White day Attraction |
散々八戒によって解された秘部は、大した抵抗もなくあっさり肉芯を受け入れてしまう。 ブチ切れた勢いのまま、八戒は自身を収めようと腰を押し進めた。 「ひあっ!?」 「………ん?」 悟浄の背中が大きく仰け反り、ビクビクと痙攣する。 八戒は動きを止めると、不思議そうに小首を傾げた。 全身を真っ赤に紅潮させた悟浄は、荒く呼吸を乱してベッドへ突っ伏している。 「あれ〜?」 間の抜けた声を上げた八戒が、悟浄の下肢へ手を回した。 グチュ、と濡れた感触が伝わる。 「悟浄…もしかして、挿れられただけでイッちゃったんですか?」 「ーーーーーっっ!?」 八戒に図星を突かれ、悟浄は身体を強張らせた。 「そうでしたか…やけにキツく締め付けてくるなぁって思ったので」 「お前なぁっ!」 「はい?」 憤慨して悟浄が背後を睨み付けると、八戒はきょとんと目を丸くする。 どうやらからかう訳でもなく、本気で驚いていたらしい。 きっといやらしくニヤついているだろうと思っていたので、悟浄も怒気を削がれてしまった。 プイッと視線を逸らすと、両腕で顔を隠す。 真面目に感心される方が、数倍恥ずかしい。 八戒に挿入された状態で、悟浄は羞恥に身悶えた。 挿れられただけで感じて達ってしまうなんて、最初に一服盛られて抱かれた時以来だ。 オトコとしてはマズイだろっ!と悟浄なりの危機感が常にあり、後だけで達かされるのは断固として拒絶してきた。 それなのに、この体たらく。 唯一ギリギリで保ってきた自尊心も木っ端微塵だ。 こういう時は開き直ってセックスを愉しめる捲簾を心底羨ましく思う。 しかし、今まで培ってきたアイデンティティを翻すのは、まだ悟浄には無理そうだ。 決して八戒を屈服させたいわけではないが…いや、そうでもないが。 要するに。 俺だって大好きな八戒を抱きてぇよ〜。 こ〜俺を感じて、スッゲェいやらしくアンアンゆって欲しいっつーの!!! 悟浄はひっそり心の中で握り拳を振り上げた。 尤も気づいて欲しい八戒は、気づいていても知らん顔するだろう。 もしくは瞳を乙女ばりに涙で輝かせ、もの凄く哀しげに泣き落としをするか。 どのみち悟浄に勝ち目はない。 ベッドに顔を擦り付けたままグルグル葛藤している悟浄を無視して、当の八戒はしきりに首を捻っていた。 俯いた状態で『あれ?』だの『可笑しいなぁ?』などと、ブツブツ独り言ちる。 さすがに気になって、悟浄はチラッと背後を盗み見た。 八戒はやけに真剣な顔で、自分達が繋がっている部位をしげしげと観察している。 「…何やってんの?八戒」 悟浄の顔が思いっきり引き攣った。 んなトコ、マジな顔で見てんじゃねーっっ!! 大声で罵倒したいが、あまりにも八戒の雰囲気が必死なので、寸での所で言葉を飲み込んだ。 「どうしてでしょうか?」 考え込みながら八戒が小さく呟く。 悟浄は確認したくないが、問い掛けられたので視線を向けた。 「何が…だよ?」 「僕の…悟浄のナカに全部入らないんですよ」 「……………はい?」 「ですから。僕のモノが今日は根元まで入らないんですっ!何でだと思います?」 「…………………………八戒。あのな」 「あっ!悟浄は分かるんですか?」 暢気に覗き込んできた八戒に、悟浄は怒りで身体を震わせた。 何を真剣に悩んでいるのかと思えば。 「あったり前だろーがっ!俺んナカにまだ飴玉入ったまんまなんだぞっ!テメェのデッカイモンなんか根元まで入るかボケッ!!!」 