マレー鉄道に憧れて - Butterworth from Pulau Pinang -

-5日目:バタワースの南へ!-
早起きして、KTMのチケットをゲット♪

今日の私は、我ながらすんごい。(笑)
目覚ましがなる前、しかも夜明け前に起き出してしまいました!
きっと、無意識のスリコミで・・・「明日はマレー鉄道のチケットをなんとしてもゲットしなければ・・・」という深層心理が働いていたに違いありません。

シャワーじゃなくてバスタブにお湯を張って、優雅にお風呂タイムを満喫した後、7時15分というメッチャ早い時間にホテルを出ました。タクシーで行くんじゃなく、お散歩がてらって感じでね〜^^

早朝だというのに車のとおりは激しくて、そして近くの中学校?には沢山の生徒が通学していました。
バスの生徒がほとんどなんだけど、なんか高級車でのお出迎えがメッチャ多かったのは気のせいかな〜?
こんな早くから歩いてる観光客も珍しいようでジロジロ見られたっけ・・・。
で、ペナンの時計台。このあたりに、ペナンツーリストセンターとフェリー乗り場がある?らしいので行ってみた。
確かにフェリー会社がいっぱいあって、でも行き先は全部といっていいくらいに、ランカウイ!
こんな早朝だったけど、かなりのEUR系な人々が集まって、Openを待ってました!
このランカウイ行きフェリー、5枚切符を買うと1枚タダ!とかのプロモが結構あって、もし、多人数で使えるのなら結構お得かもしれないですね。でも値段見てきてないけど・・・(笑)

近くを掃除してたお兄ちゃんに、KTMの時刻表をみせて、「バタワースへ行くフェリー乗り場はどこ?」と聞いたら、全然違う方向を指指すのね・・・。ずっと、ずっと向こうだよ!と言うの。
マジ?そんな遠いの?と思って、また別の人に聞いたりして、わけのわからん海岸沿いの大きな道路を歩いていった・・・。どこだろ〜・・・?ビジネス街っぽいんだけど、どっかのビルに入ってるのかな〜・・・?
道端には清掃中のおっちゃんやお兄ちゃんがたくさんいて、疑心暗鬼になった私は500mごとに人に道を聞いていました。

一体ドコまで歩けばいいのか?バイクタクシーは声をかけてくるし。ああ〜いい加減疲れたわ・・・と思ったら、
いきなり日立の看板を揚げた歩道橋発見。
どうやら港っぽい。ここに間違いない!
歩道橋なぞ渡らずに(おい)道路を横切ってテクテク歩いていったら、間違いなく、ここはバタワースへのフェリー乗り場。
時計をみたら、8時10分前で・・・なかなかいい時間に到着しました!
中にはローカルな人がいっぱいいて、道の両側にキオスクのようにお店が連なっている。
まだ開店しているのは数軒だけ。
たくさんのトライショーやタクシー、バスが並んでいました〜・・・

本屋さんのおじちゃんが、「どこへ行くんだ?」と声をかけてきたので、KTMの時刻表を見せて「マレー鉄道のオフィス!」というと、すぐそこだよ〜8時に開くよ!と教えてくれた。
やっぱり8時Openか〜。まぁ、マレーシアだから10分や20分は遅れるだろうな〜・・・。
とりあえず、シャッターのかたく閉まったマレー鉄道オフィスの前で立って待つことにした。
この場所は、フェリー乗り場の真正面にある。船が到着すると、あたかも朝の駅のラッシュアワーよろしく、たくさんの人が吐き出されるように溢れ返る。イスラム系の人ばかり。
華僑のこぎれいなお兄ちゃんが私の横に立った。

む・・・?やつもKTMの開店待ちか?
いかん。最後の1枚のチケットは私のもの!君には譲れん!!

