♪♪ 415通信 45号 ♪♪
2001年2月17日発行


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【新年会行なわれる】

 1月13日の練習のあと、恒例の新年会が行なわれました。練習よりも参加者が多い
などとの声もありましたが、総勢25名が参加しました。昨年秋に入会された霜山さん
と当日入会された三浦さんの歓迎会もかねてしまいました。いろいろと話が弾んで、
楽しい会となりました。次はいつだ・・・、などと次回を楽しみにしています。

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【会員移動】

 前々号以降の新入会の方々をご紹介します。ご紹介がかなり遅くなってしまった方もあります。これも、編集子が通信の発行をさぼっていたためです。申し訳ありません。

 霜山瑞穂 アルト  〒702-8022 岡山市×××
 荒木宏忠 バス? 〒701-1154 岡山市×××
 三浦敏忠 バス〒722-0215 尾道市×××
 大森麻紀 ソプラノ〒701-2142 岡山市×××

 上記の方々の他、前回の練習では川崎医療福祉大学混声合唱団「ちょらす」から大勢の見学があり、かなりの方々が入会を希望されています。会員カードを頂いてから次号でご紹介します。パートリーダーの方を中心にお世話をお願い致します。
 これまで一緒に活動をしていた方々のうち、早川由美さんと守屋 宏さんが12月で退会されました。また、森岡千枝子さんと近間 文さんが3月末で退会されます。さらに、丹原由理さんと山本聖子さんが休会されることになりました。いずれも転居やお仕事の関係です。せっかく一緒に活動を続けてきたのに残念ですが致し方ありません。これからもお元気でそれぞれの道を進まれることをお祈りしています。岡山に来られたときや演奏会などにはお顔を見せていただけると嬉しいと思います。

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【練習予定など】

 4月からは、合唱は月4回、器楽は月2回の練習となります。原則は第1、3土曜日と第2、4日曜日です。2月から4月までの練習などの日程を以下に掲載します。この間には小演奏会があったり、祝日の関係で若干通常と変更がありますのでご注意ください。

2月17日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館
2月25日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
2月25日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
3月8日(木) 器楽:12:00〜13:30 アークホテル岡山(RC例会出演)
3月10日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館
3月25日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
3月25日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
4月7日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館
4月15日(日) 山本栄子さんピアノコンサートに出演:詳細は未定
4月22日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
4月22日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
4月28日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館

