録音と検査の日々

 「また、まとめ書きですか?」と言われてしまいそうですが、調子にのって、続けて書いています。今回はちょっとブログ風。前回も書いたとおり、病院でいろいろ検査を受けつつ、新しいCDを作っている日々のご報告です。(検査結果は前回も書いたとおりで、たいしたことはなかったのでご心配なく)

5月○日 午前中、自宅近くの病院へ。朝一番に行ったのに、すでに行列ができていてびっくり。「前回の検査では異常なし。でも念のためもっと詳しく調べたほうがいいでしょう」と言われ、更なる検査の予約。しかし「もしこの検査で異常がみつかると一泊入院になるので、それでもかまわない日を選んでください」と言われ困る。午後〜夜はだいたい何かしら予定があるのだ。結局、精密検査はひと月近く先になってしまった。ほんとに悪い病気だったら、ひと月で大分進んでしまうのでは・・?まあそのときは、そのとき、と諦める。午後はピアニストと池袋のスタジオで待ち合わせ。お願いしていた新しいCDのアレンジが出来上がったので、その練習。おなじみのポップス曲が、原曲とまったく違ったイメージに仕上がっていて感謝感激☆終了後お茶を飲みながら、収録についてこまごま打ち合わせをする。夜は17年も出演している中野のピアノパブ・マイウェイへ。常連さんの上手な歌を聞き、楽しいおしゃべりの合間に私も歌わせてもらっているアットホームなお店です。マスターとママの歌は絶品。歌いたい方、お気軽にいらしてくださいね。

5月○日 CD録音日。前日とはうってかわって晴れて、夏を思わせる暑い日。朝早くから目黒のバンリュウジスタジオでピアノトリオと収録をはじめる。バンリュウジは「蟠龍寺」と書くお寺です。目黒七福神の弁天様を奉っていることでも有名。ちなみに弁天様は「インドの水(川)の神、川の水がさらさらと流れる音色から音楽の神ともいわれます。智慧・弁才・財をつかさどり、音楽、芸術などの上達にご利益があります」だそうで、私にピッタリ?色々ありましたが、夜までに予定どおり8曲の収録を終える。メンバー、スタッフの皆様、ほんとうにお疲れ様でした!この日は私は仮歌でほんとうの歌入れはあとから。がんばっていい歌を歌って、一生懸命に売りま〜す!

6月○日 午後、先週と同じバンリュウジスタジオで、来週のアリエスライブのリハーサル。リハーサルをさせていただけるようになってから、充実した練習ができるので、精神的にラクになったし、ステージの内容もよくなった、と自負しています。また録音したCDの演奏のカラオケを、歌の練習用にいただく。あらためて聞いてもカッコいいなあ〜。タイトルは未定なので、とりあえずケースには「大越康子ポップスベストセレクション・カラオケ」と記入する。

6月12日 私のメインライブ、御徒町アリエス☆スタンダードジャズからプレスリー、イーグルス、ミシェル・ルグランなど歌いまくる。夏の新CD発売前なので集客が心配されたが、お天気もよく、お店のお客様も多かったので助かりました。感謝☆反省点は多々あれど、まずは無事に終ってほっとする。峰不二子風(?)赤いドレスと9センチのハイヒールでした。珍しく、終了後メンバー全員で一緒に帰ることになったが、よろこんだのもつかの間、ピアニストは大江戸線、ベーシストは銀座線、ドラマーはJR線、私は千代田線、と全く気があわず(?)残念!

6月○日 午後。バンリュウジスタジオにてCD録音。歌入れ1日め。開始前にお寺にお参り。「自分らしく歌えますように。スムーズに進みますように」タイトルに決まったCall Meなど4曲を録音。後半は疲れたのか、声がかすれてしまった。普段は少々具合が悪くても、勢いで歌ってしまっているけれど、録音では声のごまかしがきかないし、体調管理は難しいです。

6月○日 病院で5月に予約した検査の日。前日からの食事制限もあり、なかなか大変でしたが3時には終って、まったく異常なし、との診断。帰って、ちょっとお昼寝、と思ったら、夜まで眠ってしまった。これで安心して来週からのCD歌入れに臨める。

6月○日 と思ったら、これまた念のために受けた区の胃がん検診の結果が届き「要再検査」。がっかり。胃には問題を感じていないけれど、仕方ないのでまた病院へ行き、胃カメラの予約をする。