立ち続けて疲れてたし、あまりに暇なので近くをぶらぶらしたかったのだけど〜
この、変な闘争心のおかげで、身動きできない羽目に・・・

時計は8時をとっくに廻っている。さらに、イスラム女性も私の近くで待ち始めた。
競争人数、2名!しかし私が一番乗りだ!ますます、ここから動けん・・・。
マレー鉄道って人気があるのね・・・(しみじみ)

ああ、チケットオフィスの係員はいったいいつ到着するのかしら・・・
女性かしら?男性かしら?どんな方かしら・・・?優しい方かしら・・・?
・・・そんな係員なぞ、どうでもいいのだけれど、立ち続けて暇なので、くだらないことを妄想してしまう自分に気づき、かすかに呆れも感じる・・・それだけ暇だったの・・・。

また船が到着した。
イスラム女性は、雑踏の中から友人らしき人をみつけると、嬉しそうに挨拶して、2人で去っていった・・・。
彼女はKTMの乗客ではなかった様子・・・。

また船が到着した。この船は、どうやらきっかり15分おきに出ている様子・・・。
華僑男性は、雑踏の中から恋人らしき美人を見つけると、嬉しそうに手をつないで、2人で去っていった・・・。
彼もまたKTMの乗客ではなかった様子・・・。

結局、こんな早朝から、必死にKTMのOpenを待っている酔狂な人間は、私一人だったらしい・・・。
何のために闘争心を燃やしていたのか・・・
時計は既に8時半を廻った・・・。

私は、もうかれこれ1時間近く待ちつづけている。
たくさんの人々を観察した。キレイな人もいたし、オシャレなOLさん、キャリアウーマン、そしてよれよれのオッサンやバッパーな兄ちゃん・・・たくさんの人々を観察しつづけた・・・暇だった・・・

が、何か物音がしたのです!!
振り返ると!!シャッターを開けようとするマレー女性が!彼女がKTMの係員に違いありません!
待った甲斐があったわ〜〜〜〜!!^^

でも、、、彼女はずっと待っている私に一瞥をくれ、シャッターを開けた後・・・
中に引っ込んで、何を出したと思いますか?
ほうきとちりとりです・・・。
そして彼女はじっくり時間をかけて、店の前を掃除しました・・・。
おもむろにシャッターの向こうのガラス扉のかぎをあけて、やっと開店するのかと思ったら・・・今度は中の掃除をはじめる。
ああ、ちょっと。こんなことやってる間にチケットが売り切れたらどうしてくれるのよ〜・・・
じっくり時間をかけて、やっと彼女はオフィスにひっこんだの。
なので私も飛び込むように中に入ったのだけど・・・今度はカウンターの向こうをお掃除中。
なんて融通がきかないのだ!!
延々待って、その次はチケットプリンターのメンテをしはじめ、、、
待って、待って、やっとめんどくさそうに、「なぁに?」と聞いてきた・・・。
これだから、マレーシアって・・・。

「今夜のバタワースからクアラルンプールの1等(2PLUS)の切符をくれ。できれば下段シートがいい!」
「・・・」(めんどくさそうにパソコンをたたく)
「オッケー。一人?下段はないわ。上段になるけどいい?」
「(やはり・・・)OKよ〜」

KTMのチケットは、下段の値段が高い。2PLUSの値段は、確か下段が62RMで、上段が58RM。
やっぱり上段は寝心地が悪いので敬遠されるらしい。
クレジットカードでお金を払って、やっとで手にした1等切符。やった〜!
待った甲斐があったね〜。

結局チケットをゲットできたのは8:50。
1時間かかったことになる・・・。KTMの場所を教えてくれた本屋のおじちゃんが、切符買えた?と聞いてきたので、もちろんよ〜♪と返しててくてく歩き始めた。

