White day Attraction



その頃。
悟浄が泣きながら罵っていた人でなしの兄は。

「も…っ…くるし…てぇっ…や…ぁ」

小包よろしく厳重に梱包された状態で、甘ったるい喘ぎ声を吐いていた。
天蓬によって拘束具で手際よく締め上げられ、身動きもままならない。
両手足は勿論、首まで細い鎖でベッドへ固定されている状態。
胸を激しく喘がせ、下肢から湧き上がる快感に激しく頭を振っていた。
拘束されている手足は痛みから痺れに変わっている。
身体が動かせないのはまだ我慢できるが、生理的本能を無理矢理押さえ込まれている苦痛は誤魔化しようもなかった。
散々弄られている性器は、未だに吐精できないでいる。
性器の根元を細い革紐で縛られているせいで、射精感はずっと堰き止められたまま、燻って疼いていた。
仰向けに転がされた体勢で見える視界も狭い。
ただ自分の荒い呼吸と嬌声、粘膜を舐る濡れた音と耳障りな機械音が聴覚を犯していく。
先奔りで濡れた先端の割れ目に、執拗に機械的な振動が擦りつけられた。
小さなクチはローターの刺激が堪らないのか、透明な粘液を吐き出し続けている。
濡れた蜜口へ捻り込むように押しつけられると、拘束された身体が痙攣して跳ね上がった。
「ひっ…い…」
嬌声も掠れて喉で貼りつく。
ベッドへ横たわる身体は力も入らず、大きく下肢を開いて内股の筋を強張らせた。
吐き出し続ける粘液はトロトロと肉芯を伝い落ち、股間から双丘の最奥までしとどに濡らしている。
「凄いですねぇ…こんなに漏らしてしまって。イク時より多いんじゃないですか?」
天蓬は捲簾の痴態を眺めながら、小さく喉で笑った。
その声がカチンッと癪に障って、捲簾が悪態を吐こうと口を開くと。

「っ…ひゃあっ!?」

大きく背中を仰け反らせて嬌声を上げた。
捲簾の下肢辺りで、天蓬の右手が不規則に蠢く。
ブンッとモーターの唸る音がすると、捲簾はガクガク身体を痙攣させた。
「へぇ…何だかもうバイブ程度じゃ物足りないのかな?捲簾のココ、グチャグチャに濡れて凄い締め付けてますよ?こんな太いの咥えてるのにねぇ」
うねるような振動でさえ堪らないのに、天蓬は掴んだバイブでグイグイと捲簾の最奥に押し込んで掻き回す。
限界で何時までも燻り続ける快感に、気が狂いそうだった。
果てることも許されず、ただひたすら強烈な快楽だけを与えられている。
熱を感じない無機物に犯されている秘部は、感覚さえ分からなくなっていた。
ただナカの粘膜が飢えたように、侵入してくるモノに絡みついて取り込もうと蠢く。
淫猥な熱に蕩かされた脳は、本能的に快楽だけを求めていた。
もっともっと。
突き抜けるような快感が欲しくて。
捲簾の身体が、こみよがしに天蓬の雄の本能を煽って誘う。
拘束された長い脚を限界まで開き、少し浮かせた腰を突き出して見せた。
全身快楽で紅潮した肌が艶めかしい。
欲情を孕んだ双眸も濡れて輝き、天蓬を真っ直ぐに見据えた。
捲簾の媚態に、天蓬は思わず生唾を飲み込んだ。
これだけ捲簾を喘がせるだけ喘がせても、天蓬はまだ一度も達っていない。
天蓬の肉芯も先奔りに濡れ、興奮で血管を浮き上がらせて屹立していた。

「本当に…捲簾は僕を煽るのが上手いですよねぇ」

大きく開いている捲簾の脚の間に、天蓬は膝立ちして身体を割り入れる。

「…すげっ」

思わず捲簾は声に出して感嘆し、大きく喉を鳴らした。
視線を上げた目の前で、天蓬が勃起した自身の雄を握り締めて見せつける。
「ホラ、捲簾があんまりにも可愛いから…僕のもこんなに、ね」
ゆっくり掌をスライドさせると、先端から先奔りが溢れて捲簾の腹を汚した。
瞬きすることも忘れて、捲簾が欲情した視線で天蓬の性器に魅入る。
物欲しげに唇を舐めると、天蓬の瞳がからかうように眇められた。
「捲簾ってば…そんなに僕のコレ食べたいの?」
「んな訳…っ」
「気付いてないんですか?口…さっきから開けたままで、舌が動いてますよ?」
「あっ!」
捲簾が顔を真っ赤にして慌てて口を閉じると、天蓬がクスクスと楽しげに笑う。
腰を前へ迫り出して見せつけ、濡れた性器をゆっくりと自身の掌で扱いた。
引き寄せられるように捲簾の頭が上がって行く。

ガチャッ!