6月○日 午後CD歌入れ2日め。からだが暖かいほうが声が出やすいので、午前中お風呂に入り、身支度しながら、気分をもりあげるために吉田美奈子の「午後の恋人」「時間をみつめて」を聞く。これから歌うのは70年代ポップスなのに、なぜ吉田美奈子なのかは私にもわからない(CDの吉田プロデューサーのお名前に合わせたわけではアリマセン)。前日からゆっくり休んだのがよかったのか、この日は調子がよく、難航が予想された曲もわりとすんなりOKをもらえて、ラッキー。夜は表参道のライブハウスへ、昨年知りあった鈴木希彩(のあ)さんの歌を聴きに。美しい声とかわいい姿にうっとりしつつ、カウンターで、辛くて美味しい「大人のジンジャーエール」を飲み、くつろぐ。がシャンソンの「想影」という曲の「もう二度とこんなに愛されることはないと知りつつ、私は銀の舟に乗る・・・」といった歌詞をきいて、涙が止まらなくなった。涙だけならよかったけれど、昼間の疲れがでたのかじんましんまで出てきてしまい、あえなく一部で失礼する。
素敵な鈴木希彩さんのブログはこちらです→ のあの気ままなひととき

6月○日 午後CD歌入れ3日め。ここまでの2日で一応全曲録り終わっていたが、1曲やり直したいものがあり、我儘を言って時間を作っていただく。いつも歌っている曲だけれど、ライブよりもテンポが速いせいか、集中が足りないせいか、なかなかうまくいかない・・・。休憩時間に「私ちょっと酔っぱらったほうがいいでしょうか?」とテーブルの上にあったウィスキーボンボンをひとついただく。これが効いたのか(?)、次のテイクでOKになりました。見かけと違って、私はお酒には弱いのです。この日の様子がヴェンタインレコードのブログでも紹介されています→地球にやさしい音づくり
写真手前の花は、これまた気分をたかめるために私が持参したくちなしの花。甘くて強い香りでした。夜、友達に電話して「今日で歌入れが終っちゃって寂しくてたまらないの」と泣きつく。すると「え〜じゃあさ、‘これまでのは全部気に入らないから、もう一回最初からやり直させて‘って頼めばいいじゃん?」って!そんなことしてたら、一生発売できないじゃないですか。まだジャケット写真の準備とトラックダウンが残っているし、寂しがっている場合ではない、と思いつつ、やはり寂しくて、ピンクベージュの口紅をつけたまま眠る。(自分でも意味不明。よい子の皆さんは唇が荒れるので、やめましょう)

6月○日 胃カメラの検査。内視鏡検査室の看護婦さんも吉田さんというお名前。今月はほうぼうで吉田さんという方にお世話になるなあ、、。結果、慢性胃炎の診断。日頃から気をつける以外対処法なし、と言われる。ピロリ菌をやっつけるヨーグルトでも食べようっと。ともあれ、これですべての検査が終了して安堵する。来週のジャケット写真撮影のために、メイクスタジオを予約。

6月○日 ジャケット写真撮影。お昼に表参道のメイクスタジオに行き、「若くて可愛くみえるよう☆」とあつかましいリクエストをして、プロにお化粧してもらう。「睫毛が長いですね〜」「肌には問題ありません」と言われたのが嬉しかった。うちの近所の写真スタジオに行き、1時間以上かけてジャケット用にたくさん写真を撮ってもらう。宣伝用の写真撮影もいつもそうだが、慣れてきた頃に終ってしまう。録音もそう。そして人生もそうなのかも・・・などと考える。

7月○日 できあがった写真を持って、バンリュウジへ。デザイン担当の児島さんと打ち合わせ。この写真を使ってジャケットを作っていただけることになった。最後まで往生際が悪い私は「児島さん、この私の写真のシワをパソコンエステで消してください」と、またまた図々しいお願い。するとメールで親切な御返事が。「やってみます☆ただパソコンエステで加工した人の顔に似るというウワサがあるので、似ちゃったら、アハハ」って。児島さんに似たら、ジャケ買いしてくれるおじ様が増えて嬉しい!と期待&感謝する。夜は新宿のピアノラウンジJJへ。ジャズのほか、小柳ルミ子の「背中でちょっとアイラブユー」など、日本語の歌にも挑戦。この歌の「この恋、いい恋だった。いつ泣いたらいいのか、気づかぬくらいに」というところがせつなくて、泣きそうになります。

 そしてきょうは、トラックダウン待ちの状態です。「寂しい」とばかり言ってはいられず、次のステージの準備をしています。今月後半から少し時間に余裕がありそうなので、村上春樹やカズオ・イシグロの新作も読みたいな。歌いたい曲もまだたくさんあるし。「ほぼ異常なし」で元気なこともわかったし、世間の不況の空気なんか読まずに、華やかに続けていきたいです♪


大越 康子