何気にいろいろな街角を眺めた。長距離バスのターミナルや、華僑の路地、小さなモスク、朝食を食べている人であふれ返っている屋台街。平日なのに、のんびりとした空気が流れていて、やっぱアジアだな〜という感じ。
そうそう、今日は何も食べずにここまできてしまったのだけど、
さすがにお腹もすいてきた。
歩いてたら、道端からいいにおいが。ホーカーズセンターでもなく、道端で単独の屋台を発見。
大判焼きの大きめ版のような鉄板に、ホットケーキミックスのようなタネを流し込んで、中まで火を通したあげく、砕いたハニーローストアーモンドを表面に振りかけて2つ折にしたお菓子。
中にはいろいろな具を入れられるようだけど、このシンプルな感じが良かったので1個食べてみることに。
しかし、お値段が・・・な、な、なんと0.5RMだったかそれくらい。15円くらいですよ!げろやす。
で、早速紙に包んでもらって歩きながら食べたんだけど、これが、うんま〜い!
ホットケーキよりも中はもちもちしてて、表面はぱりぱりしてて、ほのかに甘い。
このハニーローストアーモンドが、また香ばしくてうま〜い。

このお菓子なんていうのかなぁ?かなり見た目も味もフツーっぽくて、なんかすっごく懐かしくて味わい深いケーキだったのですが。これはまた見つけたら食べたい!^^

たくさんの街角を越え、ホテルに到着。
まだ朝食タイムだったので、そのままサーキースコーナーに立ち寄って、今日はちゃんと最初から目玉焼き!を頂きました。朝からかなり動いたので、よく入る〜。(笑)

こんな夜明けに目覚めました
ペナンの時計台
今日の天気は曇りかな?
バタワース行きの船が出る
フェリー乗り場
これ、木造の歩道橋です〜
ここを目印にして港へね!
朝の通勤ラッシュ。
皆さんけだるそう・・・(笑)
ここが、KTMのチケットカウンター
最後まで頑なにマイペースを貫き通した係員女性
これがKTMのチケットです
よかったよかった!^^
中国寺院
インド系の食堂と
庶民のアパート
カピタンクリンモスク
トライショーのおっちゃんは「ラウンジようこ」の前でたむろ
これが、パンケーキ風菓子。
チャイニーズ系みたいです
こんな風に包んでくれるのだ〜うまいよ!
このシリアル2色がとっても気にいって、毎日食べてました
今日はちゃんと目玉焼き!ウィンナーもついてきたし!
最後のプールリゾート。荷物もしっかりパッキングしたし!

今日でペナンのリゾートも終わり。今日も朝からプールでのんびりと泳いで、読書してました。
天気も悪くないし、今日は先日のようにちびっ子もうるさくないし〜
快適なプールタイム!
でもって、この日初めてE&Oで日本人を見かけました。

冷蔵庫で冷やしておいたライチージュースを持ち込み、プールサイドでのんびりしてたら、冷たいミネラルウォーターにライムを落としたものを何気にサービスされてなかなかゴキゲン。となりのテーブルでは、チャイニーズな男性がサーキースコーナーでランチのパンをいくつか持ち込んできてたんだけど、巨大な鳥がつつきにきていて大変そうであった。合掌・・・。

もう、昼下がりまでずっとプールでマターリしてたかな・・・

部屋に戻ってシャワーを浴びて、そうそう、昨日購入してきたマンギスを食べようと、大量のマンギスを片っ端からかじりました。合計9個。これで昼食完了ってくらい満腹。
あとは、今夜の長旅のためにパッキングをして・・・今日は18時のレイトチェックアウトだったので、残りの時間はほとんど部屋でのんびりしていたような?(笑)

夕方、ハーディがたずねてきて、心配そうに「チケットは取れた?」と聞いてきた。
かなり責任を感じている様子・・・ごめんね不機嫌になって。
1等座席の切符を見せると、嬉しそうに、これですべて問題ない!と笑顔になったハーディ。
ちなみに彼はダンヒルのスモーカーなのだけど、仕事についているときは煙草を吸えない。
なので、いすを勧めて、煙草を吸わせてあげた。
E&Oホテルのこと、サービスのこと、結構いろいろな話をつたない英語でしたと思う。
ほとんどが、ホテルへのクレームではあったけれど、でも、私はこの、瀟洒で間抜けなE&Oホテルが大好きだ。
ハーディがその気持ちを理解して、このホテルの間抜け度を下げる努力をしてくれることを祈る。

さて、17:30。そろそろチェックアウトに入って、ペナンを旅立つ前に食い倒れを敢行します・・・。

すっかりE&Oのスタッフとは打ち解け、新しい友達も増えたし。楽しかったわ。
また、機会があれば訪れてみたいです〜!