なお、祝日は公民館が休みのため、5月の最初は6日(日)になる予定です。

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【オルランドゥス・ラッスス】

 16世紀後半のローマにおける最大の作曲家パレストリーナ(1525頃〜1594)が世を去ってからおよそ4ヶ月半近くが過ぎた1594年6月14日、フランドル出身の同じ時代の大作曲家オルランドゥス・ラッススが亡くなった。
 15、16世紀にヨーロッパの音楽界をリードしていったフランドル(今のオランダ・ベルギー・北フランス地域)出身の音楽家たちの多くは、出身地であるフランドルばかりでなく、ヨーロッパ各地の宮廷や教会で活動を行なったため、それぞれの地域の言葉でその名が呼ばれることが多い。ラッススの場合もその例外ではなかった。ラッススの母国語はフランス語だが、フランス語による彼の名前はオルランド・ド・ラッシュ (Orlande de Lassus) とロラン・ド・ラッシュ (Roland de Lassus) の2種類が伝えられている。一方、オルランド・ディ・ラッソ (Orlando di Lasso) というイタリア語の言い方もあり、彼自身が晩年に用いていたもので、一般に最も多く使用されている。また、当時の公用語であったラテン語による名前オルランドゥス・ラッスス (Orlandus Lassus) もある。以下では、ラッススを用いることとする。
 ラッススは一時、パレストリーナが活動したローマにいたことがあったが、それはわずかな間だけで、パレストリーナとは異なる地域で活動し続けた音楽家であった。したがって、同時代のすぐれた作曲家同士でありながら、ラッススとパレストリーナの作風にはかなりの違いがある。たとえば、二人とも基本的には伝統的なフランドルの通模倣書法(全く同じ旋律が異なるパートに次々と現われる書法)をふまえているものの、パレストリーナがそれをさらに完成度の高いものへと磨きあげていったのに対して、ラッススの方はホモフォニー書法(和声を中心にした書法)によって劇的な表現を行なったり、北イタリアヴェネツィアを中心に開拓されていった分割合唱(あるいは複合唱)の手法をパレストリーナよりはずっと積極的に用いて、色彩的な効果を生み出しているのである。
 もうひとつ二人に共通した点がある。それは、二人とも厖大な量にのぼる作品を残していることである。16世紀の後半に活躍した作曲家たちの中には、それ以前の作曲家たちに比べてずっと多くの作品を書いている人が何人かいるが、たとえば15世紀の作曲家たちの作品の多くが楽譜に残されることなく終わってしまっているのに対して、この時代の作曲家たちの作品が、楽譜出版活動の活発化によって残される割合が高くなったとみれば、そのことは当然といえるのかもしれない。しかし、同時代の他の作曲家たちに比べて、パレストリーナとラッススが残した作品の数は際だって多い。曲の数え方にもよるが、パレストリーナはおよそ880曲の作品を残しており、ラッススの場合はその数はさらに増えて1260曲ほどである。ラッススの方がパレストリーナよりも長生きではなかったから、ラッススはパレストリーナ以上の多作家であったといえよう。
 しかし、その作品の種類を見てみると、いくつかの点で違いがある。まず二人ともラテン語で歌われる宗教曲を多数書いているが、ミサ曲、モテトゥス、イムヌス、マニフィカト、ラメンタツィオ(エレミアの哀歌)、リタニアなど、共通の種類がずいぶん多いものの、ラッススはパレストリーナが書かなかった受難曲を作曲したり、マニフィカトをパレストリーナとは異なったやり方で百曲以上も書いたりしている。またラッススのモテトゥスの中には、祝典のためのものなど典礼用のものではないものが数多くある。さらに、イタリアだけで過ごしたパレストリーナが、世俗作品としてイタリア語のマドリガーレしか書いていないのに対して、ラッススは、イタリアばかりでなくヨーロッパ各地で活躍しているため、イタリア語、フランス語、ドイツ語などを歌詞とした世俗作品を多数残しているのである。事実、ラッススは各国語に精通していたようで、まさにコスモポリタン的な作曲家であったといえるのである。
 ラッススは1532年にフランドル現在のモンスに生まれた。現在この町は南ベルギーのエノー地方の中心都市で、フランス国境からそれほど遠くないところにある。彼は、その町の聖ニコラ大聖堂の少年合唱団員として活躍したが、その美声ゆえに前後3回も力ずくで誘拐されたという。少年期にシシリー副王フェルディナンド・ゴンザガに仕えるためにイタリアにおもむき、シシリー、マントヴァ、ミラノ、ナポリなどで活躍した後、1553年にはローマのサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ教会楽長となった。1555年のアントワープにおもむき、この地で最初の作品集を出版した。なお、ラッススがフランドルに戻ったあと、後任の楽長となったのがパレストリーナであった。
 1556年南ドイツ・ミュンヘンに招かれ、ババリア公アルブレヒト5世の宮廷カペルラに加わり、数年後には楽長に任じられている。1571年パリを訪問し、フランス国王シャルル9世に手篤くて迎えられ、また、教皇グレゴリウス13世からは<黄金拍車の騎士>に任ぜられ、皇帝マクシミリアン2世からも騎士に除せられているが、その後もミュンヘンですごし、その地で生涯を終えた。今日もミュンヘンの町にはオルランド通りなる地名が残され、ラッススとこの町の深い縁を記念している。
 前述したようにラッススは多作家であり、当時の曲種のすべてをつくしている。それらは、彼の在世中から、ミュンヘン、ニュルンベルグ、ヴェネツィア、ローマ、ミラノ、パリ、アントワープ、ルーヴァンなどから相次いで出版されていた。憂鬱症によるラッススの死も、一つにはその他作による精神の疲労に由来するといわれている。
 世俗曲のジャンルでは、イタリア語によるマドリガーレ、ヴィラネルラ、フランス語によるシャンソン、ドイツ語によるリート、そしてフラマン語による歌曲などに、ラッススの楽才が多彩に展開されている。それぞれの国語を完全にマスターし、歌詞の適正なイントネーションをはかり、しかもそれらの民族性を的確に表現している点は驚嘆に値するものがあり、シャンソンにおいてはフランス人以上にフランス的であり、ヴィラネルラにおいてはイタリア人以上にイタリア的、リートにおいてはドイツ人以上にドイツ的であると評されている。わが国でもひろく愛唱されているヴィラネルラにおいて<わがいとしき人 (Matona mia cara)>は、イタリア駐留のドイツ傭兵のセレナードで、当時テデスカと呼ばれた曲種に属する。動詞を不定法のまま用いたり、vの代わりにfを用いたりして、ドイツなまりのイタリア語による素朴な曲だが、ラッススの名がこの種の小品によってのみわが国に知られている実情は、この作曲家のために惜しむべきことである。冒頭のマトナ (Matona) というのも、マドンナ(Madonna) がなまったものであり、したがって、<マトナの君よ>とあたかも固有名詞のようにする邦訳は適切ではない。 <この項、次号に続く>
(皆川達夫著 西洋音楽史 中世・ルネサンス、今谷和徳著 ルネサンスの音楽家たち、より抜粋)

