♪♪ 415通信 28号 ♪♪
1999年2月6日発行
【415ニュース:オルガン到着】
「今、山陽町と瀬戸町の間を走っています。もうすぐです。」のTAKA−Cさんご夫妻からの電話があってから約30分後、心待ちにしていたポジティーフオルガンが我が家に到着しました。待ち受けていたのは、私達夫婦と手伝いを頼んだ岡山理科大学のゼミ生。ほんのわずかに遅れて、YさんとMさんが駆けつけました。第一印象は「かなり大きい」、「かなり(予想外に)重い」と言うことでした。仲介をして下さったオルガン工房の中里さんが作って下さった台車と、オルガンに附属していた運搬用の金具を使って、4人掛かりで我が家の洋室におさめました。長さについては大丈夫だろうと思っていたTAKA−Cさんのワゴン車に入らず、結局後部シートをはずしてなんとか積み込んできたそうです。今後の演奏会に使う時にも、人手と共に車の準備が大変そうです。
部屋に納めて電源を入れ(ピアノやチェンバロと違い、送風機用の電気が必要です。冷蔵庫ではありませんが、格好から言っても「電気なければただの箱」です)、みんなの見守る中で、さっそく音を出してみました。ややくすんだような、趣のある、まさにパイプオルガンの音です。しばし聞きほれてしまいました。この後、中里さんは調律をして下さいました。また、簡単な調律の仕方、保守の方法、取扱いの注意などを教えて下さいました。中里さんが帰られてからは、音楽会の始まりです。ストップを抜き差ししながら、代わる代わる音を出したり(蛙、TAKA−Cの男たち)、演奏したり(Yさんと家内)と大いにに楽しみました。
今回購入したオルガンは、東京バッハ合唱団が約20年前に募金で購入した楽器で、ドイツのオットー社製のオルガンです。鍵盤は54、4オクターブ半(C〜f)で、パイプはGedackt 8'、Rohrfl嗾e 4'、Prinzipal 2'の3列です。したがって、総数で162本のパイプを備えていることになります。ほとんどが金属パイプ(錫と鉛の合金、Gedackt 8'の低音部のみ木製パイプ)ですので、重いのは当たり前かもしれません。オルガンのストップもしくはパイプ列の呼び方は、たとえばGedackt 8'を例に取ると、Gedacktは音の種類の呼び名で多くのオルガンの基本となる素直な柔らかめの音を示し、8'(8フィート)は音の高さを示し、楽譜に記載の通りの音高、すなわちピアノと同じ音高を示しています。これは、C音(ヘ音記号の下線2本のC音)の開管のパイプの長さが約8'であることに由来します。4'のパイプ列は記譜音の1オクターブ高い音のパイプ列、4'のパイプ列は記譜音の2オクターブ高い音を出すパイプ列となります。したがって、今回購入したオルガンでは、ストップの操作により、記譜通りの音に加えて、その1オクターブ高い音、および2オクターブ高い音の3つの音を組み合わせて、音色の変化を出すことが出来ます。最近のコンサートホールに設置されているような大型のオルガンでは、数十のパイプ列が設置されているものもあります。このようなオルガンでは、鍵盤も3から5段ありますので、多彩な音の組み合わせを作ることが出来ます。なお、チェンバロの場合にも、一つのキーに対して2ないし3本の弦が張ってあり、音色の変化を付けるようになっています。この場合にもその音高を表わすものとして、8'および4'の名称が使われています。ちなみに、我が家のチェンバロでは8'の音高の弦が2本(2組)張ってあり、同じ音高ながら、柔らかめで豊かな音と堅めで軽やかな音の二つの音色が出せるようになっています。
ともあれ、待望のオルガンが到着し、私ども夫婦の楽しみがまた一段と膨らみました。暖かくなりましたら、一度、お披露目会をしたいと思っています。楽しみにお待ち下さい。また、皆様方でオルガンを演奏会などでお使いになりたいご希望がありましたら、どうぞご利用下さい。ただし、運搬手段(車と男手4人以上)は各自でご用意の程を。【「オルガン ふぁーすとこんたくと」<TAKA−C>】