の〜んびり。ひたすらの〜んびり。
ライム入りの冷えたミネラルウォーターがサービスされた
大量のマンゴスチンは、私のランチとして胃袋に収まる
荷物はこれだけ。白いのが煙草です〜
フロントで、ハーディ、ザーロイ、マミさんと一緒に
ドアマンのジルバート。
彼はほんとに繊細よ!
彼はポーターの・・・
誰だっけ?(笑)
白亜のイースタン&オリエンタルホテル。また来るね〜
ジルバートに撮影してもらう
似たような写真が多すぎてコメントに苦しむ。笑
ガーニードライブで食い倒れ!胃袋の限界に挑戦!

さて、今日のマレー鉄道の時間は22時頃。
なので、乗車前にペナンで食い倒れを敢行。
ちょっと違ったホーカーズセンターにも行ってみたかったのだけど、やっぱ大きな屋台へ!ということで、ガーニーの屋台へ。タクシーで相変わらず10RMです。
今日は、今まで食べていなかった料理に挑戦!

ちょっと下の写真とは順番がずれているけれど、、こんな感じで攻めました!

まずは、キンキンが絶賛していた「生春巻き風」ポピアと、その場で絞ってくれるさとうきびジュースを!
さとうきびジュースは、まずかったです〜(笑) お勧めできんね・・・
でも、ポピア。これは美味しい。薄いクレープ生地の中にピーナツ味噌やらのペースト調味料を塗りたくって、野菜やビーフン、カニカマ?なんかを巻き込んで食べるものなの。見た目はたしかに生春巻きチックなんだけど、調味料の味が野菜といい具合に絡まって、ヘルシーなサラダロール!という感じかな?これはかなり見た目に似合わずいける!お勧めです!

その次は、近くにあったカリーミー。
名前の通り、カレー麺です。見た目カレーうどんみたいでしょ?麺はたまご麺で、ホッケンミーとよく似た感じ。具もシーフード中心。でもカレーの色と香り。うーん、カレーの味はちょっと弱かったかな?まぁまぁいけます〜でも私的にはホッケンミーのほうが好きですね〜!可もなく不可もなく、日本人の口にはあうかと・・・?

普通はこれくらいでやめておくものかと思うのですが、次は、ワンタンミーを食してみることに。
結構小盛りなので、食べやすいというのもあったかも?
ペナンのワンタンミーは、焼きそば風。ビーフン麺を炒めて、黒いタレ?みたいなものを絡めた外観をしています。
その周囲に、揚げワンタンがたっぷり乗せられていて、これまたこくがあるのにサッパリーで、おいしいよ〜
これはホッケンミーより大きな感激はないけど、味は気に入ったかも!?
是非ホッケンミーとペアで楽しんでほしい一品です!

ああ、もうお腹がいっぱい・・・でも、昨日飲んだタピオカミルクティーがまた恋しくなりまして・・・
今度は、カプチーノ味をオーダー!また来たのか?っていわれちゃった。
これもやっぱり美味しい。でもマンゴのほうが美味しかったかも!?

飲みながら、最後のしめ、ホッケンミーを昨日と同じ屋台で食しました。
となりにある、バクテーのお店のお姉ちゃんにも、またきたの〜って言われて・・・エヘ
でも、今日のホッケンミー。いつものと違うのね〜
かなり辛口でした、ハイ。
日によって味が違うのかもしれないけど、でも色も明らかに違うしな〜・・・
昨日バクテーを激からで食べちゃったので、「この日本人は辛いのが好きだ」と判断されて、辛口が出てきたという可能性が否めない・・・個人的には普通のホッケンミーが良かったです・・・辛いの食べるなら名古屋の味仙(台湾ラーメン)食べるからさ・・・(涙)

1時間くらい徘徊して、この量。もう、私のお腹はとんでもない状態。吐き気さえしてくるほどに苦しかった・・・
でも、どの料理もメッチャ美味しくて、感激でした〜!!