真っ赤な顔で怒鳴りつけられ、八戒は唖然とした。 そして漸く思い出したのか、嬉しそうにポンッと手を叩く。 「あぁっ!そうでした〜。そう言えばまだ入ったままなんですよね。それだからか〜」 八戒が頻りに感心すると、うんうん頷いた。 馬鹿らしすぎて悟浄は脱力する。 「もー、いいからさ。さっさと抜いて飴玉取ってくれよぉ〜」 髪を苛立たしげに掻き回しながら、悟浄が溜息混じりに懇願した。 未だに身体の奥で飴玉が存在を主張している。 ギッチリ八戒のモノで押し込まれた飴玉は、今度はそう簡単に出てきそうもなかった。 自分で掻き出すのも情けなくてする気が起きない。 入れた張本人が責任を取りやがれ!と、悟浄は恨めしそうに八戒を睨め付けた。 ところが。 何故だか八戒の瞳がキラキラと輝いている。 ゾクゾクッと悟浄の背筋が不吉な予感で怖気上がった。 な…何だか…楽しそうなんですけど? 悟浄の目には八戒が好奇心でワクワクしているように見える。 頬をほんのり紅潮させ、ウットリ結合部を眺めながら頬笑んでたり。 殺気を感じて、思わず悟浄はキュッと秘孔を引き締めてしまう。 「あっ…もぅ。悟浄ってば僕が動かないから我慢できなくなりました?」 「ちっがああぁぁうっ!!」 「大丈夫ですよ。ちゃんと悟浄が気持ち悦くなれるように頑張りますからねっ!」 「イイッ!」 「それじゃ…ご期待にお応えして〜」 「そっちのイイじゃねーっ!ぎゃーっっ!!ヤダヤダ!や〜め〜て〜っっ!!」 このままの状態で注挿されると、飴玉がもっと奥まで入ってしまう。 絶体絶命の状況に漸く気づかされた悟浄は、必死の形相で抵抗した。 そんな悟浄の姿に、八戒は湧き上がるような快感を覚える。 悟浄ってば涙なんか浮かべて…すっごく可愛いですっ! そこはやっぱり八戒も雄だった。 愛して止まない悟浄の媚態に、欲情を瞬間沸騰させる。 どうにかして逃げようと藻掻いている悟浄を背後から押さえ込み、力強く腰を突き挿れた。 「ひ…いいいぃぃっ!?」 「あ…スゴイvvv」 八戒のモノで更に押し込まれた飴玉が、ナカをグイグイ抉る。 到達されたことのない最奥を無理矢理開かれ、悟浄は嬌声を喉で詰まらせた。 また八戒も突き挿れる度に先端が飴玉が擦られ、得も言われぬ快感に身体を震わせる。 「ヤッ…め…はっか…いぃ…っ」 切れ切れに止めて欲しいと懇願するが、八戒の律動は止まらない。 注挿されるたびに内壁を擦りながら飴玉が前後に転がり、次第に疼いて身体が熱くなってきた。 「んっ…んぅ…うっ」 無意識に悟浄の腰が八戒の動きに同調し始める。 吸い付くような粘膜の蠢きに、八戒は震える吐息を零した。 「ご…じょ…っ…悦いっ…ですか?」 「イッ…けど…ヤダッ…あぁっ!」 フルフルと首を振って、悟浄が嗚咽を上げる。 身体は快感に貪欲で、際限が無くなった。 悟浄は全身を快感に染め上げ、淫猥に腰をくねらせる。 八戒の気持ち悦さそうな声にさえ、肌がゾクゾクと粟立った。 触覚も視覚も聴覚も。 何もかもに欲情してしまう。 八戒が執拗に肉芯で秘孔を掻き回しながら、どんどん奥まで押し進んだ。 気が付けばピッチリ根元まで咥え込んだ秘部は、溶けた飴と先奔りでグチャグチャに濡れて卑猥な音をひっきりなしに漏らす。 感じやすい前立腺を何度も八戒の雄と飴玉に刺激され、悟浄は何度も精を放った。 それでも身体の疼きは治まらない。 いくら吐精しても悟浄の雄は萎えることなく、勃起したまま粘液を吐き出していた。 背後から八戒が下肢へと手を入れ、開きっぱなしになっている蜜口を爪でグイグイ弄る。 