更新が遅れて、失礼しました。ライブにCD製作に、おかげさまで忙しい日を送っています。CDは秋に発売の予定です。少し先ですが、楽しくお聴きいただける作品にすべく日夜奮闘中ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて本題。先日、仕事関係の某女性と電話で話していたところ、「最後に、ひとつ余計なことなんだけど」と言い出した。はて?と思ってきくと「大越さんの留守番電話のメッセージに“ご連絡差しあげます”と入っているけれど、“差しあげます”っていうのは、自分の動作を高めているから間違いで、“ご連絡させていただきます”だったらいいのよね」と言う。「はぁぁ??」と思ったが、一応ちゃんと調べてからでないと反論するのはまずい、と思い、「ご指摘ありがとうございました。少し調べてみます」といったん電話を切った後、大急ぎで、インターネットを検索。大急ぎする必要もないのだけれど、私は間違っていない!という自信があったし、こうして文字に書くとなんでもないみたいですが、相手の指摘の仕方が高みからものを言っている風で、とっても嫌な感じだったのです。だいたい、ほんとうに相手のことを思って忠告するのなら「余計なことなんだけど」なんて言うなよな!(←ガラが悪くてすみません)
調査の結果、やはり“電話します”の敬語は“お電話差しあげます”が一般的とあり、多くの企業でもマニュアルに載せている。ずばりこの例題(?)と同じQ&Aも載っていて、“〜させていただきます”は、なんらかの行動に対して、相手の許しを得て〜する、という意味で、許しを乞うような対象がいない場合には慇懃無礼に聞こえることもある、とあった。そうそう、これこそ、私が感じていたもの。“ご連絡させていただきます”という言い方があることは私も知っているし、このほうが“させて”と“いただく”と二重に敬語になっているのだから丁寧なのかもしれないが、どことなく《業者》をイメージしちゃうのです。《お値引きさせていただきます》とか《勉強させていただきます》とか。ものすご〜く下手にでてる感じをうけるのは私ひとりでしょうか。
くだんの彼女にいわせれば、お仕事をうける電話なんだから下手に出てよくないわけがない、というのかもしれないけれど、私は好きではない。このあたりはおのおのの言葉のセンスだろうから、意見が違っても仕方がないだろうが、別に彼女の会社の部下でもないのだから、それこそ余計なお世話だ。
結局、“ご連絡差しあげます”で正しい、“ご連絡させていただきます”という言い方は場合によっては慇懃無礼に聞こえる、といった資料を彼女宛にファックス送信しました。これこそ余計なお世話かもしれませんが、今度また彼女がうちの留守電メッセージをきいたときに「どうして訂正していないの」と怒るのも嫌だし、他のミュージシャンにも同じような忠告をしていたら、された人もお気の毒ですから。果たして、ファックス送信の翌日、彼女から電話があり「“差し上げます”でいいんですね。失礼しました。恥ずかしいです。でも、私は“差し上げます”だとどうしても抵抗を感じるほうなのかなあ」という留守電メッセージが残っていました。だから、感覚の問題だから仕方ないんだろうけれど、理論的に正しいものを「自分は違うように感じる」といつまでも言われても・・・!プンスカ!!
最近は正しい日本語がブームのようで、本やらテレビ番組やらいろいろあるので、どこかでこの問題をとりあげて、彼女の耳(目?)にも入るようにしてほしいものです。私も間違った言葉を使わないよう、おせっかいをやかないよう、気をつけなくては。
大越 康子
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