秋の読書週間・その1


 いつまでも蒸し暑いと思っていたら、例年より早く木枯らし一号が吹いて、急に寒くなりました。暑くなるのも、寒くなるのも急で、からだがついていくのがたいへんです。風邪などひいてはいませんか?私も予防のため、マスクをしたり、しょうが湯を飲んだり、背中にカイロを貼ったり(毎度のことですが色気がない)しています。マスクはいつも持っていて、電車の中で近くに咳き込む人がいたりすると(嫌味にならないように、さりげなく)かけます。外出中はいつもしていればいいのでしょうが、年がら年中マスクっていうのもねえ。どのみち12月〜4月の風邪、花粉の時期には必携になってしまうのですが・・・。
さて、秋といえば「読書の秋」ですね。まとまった時間はなかなか作れないのですが、電車の中や眠る前に、ちょっとづつ色々な本を読んでいるので、今日はその感想を。

・「窓際OL トホホな朝ウフフの夜」
・「窓際OL 会社はいつもてんやわんや」
・「窓際OL 親と上司は選べない」  (斎藤由香・著)

 某週刊誌の連載でおなじみの「窓際OL」シリーズ。斎藤茂吉を祖父、北杜夫を父に持ち、某洋酒メーカーに勤務する著者の会社での奮戦記。今後、OLになれそうにはないですが、いつまでも歌を続けられるとも思えないので、お勤めをする際の心構えを持とうと思って(?)手に取りました。不況のいまどき、こんな優雅な会社あるの〜?さすが大手は違う!と思ったり、「窓際」といいつつ、担当している精力剤のPRに成功、売り上げを前年度の何十倍にしている著者は、人事考課で役職がつかないだけで、有能社員なんじゃない!と思ったり。著者本人の話より、その回りにいるOLさんが上司とうまくいかずに退職においやられるエピソードのほうが身にしみて、お勤めもラクじゃない、と改めて実感しました。それから、文中には会社での出来事と両親、祖父母しか登場しないのですが、実は斎藤由香さんは既婚で、高校生の息子さんもいるのだとか!びっくり!どう読んでも、独身OLの話にしか思えないんですよ。まあ、プライベートは書かないようにしているんでしょうが、ご主人とは社内結婚ときくと、なんだか「窓際」での悲哀、というのが嘘っぽく感じられてしまうんですよね。だからこそ、そこには触れずにいるんでしょうが。(←私は意地悪なので、書いてしまったよ。由香さん、ごめんなさい。(でも他の雑誌でご自分でも話してるんだからいいですよね)

・「しをんのしおり」
・「夢のような幸福」
・「乙女なげやり」(三浦しをん・著)

 数年前に直木賞を受賞した著者のエッセイ集。小説のほうはBL(ボーイズラブ)がテーマらしいのですが、気軽に読めそうだったので、エッセイのほうから見てみました。これは、はっきりいって面白いです。弟に「ブタさん」と呼ばれ、必要がない限り風呂に入らず、漫画と古本を愛する作者の生活って、脱力系で最高!今度は小説のほうも読んでみるつもりです。きっとエッセイとは全然違うんだろうなあ。

・「日の名残り」(カズオ=イシグロ・著)

 エッセイばかり続きましたが、たまにはちゃんとした小説も読むんです。ベストセラー「わたしを離さないで」の著者の作品。イギリスが大英帝国だった頃の、上品、かつユーモラスな、最後はちょっと悲しいお話。私は高校時代、受験の選択は「世界史」だったのに、ン十年たった今はチンプンカンプン。当時のイギリスの歴史に詳しい方は、より楽しめると思います。

あらら、長くなっちゃったので、また次回に続けます。


大越 康子