そうされると堪らないのか、内壁は波打ち八戒の肉芯に悦んで絡みついた。 抜かれることもなく何度も秘部を犯され、下肢の感覚が麻痺してくる。 惰性で八戒に揺さぶられているような状態だった。 「あ…ん…あぅ…っ」 抵抗する気も失せて、悟浄はひたすら甘ったるい嬌声を上げている。 与えられる快感に蕩けていると、突然悟浄の身体が強張った。 「ん…何かっ…さっきより…深ぁ…あっ」 ヌルリと奥深く潜り込む熱い肉の感触に、悟浄はヒクヒクと腰を痙攣させる。 八戒は微笑みながら悟浄の背中に覆い被さった。 「んうっ!」 グリッと最奥を抉られ息が詰まる。 「悟浄の中があんまりにも熱いから、飴玉…溶けて小っちゃくなったみたいですね」 「飴…溶け…て?」 耳朶を舐られて囁かれる言葉を、悟浄は頭の中で再読した。 言われてみれば圧迫する感じは無くなっている。 その代わり、小さくなった飴玉が注挿する度不規則に転がって、堪らない刺激を与え続けた。 悟浄の口からくぐもった嗚咽が零れる。 障害になる飴も無くなり、調子に乗った八戒が深々と肉芯を突き挿れた。 「んぁっ!深いぃ…っ…ダメ…てぇ」 悟浄は腰を捩らせ無き噎ぶ。 「凄く…悦いですよ…っ…先端がキュウキュウ締め付けられて…う…んっ」 「も…い…からっ…イケってば…あ」 顔をシーツへ擦りつけ、悟浄が大きく首を振った。 際限ない快感に頭が可笑しくなりそうだ。 悟浄の懇願に段々八戒の注挿も激しくなる。 呼吸も乱れて、掌が縋るように悟浄の身体を撫で回した。 「ごじょ…ぉ…出しても…いい…っ?」 「イイッ…早く…っ…俺も…イキてぇっ!」 一際大きく突き上げられ、悟浄の背筋が綺麗に伸び上がる。 キツく粘膜で締め上げられ、八戒の腰が硬直して震えた。 「ふあ…っ…あああぁぁっっ!」 ドクンと八戒の掌に熱い白濁が吐き出される。 「んっ…ううっ!」 扇情的な声を漏らして、八戒も悟浄のナカへと一気に迸らせた。 一度の射精では収まらず、何度も奥へと吐き出す。 吐精の快感で、八戒がブルブルッと腰を痙攣させ残滓まで送り込んだ。 悟浄は放心したようにベッドへ突っ伏し、必死に呼吸を整えている。 凄まじい開放感に、眩暈まで起こした。 激しい鼓動がなかなか落ち着かずに、ガンガン耳鳴りがする。 八戒も力が抜けて、悟浄の背中にペッタリ貼りつき深呼吸していた。 暫く言葉も交わさず、部屋の中は二人分の乱れた呼吸だけが聞こえる。 先に呼吸の戻った八戒が、気怠げに身体を起こした。 ゆっくりと身体を引いて、自身の雄を悟浄のナカから抜き出す。 八戒は腕を付いて、未だベッドに懐いている悟浄の顔を心配そうに覗き込んだ。 「悟浄…大丈夫ですか?悟浄??」 虚ろな視線で惚けている悟浄は、八戒の声にも反応しない。 「悟浄っ!」 「イデッ!?」 いくら呼んでも返事をしない悟浄に業を煮やし、八戒が頬をムニッと引っ張った。 定まっていなかった焦点が八戒の顔で漸く結ばれる。 「あ、気が付きましたか?」 「八戒…お前…やっぱ天蓬と血ぃ繋がってるんだな」 しみじみと厭そうに呟くと、八戒は目を見開いた。 「何を今更そんなこと…従兄なんですから当たり前でしょう?」 …そういう意味で言ったんじゃねーんだけどな。 悟浄はこれ見よがしに溜息吐いて、八戒を見上げる。 自分よりも頑丈な捲簾を撃沈させる強靱な体力と持久力。 捲簾は毎日筋トレを日課にし、時間があればスポーツジムで身体を鍛えていた。 