「ぐ…うっ!?」
鎖で繋がれた首輪が派手に音を立てて、捲簾の頭をベッドへ引き戻した。
急に喉が締まったせいで、捲簾は派手に咳き込む。
首輪に指を掛け、涙で霞む目を上げると。

ポタ…ポタ…

捲簾の胸元に熱い滴が滴り落ちた。
天蓬が捲簾の腰を跨いで、上から見下ろしている。
発情したケダモノの瞳で、瞬きもせずに微笑んでいた。
はち切れんばかりに滾った性器からは絶え間なく粘液が吐き出され、捲簾の身体を汚して濡らす。
目の前で自慰に耽る天蓬は、白い肌も仄かに紅潮して艶めかしい。
あまりに淫猥な光景に堪らなくなって、捲簾の腰が無意識に揺れた。
「てんっ…天蓬っ…天蓬ぉ…っ」
天蓬の身体に触れたくて、噛みつきたくて、舐めたくて。
捲簾は拘束されて満足に動かせない身体を、狂ったように捩った。
「もっと…呼んで下さい。もっと…」
「天蓬っ…欲しい…っ…ソレ…欲しいぃっ!」
癇癪を起こして泣き喚く捲簾を、天蓬は陶然とした眼差しで眺める。
捲簾の嬌声に触発されて、天蓬もますます自身の雄を弄る掌に熱が籠もった。
グチュグチュと派手に濡れた音を立て、呼吸も忙しなく乱れる。
「てんぽっ…コレ外せよぉ…っ」
「ダメ、です…っ」
次第に扱き立てる速度が速まり、性器も先端を震わせて硬く膨張した。
ふいに。
天蓬の身体が大きく震えると、硬直したように動きが止まる。

「っあ…あぁっ!?」
「ふ…くぅ…っ!!」

強く握り締めた性器がビクンッと弾けて、多量の白濁を撒き散らした。
熱い迸りが捲簾の身体に降り注ぎ、次から次へと汚していく。
腹部も、胸も、顔も。
ネットリとした雄の証を、捲簾は震えながら受け止めた。

「…随分気持ち悦さそうですねぇ」
「ん…ぁ?」
蕩けるような表情で天蓬を見上げ、捲簾が艶然と微笑みを浮かべる。
「まだ…こんなモンじゃないんですけど」
アレ程吐精したにも係わらず、天蓬の雄は萎えるどころか硬く屹立したままだ。
トロリと頬を伝い落ちる残滓を、捲簾は舌を出して舐め取る。
「濃い…な」
「今日のためにガマンして出してませんでしたから」
「…バァカ」
捲簾は悪態を吐きながら、わざと唇を卑猥に舐めて天蓬を誘う。
天蓬の喉がゴクンと大きく鳴った。
口端を歪めると膝立ちのまま身体を前へ進め、捲簾の胸へと座り込む。
「んっ…う」
肺が押し潰される重さで、捲簾が息を詰めて眉を顰めた。
圧迫されているせいか、脈動が耳鳴りになってうるさい。

ガチャンッ!

息苦しさでボンヤリしているところを、唐突に首が引き寄せられた。
天蓬が首輪に繋がれた鎖を掴んで、捲簾の頭を持ち上げる。
「てん…っ…苦しっ」
顔を顰めて目の前を睨むと、天蓬の性器が押しつけられた。
「僕の、まだこんなに汚れてるんですよねぇ。綺麗にして貰えますか?」
鼻先に滾った天蓬の雄を突き付けられ、捲簾は噎せ返る匂いに鼻を鳴らす。
抵抗することもなく口を開いて舌を差し出すと、硬くなった先端を咥えさせられた。
「ん…ぅっ」
チュッと音を立てて滲み出る粘液を吸い上げれば、唇に天蓬の脈動が伝わってくる。
先端の割れ目を舌で辿って小さなクチに舌を捻り込むと、口中にドッと先奔りが溢れ出した。
喉を鳴らして飲み下し、執拗に舌を這わせて吸い上げながら吐き出される蜜を何度も啜る。
捲簾が誘うように口を開けると、天蓬の肉芯がズブッと押し挿れられた。
喉に届く程咥え込み、唯一動かすことの出来る頭を振って奉仕する。
興奮で頬を染め、嬉しそうに性器へ吸い付く捲簾を、天蓬は愉しげに眺めた。
「そう…凄くイイです…もっと…もっといっぱいしゃぶって…っ」
「んんっ!?」
天蓬は両手で捲簾の頭を抱えると、自身に擦りつけて揺さ振り始める。
喉奥まで押し込まれ、捲簾が苦しげに喉を慣らすのもお構いなし。
自分も腰を振り立て、捲簾の口腔を肉芯で激しく犯した。
捲簾は吐き出すこともせず、先端を飲み込むように締め付けビクビクと震える雄へ舌を這わせる。
一際大きく唇を犯すと、天蓬の腰が痙攣した。
「んううぅっっ!?」
喉に熱い迸りが次から次へと注がれる。
天蓬から吐き出される多量の精液を、捲簾は必死に喉を鳴らして飲み下した。
全て捲簾の口腔へ吐精すると、天蓬が大きく肩で息を吐く。
「んっ…あ…ん…っ」
捲簾は何度も先端を吸い上げ、残滓までも綺麗に飲み尽くした。
天蓬の手が頭から離れると、そのままベッドへ倒れ込む。
忙しなく胸を喘がせ呼吸を整えると、捲簾が口端で笑った。
「上もいーけど、下に欲しくって堪んねーんだけど?」
「やっぱりバイブじゃ物足りないですか?」
捲簾の上から退いて、天蓬が苦笑いを浮かべる。
未だに捲簾は一度も達っていない。
相当苦しいはずなのに、こうして天蓬を余裕で煽り立てる。
「んー?悪くはねぇけど。コレじゃイケねーな」
「…そんなに僕のモノが悦い?」
「ナマとじゃ比べモンになんねーよ」
「何か僕の方が喰われそうだなぁ」
「とーぜん」
天蓬が肩を竦めると、捲簾が艶然と微笑んだ。

