YSR50 エンジン オーバーホール 3ページ目

いきなり画像が飛んでしまいますが、クランクケースを分割しました。
分割シーンを詳しく見たい方は、80ccエンジン編を参照してください。
しかし、醜いクランクケース内です。まるで水没したようです。
ベアリングはサビサビです。
取り外したクランクも、この状態です。
黒く見えるところは、全部サビです。
パーツクリーナーで洗浄したら、錆が黄色く見えるようになりました。
このままでは、使えないし・・・・
本当なら内燃機屋さんでクランクをバラして、錆落しをして、
大端部のブッシュやベアリングを新品にするべきなのだろうが・・・
多分、クランクAssyの購入金額の6〜7割ぐらいかかるでしょうね。

まぁ、ダメ元で自分で何とかしてみましょう。
ダメなら潔く新品を買いましょう。

はい、それではどうするかと言うと。サンポール漬けです。
サンポールの効果はガソリンタンクで実証済み。
問題はどこまで金属を侵してしまうかと言うことと、サビを落した後の防錆処理。
大端部のベアリングあたりが一番心配。最悪焼きつきの可能性もあり。
良い子は真似しないでね。

今回は、サンポール:60度位のお湯=1:2ぐらいでやりました。
14時間ぐらい漬けましたが、一部サビの残っている所があり。
沸騰したお湯とサンポールで2時間程、漬け込み歯ブラシでこすりました。

漬け込んでいるとき、所々から気泡が・・・・サビのない小端部からも・・・
溶けてるんですか〜。

サビは完全に落ちました。
サビのきつかった所は、メッキ?かコーティング?が落ち、色が変わっています。
コンロッドはこげ茶だったのが、きれいなブロンズ色になりました。
コンロッドって、銅だったの?
サンポールは酸性なので、マジックリン(アルカリ)で中和します。
歯ブラシでサンポールのヌメヌメをとり、水で洗い流します。
金属の地肌が出てるので、5分ぐらいで錆が発生するので、急いで作業をします。
その割には、写真撮ってるし…
水洗いしたらエアーで水気を飛ばし、紙ペーパーで拭きます。
潤滑剤を拭きつけ皮膜を作ります。CRCだけでは不安なので、
今回はその上からグリスタイプの潤滑剤も拭きつけました。
そのあと、紙ペーパーで包んでおきます。

翌日、サビのカスが残っていないか心配だったので、
大端部のベアリングあたりをパーツクリーナーで入念に洗浄しました。
クランクシャフトもボンスターで磨きました。
もう一度、グリスタイプの潤滑剤を拭きつけ、紙ペーパーに包んでおきます。
あとは、組み立てまで置いておきます。

ベアリングやオイルシールは外します。

さて、この醜いクランクケースを洗浄しなければいけません。
灯油やガソリンやパーツクリーナーでは、歯が立ちそうに無いので
インターネットで強力なアルカリ洗剤を探すことにしました。

GARAGE−WITHのPPW−Gと言う
PH14の強力アルカリ洗浄剤をスプレーして、ブラシで磨くとこんなに綺麗になりました。
油、泥、サビは綺麗に落ちます。汚れが落ちたら、水で綺麗にすすぎます。

写真では光の加減で白く見えますが、実際は少し黒ずんだようになります。
アルミには少しきつすぎるようです。

合せ面のガスケットの残りを削り取り、オイルストーンで綺麗にします。
ケースにバリがある場合は、耐水ペーパーやオイルストーンでバリを取っておきます。

ベアリングが挿入しやすいように、ケースを電気コンロで温めます。
水滴を落とし「ジュッ」と蒸発するぐらいまで・・・15分〜20分ぐらい。
ベアリングの方は冷凍庫で冷やして置きます。

上手くケースが膨張していれば、ベアリングを叩かなくてもストンとはまります。
ベアリングが傾いていると、引っ掛るので平行にはめます。
バリがある場合も引っ掛ります。

ベアリングを入れ終えたら、そのままケースが冷えるまで置いておきます。

右側のケースにも同じようにベアリングをはめます。
ミッションメインアクスルのベアリングが少し引っ掛ったので、
軽く叩いて入れました。
ケースが冷えたら、オイルシールを打ち込みます。
ソケットレンチのソケットを使いました。
オイスシールの外側にはシリコンスプレーを、内側にはメタルラバーを拭きつけます。

打ち込む量は、サービスマニュアルに指定がなければケースに面一に打ち込めば良いでしょう。
クランクシャフトのオイルシールはベアリングに干渉しないギリギリまで打ち込めば
一次圧縮があがるのでは・・・