ワンタンミー屋さん
気風のいい姐さん経営
ワンタンミー 3RM
ポピアとさとうきびジュース
2つで1.75RM
これがポピアの中身!
野菜とかビーフン麺などが入っていたような?
カリーミー 3RM
また来たよ・・・だってうまかったんだもん。
タピオカ・・・2.5RM
辛口ホッケンミー 3RM
夜のE&O・・・もうすぐ旅立ちの時間です・・・

大きな腹を抱えてホテルへ戻った。
今にも吐きそうな顔をしている私に・・・ジルバートやザーロイ君が、何食べた?と矢継ぎ早に質問を。
「えーっとね〜、ポピア」
「お〜ポピア!美味しいね!」
「それからカリーミー」
「うんうん、で?」
「さとうきびジュース」
「僕も好きだよ!」(まずかったとはいえなかった)
「ワンタンミーと、、、、」
「沢山たべたね!」
「まだあるよ。ホッケンミーとタピオカミルクティー」
「・・・・・そんなにも食べたの?食べすぎだよ・・・・」

判ってる、判ってるのだけど食べずにはいられなかったのよ・・・

まだ出発まで時間があったので、サーキースコーナーでマンゴジュースを飲んでみた。
去年、ここでフレッシュマンゴジュースを飲んで感激したのだけど、
今年はフレッシュマンゴジュースはなかったみたい・・・残念。
あと30分で出発の時間。でも私はなんだかここを離れるのがさびしくも感じた。
ハーディが呼びにきた。
「マリ、もうちょっとでフェリーの時間だよ」
私は仲良くなったE&Oのスタッフと順に握手して、ありがとうと伝えた。
間もなくタクシーがくる。フェリー乗り場まで8RM。
フェリーの手前にある港には、シンガポール発の豪華客船、スーパースター・ヴァーゴが停泊していた。
いつかこの船でクルーズができたらいいな。すっごく素敵な船だった。

サーキースコーナーで
マンゴジュースを・・・
月が昇ってきて
神秘的な風景・・・
今日はひっそりと静かな夜
ドームにも灯りが灯る・・・
サーキースコーナーのテラス席で飲んでいる人もいる
ビンロウ樹とも、お別れ
海辺の小道・・・
隣に悠海タンはもういない・・・
遠ざかるペナン・・・バタワースへの船旅

ペナンのフェリー乗り場に到着した。
10RMを差し出した私に、几帳面にも2RMを探しておつりを返してくる運転手。
アジアで何もいわずとも、こう素直におつりが返ってくると、ちょっと感動もあったりして・・・?(笑)
このフェリーは、バタワースから乗るときにだけ乗船料がかかり、ペナンからの帰りは無料。
なので私は無賃乗船なのです。
ちなみに、8時台までは15分に1本の割で出港するのだけど、それを超えると30〜45分に1本の割になってしまうそう。

待合室はだだっ広く、乗船場所のところには柵が下りていた。
ペナンには、マレー半島とペナン島を結ぶ、ペナンブリッジが建設され、今は陸路で結ばれているが、
今でもこのフェリーは、昔ながらの船やバイクの運搬も担っている。
船やバイクは、フェリー乗り場の地下(というか1F?)からハイウェイのゲートのような場所を通って船倉に車を格納する。
そして、私のような人々は、こうしてフェリーの2Fから直接乗船するのだ。

フェリーが到着した。たくさんの人を吐き出した後、早速船に乗り込む。
中には木造のベンチがたくさん並んでいて、窓もなにもない。
そして、トイレやキオスクが設置されており、かなり大きな船だった。
薄暗い白熱灯の灯、入れ替わり向かってくるフェリー、その船倉には、早く出よう、出ようとする車の群れ。
そして黒く穏やかにうねる海面。
光の喧騒から隔離されたような素朴な空間。船はにバタワースから入れ替わりにやってきたもう一隻とバトンタッチするように、まもなく出港する。