あの均整の取れたしなやかな身体は、そこら辺のスポーツ選手にも全く引けを取らない。 悟浄も筋トレは身体が鈍るので結構やっているが、捲簾ほど完璧な身体にまでは到達していなかった。 それを。 あの絶倫暴走変態の天蓬は、毎度捲簾が動けなくなる程ベッドへ撃沈させている。 パッと見た感じでは細身だし、医者の不養生を具現化したような生活から言っても、とても捲簾の体力を凌駕するほど鍛え上げてるとは想像できない。 それは八戒にも当て嵌まる。 八戒が何か身体を鍛えているとは聞いたこともなければ、見たこともなかった。 悟浄が把握している八戒の生活に、運動は存在しない。 それなのに。 この状況は一体? 「ん?そういやぁ、天蓬って武道やってたんだっけ?」 「そうですよ?前に言いましたけど、剣道に空手、合気道に…テコンドーとかもやってましたね。ああ見えて強いんですよ」 「もしかして…有段者とか?」 「ええ。一度やり出すと物凄い集中力を発揮しますから。結構大会でも活躍してましたよ。師範の資格持ってますから」 「マジでっ!?見えね〜」 それなら捲簾に隙があれば捻り伏せることも出来るだろう。 そうなると、更に気になるのは。 「八戒も確か天蓬に散々付き合わされてたんだよな?」 「はい。本気で向かえて打ちのめせる相手がいないって無茶言って、しょっちゅう道場まで連れて行かれました…けど。それがどうかしたんですか?」 「じゃぁじゃぁ!言うまでもなく八戒も…」 「いちおう有段者ですが?」 「やっぱりいぃぃ〜っっ!!」 悪い予感が的中して、悟浄はガックリとベッドへ沈み込んだ。 どうりで簡単に押さえ込まれるはずだ。 特に合気道の有段者なら、暴れる悟浄をベッドへ拘束するなど雑作もないだろう。 「僕と天ちゃんが有段者だと何かあるんですか?」 話が見えない八戒は、首を傾げて目を瞬かせた。 悟浄の杞憂はそれだけじゃなかったが。 どうも最近の八戒は、暴走しがちで困る。 そのうち天蓬みたいになりそうで、悟浄は密かに戦々恐々としていた。 やはり血は争えない。 悟浄が項垂れていると、戸惑いがちに八戒が頭を撫でてきた。 「えっと…悟浄?お風呂まで歩けます?」 「…無理」 「ですよね。じゃぁ僕タオル濡らして持ってきますから、身体拭きましょうね」 「それもヤダ」 頬を膨らませてプイッと悟浄が顔を逸らす。 八戒は困ったように苦笑いした。 「でも…そのままじゃ身体ベタベタして気持ち悪いでしょう?」 「だから風呂入るっ!」 「だって。悟浄歩けないって」 「連れてけ」 「………え?」 八戒が驚いて悟浄の顔を注視する。 見つめていると、見る見る顔が赤らんできた。 「だーかーらっ!八戒が風呂まで抱えて連れてけっての!第一風呂入っても身体怠いし痛いし…全部お前が綺麗にしろ」 「…僕がしちゃってもいいんですか?」 「何で嬉しそうなんだよ、オイッ!」 悟浄が正座している八戒の腿をペチッと叩く。 「分かりましたって!もぅ…叩かないで下さいよ。それじゃ僕お風呂準備してきますから」 「早くな〜。それと後でシーツも替えて」 「勿論。ちょっと待ってて下さいね」 八戒は悟浄にキスを落とすと、上機嫌で部屋を出て行った。 ポツンと取り残された悟浄は。 「そう言えばケン兄大丈夫なのかなぁ。アレもあることだし…ううっ!俺なら絶対ヤダ!!」 兄の末路を想像して、悟浄は怯えてプルプルと身体を震わせた。 |
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