元気なふたり


 きょうは年度末なので、忙しくしていらっしゃる方も多いことでしょう。お元気でしょうか?ついに桜も開花、いよいよ本格的な春到来です。ところで、私の大好きな沈丁花のシーズンは終わってしまったのでしょうか。風邪と花粉症の予防のため、外出時にはずっとマスクをしていて、あのよい香りに気づきませんでした。もし終わってしまっていたのなら、残念。いくら健康のためとはいえ、もったいないことをしたものです・・・。でもまあ、この春は羽根木公園に梅も観にいったし、二子玉川の河原に散歩にも行ったし、近くにいったついでに上野公園にも行ってみたし(この時は桜がまだでしたが)、まあまあのんびりした時間もとれているような気がしています。

 春なので、ということもないけれど、今日は私の周りの元気な女のひとのことを書きます。ふたりともお名前も知らないのだけれど、会うととにかく元気になれること間違いなし!なのです。

 まずひとりめは、すぐ近所のコンビニエンスストアの店長さん。このあたりは駅から大学への通り道のせいか、コンビニの激戦区。3年前にできたときはどうなることかと思っていたけれど、女子学生向けの化粧品や他のコンビニにはないちょっとした野菜類を充実させるなど工夫をこらし、結構繁盛している様子。ジャーナリストの江川詔子さんを、もう少し年配にした感じの店長さんは、いつもほんとうに元気で、一生懸命だ。「いらっしゃいませー」「ありがとうございました」「またよろしくお願いしまーす」真っ先に大きな声をかけてくれる。アルバイトへの教育もしっかりしているので、従業員は皆、礼儀正しく、いつ行っても気持ちがいい。荷物が多いお客には、会計が終わったあと、店長自ら出口まで行き、ドアを開けてくれる細やかな心配り。コンビニはどこでも商品の値段は同じだけれど、こういう人がやっているお店は応援したくなります。といっても、私は毎日100円の新聞を買うくらいで、たいして売り上げに貢献していないのだけれど・・。常連客も多いようで、ある晩は近くの飲み屋さんのママ風の女性が買い物に来ていた。するとこの女性が店長にむかって
「ねえ、ママ、あのジュースはもう売ってないの?」
ですって。ママはアナタでしょうが?それともコンビニの店長もママと呼ぶのでしょうか?ま、とにかくあのがんばっている店長に固定客がつくのはよろこばしいので、呼び方はどうでもいいですね。

 さてもうひとりは、近所の不動産屋のお姉さん。お姉さん、といっても私よりはずっと若くて、多分20代半ばくらい)なんで不動産?と思われるかもしれないが、コピー代金が安いので、ときどき行くのだ。ここは主に学生向けの物件を紹介していて、いつでも混んでいる。従業員は彼女と、もう一人年配の男性の二人。が普通と違うのは、彼女のほうが年上の男性に「○○サン、次はこれやっておきましょうよ。また何があるかわからないから、時間があるときにやっておかなくっちゃ」なんて具合に支持をだして、仕切っている感じなのだ。コピーをしつつ、電話やお客との応対をきいていても(大量コピーしている時間ってヒマなんですぅ。いつも耳ダンボなわけではありませんっ)、そのしっかりさ加減に惚れ惚れしてしまう。いやあ、こういう若い人がいるのなら、日本の国も大丈夫だわ、なんて。またこの彼女、声がハスキーで、私が昔在籍していた劇団の看板女優さんの声にそっくり。そういえば姿かたちも心なしか似ているような。美人です。あれだけしっかりして、押しの強い(?)キャラクターだったら、それこそ演劇の道に進んでも、スター女優になれるのでは?なんて、オバサンはつい余計なことも考えてしまいます。が、堅実な彼女は、宅建でもとってバリバリの不動産会社社長になるのかもしれませんね。とにかく頼もしく、声をきけるだけで元気になれるので、いつしか大量コピーをするのも楽しみになっているのでした。

 明日からは4月。なんだか新しいことを始めたくなるような、ワクワクする季節です。私も元気にがんばらなくっちゃ。


大越 康子