White day Attraction |
…俺は言った、確かに言ったはず。 ムードを重視しろって! それがだっ!コレは一体どー言う訳ぇ? 何でネグリジェ脱がさねーんだよっ!! 「ん…っ…かいぃ…コレ…も…ヤダ…てぇ」 悟浄は腰を高く上げてベッドに突っ伏した状態で、息も絶え絶え喘いでいた。 スケスケネグリジェは汗や精液でぐっしょり濡れて、捲り上げられた胸元で丸まっている。 未だに挿入はされてないが、執拗な八戒からの愛撫に悟浄の腰は砕け気味でガクガク震えていた。 チクショー!やっぱ天蓬と従兄なんだなっ! 八戒にこんな趣味があるなんて詐欺だあああぁぁっっ!! 悟浄はしゃくり上げながら、勝手に溢れてしまう涙を枕で拭う。 怒鳴りつけたいのは山々だが、口を開けば甘ったるい嬌声を漏らしてばかり。 ますます八戒を悦ばせてしまう悪循環に陥ってた。 もう何度も達かされてはいる。 しかし決定的な快感は与えられないまま、淫猥な熱が悟浄の下肢で燻っていた。 吐き出すだけじゃなくて満たされたい。 八戒の熱を内側から感じたいのに。 が、しかし。 そんなこっ恥ずかしいこと強請れるかーっっ!!! 結局言い出せない状態で、悟浄はただひたすら緩やかすぎる快感に悶々としていた。 こんなコト続けられたら頭がヘンになる。 何度も口を開いては躊躇して、喉まで出かかる言葉を飲み下した。 今まで八戒に散々抱かれてきたけどこんな目に遭うのは初めてで、悟浄は予想外のことにだた戸惑っている。 悟浄の中では確固とした八戒の先入観があった。 自分が初めての相手ではないにしろ、経験があまり無くて奥手で。 セックスに関しては嫌悪とまではいかないにしても引き気味で、愛撫も拙く不器用な感じだった。 そんな八戒も段々悟浄の身体に慣れて、二人で快感を共有できるまでに成長する。 それはそれで悟浄的に『八戒にセックスを教え込んだのは自分』という満足感があった。 初な恋人を自分好みに調教していくという行為は、オトコにとってある意味甲斐性だ。 さすがに純真無垢とは思ってないが、八戒を自分の手管で育てられる醍醐味は楽しくて仕方なかった。 …はずなのに。 一体何がどうなって、俺ってばこんな目に遭っちゃてるわっけ〜?? うわわっ!そんなトコ弄るな舐めるな吸うんじゃねーっっ!!! 悟浄は独りでプチパニックに陥っていた。 八戒も漸く様子がおかしい悟浄に気づく。 「…どうかしたんですか?悟浄」 「どうかも何も…っ…コレやだ〜脱ぐぅ〜」 半泣きになりながら悟浄が着ているネグリジェをもぞもぞとたくし上げた。 ピシャッ! 「痛ぇっ!?」 「ダ・メ・ですよ〜?もの凄く悟浄に似合って、いやらしくて可愛いのにvvv」 ニッコリ笑顔で悟浄の手を叩き落とすと、薄いネグリジェの上から乳首を摘んで、擦るように捻る。 「ひゃぁ…あ…八戒ぃっ!」 悟浄は湧き上がる快感にビクビクと身体を震わせ、呼吸を甘く乱した。 横抱きに背後から抱き締めて、八戒は蕩けた表情でほくそ笑む。 「ココだって…こんなに濡れてるじゃないですか。いつもよりスゴイですよ?」 「んなコト…ねー」 憮然として悟浄が否定すると、八戒は耳元でクスクスと軽やかに笑った。 掌が胸元から身体の線を撫でて伝い下りていく。 濡れた剥き出しの性器に、八戒の細い指先が絡みついた。 「あ…はぁ…っ」 悟浄は思わず歓喜の溜息を零してしまう。 疼く熱がじんわりと八戒の掌から背筋を駆け上がった。 「ほらね?さっきから悟浄のコレ、全然萎えないんですよ?いっぱい出しちゃってるのにね」 「うっ…もぉ〜何エロオヤジくさいことばっか言ってんだよぉ〜」 殊更羞恥を煽るような八戒の態度に、悟浄は真っ赤な顔で悪態を吐く。 「そうですか?悟浄が分かってないみたいですから、懇切丁寧に教えて上げてるんですけど?」 先奔りを零す先端を指先で撫でながら、八戒は背後から悟浄の顔を覗き込んだ。 わざと感じやすい先端ばかりを弄る行為に、悟浄は胸を喘がせ八戒を睨み付ける。 しかし快楽に蕩けた瞳で睨まれても、返って八戒の情欲を煽るだけだった。 思わず息を飲むと、八戒は悟浄の双丘へ滾った自身の雄を擦りつける。 「あ…っ」 ビクンッと腰を震わせ、悟浄が物欲しげな声を上げてしまう。 うわわっ!何っつー声出してんだよっ!