1月28日夜、尼崎の立花教会にうかがい無事オルガンを積み込む事ができました。オルガンの大きさはお聞きした大きさいっぱいいっぱい(つまりある部分が大きくくびれているような事がない)でした。はじめて見たのが夜だったのですがかなり「大きい」と言う印象を受けました。また非常に美品でありました。見ただけで前オーナーがどれだけ大切にしていたかを感じとることができます。
中里さんが特製の台車と積み込み金具を作成して下さっていました。私がクルマへの積み込み方は見ておきましたので、今後もなんとかなると思います。ただ積み込みに男4人で行いましたので人の確保は必要だと思いますので皆様よろしくお願いいたします。
積み込み後、中里さんに現在組立中のパイプオルガンを見せていただきました。据え付けられる立花教会は非常に新しい教会です。説教台(と言う表現が正しいかどうかはわかりませんが)の頭上に反響板があるのには驚きました。広さは岡山カトリック教会の3分の1位ですが、響きは最高でした。…私は思わず声をとばして響きを確認してしまいました(私は響きの良さそうな所では無性に声をとばしたくなるのです(^^;)。なんでも、神父さんの奥様がオルガン奏者で、パイプオルガンを据え付ける事を前提に聖堂を設計されたそうです。中里さんも、「自分が知っている中でも1番の響き」だとおっしゃってました。中里さん曰く「どんなに良いオルガンを据え付けても、その聖堂の響きが良くなければだめです。聖堂はバイオリンに例えるならボディなのです。そう言った意味では聖堂もオルガンの一部ですね」との事。
組立途中のオルガンのスケルトン(?)を見たのですが、オルガンの部品のほとんどが木製です。金属はパイプと一部の金具だけです。ピアノで言うところのアームの部分も薄い木の板でした。昔飛行機模型を作った事がある方なら、翼やプロペラに使う”バルサ板”をイメージしていただければ良いかと思います。パイプオルガンはピアノのように弦を叩くわけではなく、弁を引っ張るだけなので薄い木板で構わないそうです。またアーム自体の長さが長いので軽量でなければならないそうです。パイプオルガンの高さが5m位ですからアームがどれだけの長さになるか想像できますね。以前はアルミも使われていたのですが、現在は木製が多いそうです。
中里さんは鍵盤の色をピアノと逆にされます。つまりピアノの白鍵のところを黒色に、黒鍵を白色にされています。曰く「こだわり」なのだそうです(^^)。
私のクルマに大切なオルガンを積み込んで、私にしては非常に慎重に運転して帰宅しました。1月30日はいよいよ岡山に嫁入りです。 (つづく)
【練習テープの御案内】
前回の練習は行けなかったけれど、どんなことをやったのかな?!
自分ではちゃんとやっていたはずなのに、なぜ指揮者はあんなにしつこく繰り返し歌わせるのだろうか!
注意を守って歌ってみたけれど、良くなったのかしら?
こんな疑問に答えるための、練習録音テープをご用意いたしております。
練習日をご指定のうえ、お申し込み下さい。格安で販売しています。
O P E 電 脳 部 TAKA−C・MOCHA
【編集後記】
今号は、オルガンの到着の関連記事による特集号としました。したがって、通常の「練習予定」および「練習記録」はお休みです。練習日の確認は415通信第27号をご覧下さい。
ニュースにもありましたが、オルガンの搬入当日、MさんとYさんが見に来られました。1月31日の練習終了後には、マックさんご夫妻が見に来られました。「僕は、見に行くんだぁ。どうしても見たいんだぁ」と言ったとか、言わなかったとか。また、今週には器楽の部のY2さんが弾きに来られました。皆さん、ご熱心というか、物好きというか、野次馬根性旺盛というか、大したものです(失礼!)。
今日の練習、指揮者(音楽監督)はお休みです。申し訳ありません。本業(いや、こちらが副業かな?)の関連の学会の役員会のためです。今のところ、今年はあと2回出張が重なりそうです。副指揮者さん、よろしくお願いいたします。
インフルエンザが流行っているようです。お気を付け下さい。(蛙)
2002/01/20 10:48