YSR50 エンジン オーバーホール 4ページ目

クランクを挿入する前に、クランクの状態を測定しておきます。
クランクシャフト振れ幅 0.03mm(標準値0.03mm)
大端部すきま 0.5mm(標準値0.2〜0.7mm)
コンロッド小端部振れ幅 0.95mm(標準値0.8〜1.0mm)
クランク組み立て幅 38.00mm(標準値37.90〜37.95mm)
クランクの組み立て幅が標準値より0.05mmオーバーしていましたが、
これぐらいなら大丈夫でしょう。

クランクインストラポットを使い、クランクを挿入します。
コンロッドがケースに引っ掛らないように気を付けながら、ゆっくり入れていきます。

ケースの合せ面とコンロッドの中心が合わさるように入れます。
コンロッドは、左右に遊び(振り幅)があるので、遊びの中心で合わせるようにします。
ケースの合せ面をパーツクリーナーで脱脂しておきます。
ミッションをセットする穴にはミッションオイルを塗っておきます。
写真はありませんが、ミッションを洗浄して偏摩擦ががないか確認して
ミッションオイルをたっぷり塗ってあります。
ミッションをセットするときは、
一つ一つ入れるのではなく、仮組みして4つまとめて入れます。
スムーズに動くか確認します。
ケースの合せ面に液体ガスケット(指定はスリーボンドの1215)を
薄く塗り(右側のケースに塗る方が楽です)、
ダウエルピンを入れ、
クランクインストラポットを使いケースを合わせます。

今回、クランクインストラポットを使わなくても、ストンとクランクシャフトが入りました。
サンポールでクランクシャフトが痩せたのか・・・?

ケースを裏返しクランクが軽く回る位置をプラハンで軽く叩きながら探します。
トルクレンチを使いクランクケースを固定するネジを締めていきます。
ネジを締めるとクランクの回りが固くなる場合、クランクの挿入が不充分な場合があります。
そんなときはクランクインストラポットで少しクランクを引っ張ります。
ネジはクランクに近い所から、対角線に、3回ぐらいに分けて締めこみます。

完全にケースのネジを締めたら、次はマグネットベースを取り付けます。
外すときになめてしまったネジは新品に交換してあります。

ローターを取り付けます。
ユニバーサルホルダーでローターを固定して、トルクレンチでネジを締めます。
また、ケースをひっくり返し
キックシャフト、キックアイドルギア、シフトシャフト、プライマリドライブギヤなどを取り付ける。
YSR80からパーツ取りした、タコメーター取り出し用のギヤも取りつけてあります。
プライマリドリブンギヤ(クラッチアウター)を取りつけ、クラッチ板を取り付けます。