俺っっ!! 頭を抱えて独りジタバタと煩悶する悟浄に、八戒はニッコリと会心の笑みを浮かべた。 どうやら八戒は徹底的に悟浄を焦らすつもりらしい。 身も世もなく悶えさせ、喘がせて。 八戒が欲しくて堪らないと啼いて懇願するまで、悟浄の望む快感を与えない。 八戒の瞳に危うい光が閃いた。 淫らな悟浄の姿態を目の当たりにして、無意識に押さえ込んでいたどうしようもない独占欲が噴き上がる。 僕無しじゃいられない身体にしてしまいたい。 散々奔放なお付き合いをしてきた悟浄だからこそ、八戒は自分自身に根深いコンプレックスを持っていた。 何時か飽きてしまうんじゃないか。 経験の少ない僕とのセックスに物足りなさを感じて居るんじゃないか。 悟浄を愛すれば愛する程、不安は常に付きまとった。 どうやったって経験値では悟浄に敵わない。 それなら、どうすればいいのか。 八戒はそれこそ頭痛がする程悶々と考えた。 自分じゃ分からないから客観的な知識も必要だろうと、恥を忍んで天蓬に所謂AVビデオも借りた。 まぁ、天蓬に借りたビデオはマニアックに偏りすぎて、あまり参考には成らなかったけど。 とにかく1日24時間、仕事をしている以外の時間はそのことばかり考えた。 受験の時だってここまで頭を使わなかっただろう。 脳内で架空の悟浄を裸にひん剥いて、色々シミュレーションし続けて。 ある日、気が付いた。 悟浄は僕にどんな事をしたがっていたか。 散々いやらしいことばっかり言って、これ見よがしに欲情を煽るような触り方をする。 恥ずかしくて居たたまれなくて。 でも、それが淫靡な熱になってゾクゾクする程悦い。 なるほど、同じコトを悟浄にしてあげればいいんですね。 漸く辿り着いた答えに、八戒の気分は急浮上。 後は自分の努力次第。 八戒は自分を強請って身体を開く悟浄の姿を想像して、だらしなく頬を緩ませた。 悟浄が真っ赤になって啼いちゃう程いやらしくて、いやらしくて、いやらしいこと、めいいっぱいしましょうっ! 悲しい程、八戒は努力の人だった。 目標のためならコツコツ努力をすることも惜しまない。 しかし、努力の方向がどんどん怪しく暴走し始める。 八戒にとってラッキーだったのは、ストッパーになって諭してくれる人が周囲に皆無だった事。 天蓬は確信犯の上暴走を愉しむタイプで、八戒以上に質が悪い。 当然八戒に相談された時も、止めるどころか応援までして煽り立てた。 その恋人であり、悟浄の兄捲簾は。 八戒が相談した時天蓬と一緒にいたが、ニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべて全く止めようともしなかった。 それどころか天蓬と一緒になって、面白可笑しくノウハウを伝授する始末。 悟浄がその事実を知ったら、同じ境遇の兄に裏切られたショックで寝込むのは確実だった。 『アイツも往生際悪ぃよな〜。だから八戒が不安になるんだっつーの』 『まぁまぁ。悟浄クンだって若いんですから。貴方と一緒にしちゃダメですよぉ〜』 息子の簾が遊びに出かけているからと、捲簾も言いたい放題だ。 天蓬もコーヒーを飲みながら苦笑いする。 『好きな相手と気持ち悦くなれりゃいーじゃん、別に』 『そうですけど…悟浄クンはそのぐらいは分かってるでしょ?じゃなければそう易々と八戒に抱かれたりしてませんよ』 『ふーん。アイツって八戒には甘いんだ?』 ニンマリと捲簾が双眸を眇めていやらしい笑みを浮かべると、途端に八戒は恥ずかしげに頬を染めた。 『え?あのっ…えっと…優しいです』 『…惚気か?自慢されちゃってる?俺ら』 『いやぁ〜僕たちレベルにはまだまだでしょvvv』 顔を見合わせてヒソヒソ聞こえるようにぼやく二人に、八戒はコホンと咳払いをする。 『ですからっ!経験豊富なお二方に相談してるんですっ!』 思いっきりテーブルを叩いて強気にいきり立つ八戒を、天蓬と捲簾はきょとんと見つめた。 同時に二人して首を傾げる。 『要するに〜即戦力で使える技、ということでしょうか?』 『いつもは普通にセックスだけしてるんだろ〜?』 『…セックス以外に何かあるんですか?』 八戒は目を丸くして、真剣な顔で考え込んだ。 一体他に何があるというのかさっぱり分からない。 『すっげ初い〜!