♪♪415通信 第38号♪♪
2000年1月15日発行


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【新年度にあたって】

 いよいよ西暦2000年を迎えました。世の中では、コンピュータの誤動作も心配されたほどではなく、大した混乱もなく2000年を迎えましたが、皆様はどの様に新しい年をお迎えだったでしょうか。これからの1000年が(少し大げさかな)皆様にとって素晴らしい年となることをお祈りいたします。
 
OPEもいよいよ創立17年目に入りました。昨年が創立15周年記念演奏会だったのに計算が合わないでしょうか。昨年は、創立15周年を迎えた後の最初の演奏会でした。そして、昨年末に創立16周年を迎えたため、今年は17年目というわけです。若干のこじつけがなくもありませんが、いずれにしても、今年も着実な歩みを続けて行ければいいと思っています。皆様のご協力、いや、積極的なご参加をよろしくお願い致します。
 なお、新年度を機に新入会員を募集しています(常時募集ではありますが)。出来れば4月頃までにご入会いただけると好都合だとは思いますので、適当な方があれば積極的にお誘い下さい。昨年の演奏会の合唱が
29名でしたが、45名くらいまでは増えても問題ないと思っています。

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【第16回演奏会(再掲載)】

 前号にも掲載しましたが、第16回演奏会の概要は次の通りです。若干の変更はあるかも知れませんが、大筋は決定とお考えいただき、今からご予定の調整をお願い致します。

期 日:平成1212月3日(日) 午後4時開演予定
会 場:西川アイプラザホール
曲 目:第1ステージ パレストリーナ ミサ「
de Beata Virgine
      
  第2ステージ 器楽アンサンブルと合唱・独唱による世俗曲
     第3ステージ バッハ マニフィカト
入場料:1,500円

 昨年と同様に、岡山県および岡山市の芸術祭に参加を申請するつもりです。また、福武文化振興財団にも助成を申請しようと思っています。ご意見がお有りでしたらご提案下さい。また、第1・3ステージの楽譜の用意が出来ていますので、まだお受け取りでない方はライブラリアンさんからお受け取り下さい。

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【OPEのヨハネ受難曲を聴いて】〜第15回演奏会 ご来場者の方より

  岡山ポリフォニーアンサンブルの創立15周年を記念して取り上げられたJ.S.バッハのこの大曲は、およそアマチュア主体のアンサンブルとしては可能性の限界ともいうべき選曲と思われた。実際問題、全曲の演奏時間は1時間半を超えるため、なみなみならぬ精神的集中力と体力が要求されることは言うまでもない。それに、アマチュア主体といっても、この曲の上演には福音史家を歌えるプロの歌手を絶対的に必要とするし、イエスならびにアルトソロなどもプロフェッショナルな領域である。オーケストラもマタイ受難曲ほどでないにせよ他のカンタータなどより難しい。これらの問題点を指揮者そしてこの合唱団の主宰者である坂本尚史氏がいかにクリアし、音楽を作り上げていくか、まことに注目すべき演奏会であった。
 結論から言うならば、期待を上回る出来映えであった。というよりも感動的な演奏であった。最初の合唱でオケの前奏がいかにも不揃いで弱々しかったため、どうなることかと思われたが、合唱が歌い出すとそのような危惧は消えて無くなった。そして強い緊張感と様式感を保ちながら(とりわけ休憩後)、最後まで我々を惹きつけてやまなかった(最後のコラールだけはもう少しおとなしく終わって欲しかったが…)。このような名演(あえてそう呼ばせていただきたい)が可能だったことの要因をいくつかあげてみたい。まず、合唱団の声楽的な実力と気迫、エネルギー、そしてそれを引き出した坂本氏の指導力が挙げられる。次に、ソリストたち、とりわけエヴァンゲリストを朗々と美しく歌い切った松本敏雄氏は高く評価できる。強いて問題点を挙げれば高いAの音を叫ぶのが気にはなったが、全体を損なうものではなかった。このような優れたテノールが岡山に在住し活動していることを喜びたい。アルトソロを歌った若い歌手(脇本恵子さん)は、地元で勉強したと思われる人ではあるが、有名なアリアなどでその優れた音楽性と将来性を窺わせた。今はやりのカウンターテノールではアルトの持つこのようなしっとりとした味は出せないと改めて感じた。イエスならびにバスのソロを歌った二人の若い歌手も立派な歌唱であった。これらのプロの歌い手に混じって、合唱団のメンバーがテノールのアリア、ソプラノのアリアなどを歌ったが、これらの歌い手たちも胸が熱くなるくらい大健闘であった。合唱団の実力をここでも見せつけたといって良いであろう。始めにも述べたようにオーケストラはいささか弱かった。それでもヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、そしてオルガンの奏者たちはそれぞれ見事な演奏をして、これまた成功の要因となった。しかしながら何と言っても最大の要因はこの曲の持つ形を明確にし、緊張感あふれるものに作り上げたたぐいまれなアマチュア指揮者・坂本氏の持つ音楽性と人柄にあったと思う。このような演奏に出会ったとき、はたして名演奏とは何か、ということを改めて考えずにはおれない。

