What Are You Doing The Rest Of Your Life?〜これからの人生〜

 今日から11月。今年もあと2ヶ月になりました。町では、年賀状印刷の宣伝をみかけます。皆様お変わりありませんか?私は今日は久しぶりのお休みで、午後まで眠ってしまいました。眠りすぎて、背中や腰が痛いほど。昔、父が「寝すぎて背中が痛い」と言っていたのを、小さかった私は「どうしてそんな痛くなるほど、寝ちゃうんだろう?」と思ったものですが、今はその気持ちがよ〜くわかります。

 さて先週はライブも一段落ついたので、久しぶりに長い小説を読みました。奥田英朗の話題作「無理」。東北の架空の地方都市での群像劇。さびれた町で、毎日の生活に疲れきって暮らしている人々の様子がリアルに描かれる。問題を抱えながらも、必死に生きている各々に事件が起こり、最後はクラッシュする・・・。それぞれのエピソードはいかにもありそう、と思えるので、スラスラ読めるのですが、地方都市のさびれゆく現状がこれでもか、と迫ってきて、ユウウツになってしまいました。故郷の秋田の過疎ぶりを知り、またこの先、地方で暮らす可能性もある私にとっては辛い現実を突きつけられたような。現在の私は決して裕福ではないけれど、でも華やかな都会で自分の好きな仕事をしていられるのは、最高に幸せなことのように思えました。ストーリーの結末は、私にとっては納得いかないものでしたが、現在の自分は相対的に恵まれているのかもしれない、と思えたことが、この小説を読んだいちばんの収穫でした。ライブの度に「来てください、来てください」とお願いするのが、申し訳なくて、かといって、お客様が来てくれなければバンドのギャラも払えないし、ため息をついてばかりなのですが、それでも「私はまだ幸せ」と思えました。(奥田英朗さん、ゴメンナサイ。全然宣伝になっていませんね)

 と同時に、この先、地方で暮らすことになったら、そのとき私はどんな生活をするんだろう、とも考えさせられました。。今と同じ仕事で生計をたてることは難しいだろうし、他に就職に有利な特技もないし。「無理」にあったように、お弁当屋さんでのパートとかするのかな。それにしたって、私はできているおかずを詰めるくらいのことはできても、揚げ物さえ作れないんだった・・・(自慢じゃないけど、学生時代家庭科の成績は5段階評価の「2」だったことがあるほど苦手、かつ、嫌い)。う〜ん。そうそう、学生時代に喫茶店のウェイトレスのアルバイトを結構長く続けて、退職金まで貰ったので、そっちのほうがまだ向いているかも?まあ、雇ってくれるところがあれば、の話ですが。

 多分、暮らしていけるだけのお金をいただけるなんらかの仕事をして、そのほかにも趣味をみつけて、それを生きがいにして暮らしていくのでしょう。その趣味が何であるかはわからないのだけれど、地方にいて、ひとりでもできて、長く続けられるものがいいなあ。あ、年とったら人と会話しないとボケる率が高くなるそうだから、仲間がいたほうがいいけれど。この間もお友達と「将来もし地方に住んだら、野菜づくりをするなんていうのはどうかしら?ゴーヤとか、紫蘇とか、何が作りやすいかな?」などという会話をしてました。農業はたいへんそうだけど、それくらいの家庭菜園なら楽しみながら続けられるかも。何をするにせよ、そのときのその場で、一生懸命、自分が納得できる生き方をしたいです。とりあえず、今はお客様に喜んでいただける歌を歌うことですね。そうした生活ができている幸せをかみしめつつ。

 最後にさっきはうまく宣伝できなかった奥田英朗さんの面白い作品をあげてみます。前にも書いたけれど、小説はトンデモ精神科医「伊良部」シリーズの「イン・ザ・プール」、「空中ブランコ」が最高!(シリーズ3作目の「町長選挙」はモデル小説で私にはいま一つでしたが。)それからエッセイでは「延長戦に入りました」というスポーツをテーマにした猛毒エッセイが大爆笑物。いずれも軽く読めるので、気分転換にオススメです。私も「気分転換に最適」と思ってもらえるように歌えるように頑張ろうっと。


大越 康子