調教のし甲斐があるなっ!』 『ちょっと捲簾。悟浄クンに殺されますよ?』 天蓬が呆れながら捲簾の横っ腹を突っついた。 ムスッと不機嫌にむくれて、捲簾をじっと恨めしそうに睨む。 『あれ?天蓬ってばヤキモチ?』 『当然でしょ』 『アッハッハッ!俺が惚れてるのはお前だけだって〜』 唐突に天蓬の頭を引き寄せると、強引に歯列を割って濃厚なディープキスをし始めた。 『んー』 『え?あっあのっっ!?』 目の前で繰り広げられる淫猥な光景に、八戒は動揺して意味不明に床の上をグルグル回る。 『ぷはっ!ど?機嫌直った?』 『機嫌はね…でも別の所がご機嫌になりすぎて大変なんですけど?』 『お?どれどれ〜』 『天ちゃんっ!捲簾さんもっ!いい加減にして下さいっっ!!』 これ以上何を始めるのか戦々恐々として見ていた八戒が、怪しげな二人の雰囲気に悲鳴を上げた。 『あ…』 『忘れてました〜あははは』 脳天気な二人の様子に、八戒はガックリと肩を落とす。 『もぅ…僕の相談真面目に聞く気あるんですかぁ〜』 『ありますって!ですから、普段とは違うコトすればいいんですよ』 『普段と…違うコトって。具体的に何ですか?』 八戒が上目遣いに窺うと、二人は暫し考え込んだ。 『道具は?使ったコトあんの?』 『は?道具??』 『八戒に限ってはないでしょう』 『???』 話が全然見えず、八戒はキョロキョロと二人を交互に見遣った。 『そっか。悟浄なら持ってるかもしんねーけど。自分に使われると分かったらぜってぇ隠すな』 『あのー?何の道具を使うんですか?』 『セックスで使う、所謂大人のオモチャですよvvv』 『大人が?オモチャなんかで遊ぶんですか??』 不思議そうに問い返す八戒を、さすがに二人は驚愕して注視する。 『なぁ、マジボケ?天然記念物並みじゃね?今時中学生だって知ってるぞっ!別の意味でヤバイだろっ!!』 『あ〜、そうじゃないですよ。八戒、大人のオモチャっていうのはバイブとかですよ』 『あぁ!そうなんですか〜それぐらいは僕だって知ってますよ〜』 『で?持ってんの?バイブ。ローターでもいいけど』 『そっ…そんなの僕持ってませんっ!第一ドコに売ってるんですかっ!?』 『アダルトショップ…な〜んて行ったことねーか、ねーよなぁ』 八戒の反応で天蓬と捲簾はうんうんと頷いた。 『いっそオモチャでも使って、悟浄をグッチョングッチョンにしてヒーヒー言わせりゃいいじゃん』 『何だったら僕がお薦めのオモチャ貸して上げましょうか〜』 『…いや、お前のは初心者にはヤバイだろう』 捲簾が真顔で天蓬を諫める。 一体この二人は普段どんなセックスをしてるのか。 八戒の頭は恐怖で想像するのを拒否した。 『別にオモチャ無くたって大丈夫だろ?手近なモンでもブチ込んでやりゃ〜いいんだよ』 『手近なモノ…ですか?』 『そ。返ってその方がアイツも恥ずかしーんじゃねーかなぁ。普段使ってるモンとか』 『この前使ったビー玉は捲簾悦がり過ぎちゃって凄かったですよねvvv』 『あーっ!思い出したっ!!テメッ!よくも簾が使ってるオモチャなんか挿れやがって!!』 『捲簾だってもっと挿れて〜って啼いて悦んでたじゃないですかぁ〜っ!!』 『うっせー!』 突然殴り合いを始めた二人を八戒は放置すると、腕を組みながら思案し始める。 『ふーん、ビー玉ですか。丸いモノが悦いんですかねぇ?』 二人の話を鵜呑みにして、どこまでも八戒は真剣だった。 ふと、その時のコトを思い出す。 「はっ…かい?」 突然動きの止まった八戒を、悟浄はぼんやりと見上げた。 悟浄が心配になって身体を身動がせると、いきなり身体を俯せに押さえ付けられる。 強い力で脚を割り開かれ、腰を突き出す格好にされてしまった。 「おいっ!何だよっ!コレはっ!?」 羞恥と怒りで悟浄が背後を睨み付けると。 そこには艶然と微笑む八戒の姿。 あまりに卑猥な表情に、悟浄の心臓がドクンと大きく脈打つ。 「な…に?」 豹変した八戒の雰囲気に、悟浄は息を飲んだ。 「悟浄…もっと気持ち悦いコト、しましょうか?」 「え?」 八戒は自分の口に指を入れると、唾液に濡れる飴を取り出し悟浄へかざして見せた。 |
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