遠ざかるペナンの鮮やかな光の洪水、そして聳え立つコムターの灯。
現地の住民たちに紛れてベンチに腰をかける。
背もたれのネジがバカになっているようで、体を動かすたびにベンチががくがくと揺れている。
何気なく天井を見上げると、巨大なねずみがドタドタと柱の間を行き来している。
スムーズに、大きな揺れもなく、滑らかに水面を走っていくフェリー。

たくさんの船が行き交うマラッカ海峡。
この船たちの人々は、明日からもペナンで毎日の生活を続けるのだろう。
私はこれからペナンに別れを告げて、まだ訪れたことのないマレー半島へ踏み出すんだな〜と思うと、ちょっと感慨深かったりもする・・・・。

とうとう港が見えてきた。時間にして10分ちょっとの、バタワースへの船旅。
バタワースは工業都市だという。産業船が何隻か停泊していて、何のてらいもない、ごく普通の港。
ハイウェイのランプと、たくさんの車の洪水が見えた。 そしてデパートが隣接している。
船をおりて少しいくと高架になっており、スロープに沿ってあるくと、KTM(マレー鉄道)の案内が見つかった。
ちょっと一休み、と思って、煙草に火をつけようとしたら、ライターが見つからなくて、
どこかに忘れてきたみたい・・・

目の前にキオスクがあったので、そこでライターを購入。1RM。
世間はまだワールドカップの最中?らしく、なぜかJAPAN&KOREAワールドカップ@フランス版のライターを手渡された。
やっとバタワースの駅についた。
これから、沢木耕太郎ではないけど、Mariの深夜特急トリップが始まるのね。

ペナンのフェリー乗り場
人は遅い時間なのであまりいない。
ゲートが開きました。
ここから乗船します〜
船内は素朴な木のベンチ
キオスクまであります〜
今から出港・・・入れ替わりに次のフェリーが到着しました。
停泊する前からデッキがOpenされてるよ・・・・
船倉には、この通りおびただしい車がたくさん!
マラッカ海峡を行き交う船
遠くに見えるコムターとペナンの街・・・バイバイ
この柱の間をねずみが走り回っていた・・・巨大なのが・・・
バタワースの港からどこかにいくには、この高架を歩いていきます
到着。バタワースのKTM乗り場です!
深夜特急に乗車 〜セナンドゥ・ランカウイ〜

駅に到着。待合室は冷房がきいていて、とても涼しい。
こちらのオフィスはもう22時前だというのに、きちんと営業しています。
豪華な柵の門を開放したすぐそこには、線路が走っていて、次々と旅人たちが駅に・・・。
深夜特急は既に、設置面から、せいぜいひざ下くらいしかない低いホームでじっと待機していた。

【To Kuala Lumpur】

この列車に間違いないわね・・・。

まずは駅のホーム入り口で喫煙タイム・・・。
したら、間もなく電車のエンジンがかかったようだったので、駅員さんに聞いてみたら、遅れはない。もう乗れる。とのこと。
切符を確認して、乗車車両を探す。十何両もある長い長い列車のうち、一等客車はたったの1車両。その客車はだいたい中央部分に位置している。
途中で、何人かのマレー人駅員に切符を求められ、場所を教えてもらった。
すぐに見つかった客車。なんだかイタリアの鉄道旅を思い出すわね・・・。

早速乗り込んでみたのだけど、かなり古びた列車でした。
狭い通路があって、その先は1部屋ずつのコンパートメントになっています。
コンパートメントはちゃんとかぎがかかるタイプなので、2人旅にはすごく安心かも?
切符に書かれたコンパートメントに入ると、まだ同室の方はいない様子。
既に座席はベッドメイクされ、今にも寝れる状態です〜。
部屋には扇風機と小さい椅子、倒すとテーブルにもなる洗面台に小さな脇テーブル。
その上にはお菓子と水が1つずつおいてあります。
洗面台の上には、ペーパータオルとラックスの石鹸、そしてごみ袋。
コンパクトながら、なかなかきちんといろいろそろえてあるな〜と感心・・・。