うーん…やっぱり捲簾相手だと一筋縄じゃいかないなぁ。
今度はもっと愉しめるモノを使いましょうか。

天蓬は内心でほくそ笑みながら、捲簾の足許へ移動した。
開脚して拘束されている腰を、上へ押し上げる。
双丘の最奥に挿れたままのバイブを掴んで、スイッチも切らずにそのまま抜き出した。
「うわぁ…あっ!」
ブルッと捲簾が腰を震わせ、甘い嬌声を上げる。
天蓬は手にしたバイブをベッド下へ無造作に放り投げた。
捲簾の太腿へ手を掛けて持ち上げ、最奥を覗き込む。
咥えるモノを無くしたソコは、強請るようにヒクヒクと開閉を繰り返していた。
指で襞を撫でると、取り込むように蠢く。
「凄い物欲しそうにおクチが開いてますよ?もう、そんなにガマン出来ない?」
「早くっ…お前の挿れろ…っ…なぁ…も…たまんねーっつーのっ!」
焦れて腰を捩る捲簾を、あやすように内股を撫でた。
「このまま挿れてもいいですよね?」
「いーからっ!」
捲簾が癇癪を起こして叫ぶのと同時に、天蓬は滾った自身を一気に挿入する。
「ーーーーーっっ!!!」
「くっ…力っ…抜いて…っ」
内壁のもの凄い締め付けに、天蓬が顔を顰めた。
捲簾は挿入の刺激で詰めていた息を、大きく吐き出す。
漸く強張った身体から余計な力が抜けて、熱い粘膜から蕩けるような快感が湧き上がった。
「もう…捲簾ってば。がっつき過ぎですよぉ〜」
「うっせ…焦らされたんだからしょーがねーだろっ!さっさと動けっての!」
「はいはい、畏まりました」
拘束されたままの脚を胸元まで押しつけ、天蓬がゆっくりと律動し始める。
「んっ…んぁっ…」
背筋を仰け反らせ、捲簾の全身が快楽に染まり出す。
吸い付いて絡みつく粘膜を擦って、引き剥がして。
次第に天蓬は叩き付けるように腰をグラインドする。
「ひゃ…あっ…あ…んっ…イイッ…もっと…奥までっ…ブチ込め…て…っ」
捲簾も腰を蠢かせ、咥え込んだ肉芯を咥え込んで締め付けた。

濡れた粘膜の擦れる音と、荒い二人分の呼吸。
目の前にはケダモノに成り下がって欲情した恋人。

視覚も聴覚も、全身の感覚でゾクゾクと興奮した。

「んぁっ…てんっ…も…外せっ…痛ぇ…よっ」
革紐で締め上げられた性器はドロドロに粘液で汚れて、赤黒く変色している。
天蓬は激しく下から突き上げながら、指を捲簾の股間へと伸ばした。
根元を拘束している結び目を、ゆっくりと紐を引いて解いていく。
それと同時に、最奥の深い所まで膨張した肉芯を捻り込んだ。
「ひっ…いいいぃぃーーーっっ!!!」
「ぐっ…う…っ!」
散々堰き止められていた捲簾の性器が反り返って弾ける。
後から後から噴き出した白濁が、二人の身体へ迸った。
射精の勢いで捲簾の内壁も痙攣して収縮し、天蓬の雄も搾り取られるように吐精する。
「あ…あぁ…あ…っ」
捲簾は満足げに微笑みを浮かべ、身体をブルッと震わせた。



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