真を撮りにスタジオに行ったのです。今使っているのは、このホームページの「トップページ」と「プロファイル」に載せているもの。本人らしくないところが、最高にお気に入り(?)なのですが、さすがに良心の呵責に耐えられなくなってきました。(「ライブの特色」にある写真は最近のものなのでご勘弁を!)それで、インターネットで探したフォトスタジオに行ってきました。大塚にあるそのスタジオは、こじんまりとしているけれど清潔で、メイクさんもカメラマン(フォトグラファーって呼ぶべきなのかしら?昔、ある人がバンドマンじやなくてミュージシャンって呼べって言ったそうな)も感じよく、写真が苦手な私にポーズの指導までしてくれて、とっても助かったのでした。そこで、私の撮影中に、次に予約していた親子連れが登場。6歳の女の子ハナちゃんとおかあさん。ハナちゃんはドレス姿の私をみるなり、「わあ!おねえさん、すごいっ。おひめさまみたーい!」金と銀のパンプスをみつけて「おくつもシンデレラみたーい」。パシャパシャ撮られて、ああでもない、こうでもない、と悪戦苦闘していると「おねえさん、ガンバレ〜!」スタッフの方とおかあさんと皆で笑ってしまいました。しかし、さすが女の子。キラキラしたアクセサリーやドレスが好きなんですね。よく考えてみれば、私もいまでも好きだから着てるんだけど。(普段着は地味ですので。念のため)撮影が終わって、仕上がりを待っているとハナちゃんがトコトコやってきて「はい、これあげる」みると、ハナちゃんが画用紙に描いた私の絵。かわいらしいひらがなで「おねえさんです。」とも書いてある。記念にいただいてきました。子供の絵も久しぶりなので、私が子供のころに描いたのと一緒にとっておこうっと。
でも、きょうおもしろかったのはハナちゃんよりもカメラマンです。私を撮っているときは、「うーん、もうちょっとスリットから脚をみせてみよう」とか「そうそう、その視線いい感じ」とかいわゆる業界のヒトって感じだったのですが、ハナちゃんの番になると一転。「さあっ!ハナちゃん、こっちみてぇ。おじさんの顔おもしろいかなあ?」「あれ、ハナちゃん、そんなことしてるとおじさん、ヘンな顔にお写真とっちゃうぞぉ」って、まるで町の写真屋さんのおじさん。お洒落なスタジオを構えるフォトグラファーも、いろいろタイヘンなのね〜、といたく感心した私でした。でも撮影はとっても上手ですし、リーズナブルなので、オススメ。ご興味のある方は私までお問い合わせを。ということで、トップページの写真も近いうちに変える予定です。お楽しみに!

 それと、次のCDの製作が始まりました。冬には発売予定です。内容はもう少ししてからということで、これまたお楽しみに。その関係でライブのほうは少なめになっていますが、サボっているわけではありませんので、お知らせまで。では、皆様夏バテなどなさいませんように!


大越 康子