まずは荷物をおいて、寝台の上に手荷物を投げ、部屋をうろうろしていたら、車掌さんが入ってきました。
ここで切符を検札するみたい。
「あなたは一人?」「はい、一人です」
「このベッドに寝るのは、レディだよ。安心してね」

良かった〜! 見ず知らずの怖いおいちゃんや変態兄ちゃんだったらどうしようかと思ってたのよね〜(爆)
個人的には、偶数人数旅だったらコンパートメント。一人旅だったら2等客車の下段ベッドをブッキングするのがお勧めかと思います。

まだまだ出発には時間があるので、ホームに下りて煙草を吸ってました。
部屋に戻ると、30代前半とみられるイスラム女性が。
お互いに自己紹介?をしました。KLまでヨロシクね☆
といっても、既に名前は忘れている。彼女はペナンに住んでおり、これからKLに住んでいる親戚の家を訪ねるそうだ。

まずは、お着替え。
半そでのシャツを脱ぎ、ペナンで購入した長袖のカットソーに首を通した。
同室の彼女も、イスラムの重々しいショールを脱ぎ(ショールの中からネットに包まれた頭髪が見えた)、スゥエットの上下に着替えていた。

そうこうしているうちに列車は動き出す。
ディーゼルの無骨な車両は車体をきしませ、次第に力強く、うねりながら客車は加速していった。
ちょっと表に出ていても良い?と、同室の彼女に断りをいれて、
少しの間、表に出て景色を眺めていたのだけど、バタワースから少し遠ざかると、既にそこは漆黒の闇の中・・・
景色を眺めるというよりも、墨汁の中に放り込まれてしまったよう・・・。

10分も走っていると、すぐに次の駅に到着した。
駅とはいっても、乗降客や駅員たちの姿は見えない。
ただ真っ暗な駅舎に白熱灯の灯り、そしてベンチがぽつぽつと置かれているだけの素朴なステーション。
叢ばかりの線路。そこに人の生活している姿は真っ暗で見えない。
ねっとりとした熱帯の空気をかき回すように走るマレー鉄道は、そんな艶めかしい草を押しやりながら、南へ、南へと進んでいく・・・。

この先に駅舎がある
バタワース駅の待合室
明るくて結構きれい
バタワース駅のホーム
この青い丸いキャラはイメージキャラなのか?貨物車。
車体は銀色に4色ストライプです〜
1等コンパートメントの通路
女の子が立ってたよ〜
1等コンパートメント室内。
扇風機、洗面台です〜
コンパクトにまとめられていました〜
洗面台はちゃんと水が出る。
お茶菓子もあっていいね〜
ごみ袋、ペーパータオル、そしてラックスの石鹸
2階部分の私のベッド。
おちないようにベルト付き。
1階部分のベッド
こっちのほうが断然楽よ!
バタワース駅の灯
真っ暗・・・墨汁の中のような世界で、かろうじて捕らえた光
停車するたびにこんな草むらがあります
停車した駅。
この路線は現在1日に上下1本ずつしか動いていないので時刻表もさびしい・・・
客車探検してみました〜

私の落ち着いた場所は、客車の連結部分。
このマレー鉄道の扉は、うち開き式。
しかし、その扉は、そこかしこを開放したまま。
轟音を轟かせながら疾走をつづけている。

激しい轟音の中、何の気なしに煙草に火をつけて、少しでも明るい光を受け止めようと車外を凝視していた。

その瞬間。電気が消えた。
真っ暗闇の中、開放した扉から体を乗り出して他の客車を見やったが、すべて停電している様子・・・。
懐中電灯をもった車掌がやってきた。私の顔に懐中電灯の光をあて、確認しているようだった。
「すぐに復旧するから安心して」
そして私の近くにあった機械室?にこもってごそごそとやっている。