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【詩篇143編(聖書<新共同訳>より。なお、最後の節は聖書からの句ではありません)】

 Domine exaudi orationem meam:
 auribus percipe obsecrationem meam in vertitate tua:
exaudi me in tua justitia.
Et non intres in judicium cum servo tuo Domine:
quia non justificabitur in conspectu tuo omnis vivens.
Quia persecutus est inimicus animam meam: humilitavit in terra vitam meam.
Collocavit me in obscuris sicut mortuos seculi.

Et anxiatus est super me apiritus meus:
in me turbatum est cor meum.
Memor fui dierum antiquorum:
meditatus sum in omnibus operibus tuis:
et in factis manuum turrum meditabar.
Expandi manus meas ad te,
anima mea sicut terra sine aqua tibi.

Velociter exaudi me Domine:
defecit spiritus meus.
Non avertas facem tuam a me:
et similis ero descendentibus in lacum.
Auditam fac mihi mane misericordiam tuam:
quia in te speravi.
Notam fac mihi viam in qua ambulam:
quia ad te levavi animam meam.

Eripe me de iminicis meis Domine,
ad te confugi.
Doce me facere voluntatem tuam quia Deus meus es tu.
Spiritus tuus bonus deducet me in terram rectam.
Propter nomen tuum Domine vivificabis in aequitate tua.
Educes de tribulatione animam meam:
Et in misericordia tua disperdes omnes inimicos meos,
et perdes omnes qui tribulant animam meam: quoniam ego sevus tuus sum.
Gloria Patri et Filio et Spiritui sancto.
Sicut erat in principio et nunc et semper:
et in secula seculorum. Amen.

主よ、私の祈りをお聞きください。
 嘆き祈る声に耳を傾けてください。
 あなたのまこと、恵みの御業によって
 わたしに答えてください。
あなたの僕を裁きにかけないでください。
 御前に正しいと認められる者は
  命あるものの中にはいません。
敵はわたしの魂に追い迫り
 わたしの命を地に踏みにじり
 とこしえの死者と共に
  闇に閉ざされた国に住まわせようとします。
わたしの霊はなえ果て
 心は胸の中で挫けます。
わたしはいにしえの日々を思い起こし
 あなたのなさったことを一つ一つ思い返し
 御手の業を思いめぐらします。
あなたに向かって両手を広げ
 渇いた大地のようなわたしの魂を
  あなたに向けます。
主よ、早く答えてください。
 わたしの魂は絶え入りそうです。
 御顔をわたしに隠さないでください。
 わたしはさながら墓穴に下る者です。
朝にはどうか、聞かせてください
  あなたの慈しみについて。
 あなたにわたしは依り頼みます。
 行くべき道を教えてください
 あなたに、わたしの魂は憧れているのです。
主よ、敵からわたしを助け出してください。
 御もとにわたしは隠れます。
御旨を行なうすべを教えてください。
 あなたはわたしの神。
 恵み深いあなたの霊によって
  安らかな地に導いてください。
主よ、御名のゆえに、わたしに命を得させ
 恵みの御業によって
  わたしの魂を災いから引き出してください。
あなたの慈しみのゆえに、
  敵を絶やしてください。
 わたしの魂を苦しめる者を
  ことごとく滅ぼしてください。
栄光は、父と子と聖霊に。
 初めにあったように、今もそして常に
 そして永遠に。 アーメン。

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【編集後記】

 本号から、使用するソフトを代えてみました。どうも使い勝手がよくありませんが、早く慣れたいと思います。前回の脇本さんの発声指導はいかがだったでしょうか。アルト中心で特に男声には申し訳ありませんが、少しでも参考になれば幸です。機会があればバスの発声指導もお願いしてみようと思っています。ご期待ください。
 モテットの歌詞対訳を掲載しました。印刷版では「対訳」になっているのですが、メール版では「並約」になってしまいました。でもこれは致し方ないですね。
 風邪で体調を崩して、2日ほど休んでしまいました。それやこれやで、通信原稿の作りだめが少し出来ました。そうはいっても、まだまだ足りません。皆様のご投稿を、切に、切にお待ちしております。 <蛙>

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2003/01/10 16:49