ピアノ弦のデータからインハーモニシティ値と張力を計算します。
インハーモニシティ値は
ヤングの公式
「インハーモニシティについて(Inharmonicity)」から
そして張力は テイラーの公式(※1)から
f = 振動数
n = 倍音数
l = 弦長
d = 弦径
A = 弦の断面積
Q = 弦密度
F = 張力
基音などから張力を求める式に変換して求めます。
張力の単位は[N](ニュートン)ですが[Kg]に変換する為に
重力加速度(9.80665204821[kgw])で割り算を行っています。
キー番号と弦長と番手を入力して
[ CALCULATE ]ボタンを押して下さい。
下の窓に Inharmonicity値と張力の計算結果が表示されます。
(v0.1.3)参考文献(※2) 「B ピアノのための音響学とピアノの音」《弦の計算》からです。
...弦の周波数の絶対値は Taylorによって始めて次のように示された。
n = 弦に1秒間の周波数(Hertz)
l = 弦長 cm
d = 弦の直径 cm
p = 弦を引っぱる力 g
s = 弦材料の比重(g/cm3)
π = 3.14159
g = 重力加速度(われわれの地域では981cm/sec2)...この公式はしばしば次のような形で示される：
(但し:q = 弦の断面積 cm3)...
...長さ1m...の弦の重さを正確に測定し1cmあたりの重さ(Ge)を算出 して用いる方法が目的にかなっている。...
変更された公式
...
Taylor公式の転換
1)
2)
3)
例：
1) 求めるもの l・p=70kg,d=0.975mm,s=7.95,n=217.5
l=78.191cm.2) 求めるもの d・n=217.5,p=65kg,l=75.348cm,s=7.95
d=0.975mm.3) 求めるもの p・n=435,l=39.4cm,d=0.1cm,s=7.96
p=74.88kg.
...
参考文献(※3) 「表計算『EXCEL』を使った弦のメンズレイション」からです。
...H列(張力) 単位：N(ニュートン)
数式：F = π・ρ・f2・l2・d2ρ = 7.85(g/cm3) (※注※ ρ：芯線密度)
l：振動数(Hz)
f：有効弦長(m)
d：弦直径(m)エクセル式： PI()＊7850＊POWER(D3,2)＊POWER(E3/1000,2)＊POWER(F3/1000,2)
※エクセル式で 7850, E3/1000, F3/1000は単位をm(メートル)に直した値
I列(張力) 単位：kg
これはN(ニュートン)値を単純に重力加速度 (約9.806...kgw)で割っただけ。 ニュートン値より実用的な感覚として イメージし易いための補助項目。エクセル式：H3 / 9.80665204821
...
参考までに 張力の計算を「独習室 (Lesson)」から "Java"の場合です。
public static double getTension(int key, double len, double dia) {
return Math.PI*SM*Meter*Math.pow(getFreq(key), 2)*Math.pow(len/Meter, 2)*Math.pow(dia/Meter, 2);
}もう一つの"数値計算ソフト Octave"の場合です。
ten = pi*SM*mm*freq^2*(leng/mm)^2*(dia/mm)^2;ついでにここ"JavaScript"での場合です。
function tension(hh, ll, dd) { // 張力計算(freq, length, dia)
return (Math.PI * SM * METER * Math.pow(hh * (ll / METER) * (dd / METER), 2));
}周波数は キー番号から平均律を求めています。
変更履歴：
v0.1.3 ['14/05/12] 参考文献(※2)と(※3)からの引用を追加しました。
v0.1.2 ['12/11/22] [Kg]の説明を追加しました。
v0.1.1 ['12/06/25] 公式の図と参考文献を加えました。
v0.1 ['12/03/03]