その言葉どおり、数分を過ぎたあと、いっせいに客車の電灯が再度灯った。

車掌は、私の存在に興味をもったらしく、復旧が終わった後、声をかけてきた。

「日本人かい?」「日本人よ」
「一人かい?」「一人よ」
「KLまでいくのかい?」「KLまで行くのよ」

まるで鸚鵡返しのような会話。お互い、ププッと吹き出した。
「KLに着くのは明日の朝8時だよ。このあたりは真っ暗で何も見えないよ」
「知ってる。でも、この空気を感じていたいの」

いくつかの話をしていたら、この列車には食堂車(バフェ)があるというので、興味津々。
どこにあるかときいたら、ずっと、ずっと、後ろの車両だそうだ。
案内してくれるというので、行くことにした。

1等のコンパートメントを過ぎると、そこはすぐ2等寝台車。
なかなか快適そう。下段はほぼ全部埋まっていたが、上段は半分くらいの入りだったかな・・・。
こちらもなかなか清潔感があり、治安も悪くない。
大きな荷物を持っていない限り、この寝台車は結構良いのでは?

寝台車を何両かまた過ぎると、次は3等座席に入った。
マレー鉄道の車両全体に通していえることだが、冷房が寒いくらいにきいている。
寝台車やコンパートメントは、ドアやカーテンがさえぎることによって寒さがやわらぐが、3等の座席車だけはさえぎるものがない。そしてびっくりするほどに、満席。
マレー鉄道は、車両の中央にテーブルがあり、真中の席だけテーブルをはさんで向かい合って座ることができる。
そして、続く座席は、進行方向に関係なく、常に車両の中心を向いているのだ。
その3等客車のテーブル席。
見てもうビックリ。両側にギッチギチに座って向かい合ったイスラムの家族・・・
その中央は、赤ちゃんや幼児のベッドと化しているのだ・・・。
とにかく本当に混雑している。座れない人もいる。行商人のような、大きな荷物を抱えた現地人でいっぱいだ。

人をかきわけながら、そのまま3等客車をいくつか過ぎると、人も少なくなった座席列車に入った。
「ここは?」「食堂車だ」
どう見ても、普通の列車にしか見えない・・・汗
「何が食べれるの?」
車掌は近くにいた食堂車の係員の男性に声をかけ、食材を見せてもらった。
メニューなんぞは、なかった。(あるのかもしれないけど・・・)

まず、出されたのが、ポテトチップやナッツ、クラッカー、ラスクなどの小袋・・・。
食べ物は、このような菓子類しかないらしい・・・。
次に出されたのが、小さな小箱にきちんと並べられた、ネスカフェやミロ、紅茶などの一人用パック。
これも、1種類につき、1,2袋しかなく、さみしいものだ・・・。
いくつかの冷えたジュースもあるようだった・・・。
微妙な感じ・・・ノーサンキューしたいのは山々だったのだけど、せっかくここまで案内してもらったので1杯のミロを頂くことにした。確か2.5RM。結構高いのね。

あいてる座席に勝手に座った。
近くの座席には、車掌たちが集まって、なにやら楽しそうに話してる。ここって車掌さんのいこいの場なのかなぁ?
アツアツのミロを両手で抱えながら、車窓から相変わらず墨汁の闇を見つめる。
何も景色に変化がないまま、ミロを飲み終わった。まだまだ漆黒の闇は長く長く続いている。

部屋に戻ってベッドに横たわった。
列車の走る間中、不思議なリズムで体を激しくゆさぶられ、そして、駅に近づくたび、レールのきしむ激しい音を耳にしながら、けだるい寝返りを打っているうち、いつしか私は深い眠りについていた。

開放された列車の扉
2等寝台車
2等寝台車の上段ベッド
狭いけど、なかなか清潔で居心地は良さそう・・・
食堂車・・・ただの列車?