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【オイジェン・フェレのレッスンに参加して】

 11/3(祝)にフランスの著明なリュート奏者(ルネサンス音楽の大家でもある)である、オイジェン・フェレのレッスンを受ける機会に恵まれました(岡山古楽振興会の下山さんのご努力によるものです)。参加者は器楽のメンバー5人で、ホルボーン作曲のパバーヌとガリアルドについてみてもらいました。レッスン時間はなんと90分にも及び、大変内容の濃いレッスンを受けることができました。そのレッスンで感じたエッセンスについて簡単に(箇条書きで申し訳ありません)まとめてみました。

1.曲のフレーズ感を表現することに関して
 とにかく曲のフレーズ感を表現することが重要である。そのためには・・・
1.和音をお互いによく聴いて会わせること。特に曲やフレーズの終わりの解決音の和音に気をつける。
2.緊張感のある音と、そうでない音の区別をすること。たとえば不協和音は緊張した音で、しかしその後の解決音はそうでない音でしっかり聴かせること(解決した感じを表現するため)。
3.曲を良く聴き分析して、フレーズの山や切れ目をしっかり把握し、それをできるだけ表現するように演奏することが大切である。フレーズのつながっている部分はできるだけなめらかに(レガート気味に)演奏すると良い。

2.タンギングについて
1
.全ての音を均等にタンギングすることは、ルネサンス時代にはなかった奏法である。
2.曲の拍子により、タンギングの仕方が異なっていなければならない。タンギングを替えることで、自ずと拍子感が表現される。具体的には以下のようにタンギングする。
 二拍子系:
te - l もしくは te - r
 四拍子系:
te - r - l - r もしくは de - r - l - r
 三拍子系:
te - r - l

3.曲の装飾について

1.ルネサンス期の曲の装飾には法則性があるので、それをよく勉強すること。具体的には「Diego Ortiz(ベーレンライター刊)」を使用するとよい。具体的には、2度の音の間に入れる装飾をよく勉強しておけば、3度以上の音間に入れる装飾にも応用可能である。なぜなら、3度については間に音を一つ補えば2度が二つ連続していると解釈できるからである。
2.音の装飾はトップパートのみがするのではなく、その他のパートでも主旋律と思われる部分では積極的に装飾を入れるべきである。とにかくいろいろ入れてみて試すことが重要。ただし、装飾を入れる部分が重ならないように各パート間でよく相談すべきである。

 最後に全体的を通じて感じたことは、とにかくルネサンス期の曲は、たとえ舞曲のリズムに基づいた曲であっても、あくまで「優雅さ」を忘れないように演奏すべきであると感じました。また、オイジェン・フェレは古楽を演奏する上で、現在習っている音楽常識はほとんど役に立たないことを強調していました。したがって、古楽の解釈にはより慎重な姿勢で臨む必要性を痛感しました。

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【練習日程】

 3月までの合唱の部の練習日程を再掲します。やむを得ず欠席の場合はパートリーダーまでご連絡ください。

1月23日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館和室
2月05日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館第2講義室
2月13日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館実技室
2月19日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館第2講義室
2月27日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館和室
3月04日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館第2講義室
3月12日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館実技室
3月18日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館第2講義室
3月26日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館実技室

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【編集後記】

 いよいよ新しい年が始まりました。OPEにとっても、皆様方にとっても、私にとっても、そして世界にとって平和で活気に満ちた年となることを祈っています。そして、第16回演奏会に向かって新たな活動を進めていきたいと思っています。
 皆様の職場・家庭では2000年問題はいかがだったでしょうか。私の研究室では、実験装置が一台動かなくなりました。日付を1980年にして回復しましたが、メーカーでは判っていたようです。事前に、知らせてくれないのは不親切ですよね
 第15回演奏会の感想を寄せて下さったのは、わが大学の教授で、OPEには好意的なのですが、いつも辛口の批評をしてくれる方です。今回は演奏会直前に出張先からわざわざ飛行機で駆けつけてくれました。私としてはやや恥ずかしい内容ですが、せっかくですから掲載いたしました。思い出が膨らんできます。
415通信は、今年も原則として毎月最終の練習日に発行して行くつもりです。皆様のご投稿を切にお待ちしています。<蛙>

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2002/01/20 10:48