なんだかとっても素敵な思い出ができたかのようなタイトルですが、残念ながら特に素晴らしい何かが起こったわけではありません。バカンスなどという優雅な生活とも縁遠く、お盆の3日間だけ秋田に帰省しました。家族でボウリングに行ったり(何十年ぶり?しかし1度だけストライクが出て大満足)十年ぶりにいとこに会ったりして、のんびり過ごしました。15日に東京に戻ってくるのは早いなあ、もう一日ゆっくりしたいなあ、とも思ったのですが、16日の夜は仕事だったので、念のため前日に戻ってきて大正解!16日だったら、大地震で新幹線はストップ。夜のステージには代役をたてなくてはいけないところでした。危ない、危ない!教訓その1.遠方にいるときでも仕事の前日には自宅に帰ること。
その後、全国夏の高校野球で、ご縁のある駒大苫小牧高校(どういうふうにご縁があるかというと、現在私の住んでいるのが駒沢大学の近所なのと、半年に一度くらいの割で苫小牧のライブハウスに歌いに行っているのです)が2年連続優勝を達成!すご〜い。これは苫小牧の皆さまにお祝いメールを書かねば・・・と思っているうちに、不祥事が発覚。大もめになってしまいました。あらあら。教訓その2.お祝いはまごまごせずにすぐに送ること。結局、優勝は取り消されずに済んだので、きっと地元の皆さまもほっとしていることでしょう。遅ればせながら、ほんとうにおめでとうございます。
がんばったのは生徒たちなのだから、優勝取り消しは可哀相、という意見もたくさんきいたし、そう思わなくもないのですが、もっとよく考えると、もし私が当事者だったら、取り消しでもそれほど悔しくない気がしました。優勝を取り消されたとしても、その夏ほんとうは自分たちが勝ったんだ、という事実は残る(もしかして、本当に取り消しということになれば記録からも抹消されたのかもしれませんが)少なくとも、自分たちの「記憶」には残るので、もうそれでいいじゃない。優勝旗というモノがなくても、一試合一試合勝ち抜いていった体験と記憶こそが、財産だと思います。もう優勝が決定したのに、余計なことを書いてますが、ほんとにそう思ったので。別にお世話になっている苫小牧の皆さまにケンカ売ってるわけではないので、誤解なきよう。
教訓その3.もあるとよかったんだけど、もうなくてスミマセン。代わりに、この夏新たに好きになったものというば寅さん映画「男はつらいよ」!帰省した晩に両親とBSで観て、すっかりファンになりました。ストーリーは毎度おなじみ、フーテンの寅さんがふらっと柴又の実家に帰ってきて、恋をしてやたらと張り切るんだけれど、失恋。失意のうちにまた旅にでる・・・という単純なものですが、映画の中の風景が昔を思い出させてくれて、懐かしい気持ちになれます。おいちゃん、おばちゃんはじめ柴又の人々の人情味もじーんとくるし、いつも失敗ばかりの寅さんが旅先で出会った人には親切で感謝されているというのもなぜだか嬉しくなります。寅さんみたいな家族がいたら大変だろうなあ、と思う反面、こういう心優しく一本気なお兄さんがいたらなあ、なんて考えたり、寅さんの失敗に比べれば、自分のほうがまだましだろうから、がんばるか!と思ったり。大感動というのではないけれど、しみじみできるのです。お盆に観た回のマドンナは若尾文子さんでした。きれいでしたね〜。それとなんて魅力的な声でしょう。深くて、甘くて、響いてくるような声。これまで注目したことのなかった女優さんでしたが、他の出演作品も観たいなあ。ああ、それから寅さんといえば、なんといってもあの主題歌です。星野哲郎・作詞、山本直純・作曲。「どうせおいらはヤクザな兄貴、わかっちゃいるんだ妹よ〜」というアレです。この夏はずっとあの歌が耳について離れません。日頃はスウィングやバラードやボサノバなど歌っていますが、やっぱり日本人にはあの歌ですよ。最高にしっくりきます。この夏のテーマソングです。イロイロあるけど、まあがんばるか〜、と寅さんに励まされているような気がするのです。
大越 康子
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