♪♪ 415通信 48号 ♪♪
2001年4月28日発行


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【415ニュース】

 演奏会でのオルガン演奏と練習ピアノをお願いしている山本栄子さんのピアノの発表会が、4月15日に早島町の「ゆるびの舎」で行なわれ、OPEも合唱と器楽で特別出演しました。とても楽しい発表会で、特に子供達の合奏は可愛らしく、楽しいものでした。器楽のメンバーは子供達との合同演奏も行ないましたが、若さと意気込みに圧倒された一日でした。子供達は暗譜で立って演奏したのに対して、我々は楽譜を見ながら座っての演奏しかできませんでした。少し惨めな感じもしましたが、喜んでいただけたようですから、まぁ良しとしましょう。皆様、ご苦労様でした。

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【会員動静】

  前回もお知らせしましたが、その後も新入会の方がありました。OPEにとっては大変に嬉しいことです。前回の練習で会員カードをお出しいただいた方々を以下にご紹介します。
 堀井健一郎 テノール 〒700-0973 岡山市×××
 川上幸恵 ソプラノ〒701-0114 倉敷市×××
 ソプラノの武田美樹さんの携帯電話とメールアドレスを以下に示します。また、坂本尚史も自宅にメールを開設いたしましたので、緊急の場合以外はこちらもご利用ください。ただし、今のところOPEの方と親戚以外には知らせないつもりでおります。
 武田美樹 
 坂本尚史 
 なお、テノールの林君は岡山市内の郵便局への採用となり、練習への参加は問題なくなりました。

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【練習予定など】

 5月から7月までの練習計画を掲載します。5月は第1週の土曜日が祝日で公民館がお休みのため、翌日6日の日曜日に変更になっています。そのため、日曜日が3回ですのでお気を付けください。また、7月には音楽監督の海外出張があり、2回の練習を日下技術部長にお願いすることになっています。なお、土曜日は京山公民館、日曜日は芳田公民館でこれは変更ありません。

5月6日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
5月13日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
5月13日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
5月19日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館(脇本さん発声指導)
5月27日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
5月27日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
6月2日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館
6月10日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
6月10日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
6月16日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館(秋山さん発声指導)
6月24日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
6月24日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
7月8日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
7月8日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
7月14日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館
7月22日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
7月22日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
7月28日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館

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【ラテン語の読み方(その1)】

 我々が歌う教会音楽のなかでのラテン語の読み方を解説します。参考にしたのは、第一に小泉 功著「宗教音楽におけるラテン語の読み方」で、これを編集子はバイブルのようにいつも利用しています。もうひとつは、アルトのMお姉様から頂いたHPからの資料です。
 そのアドレスは、http://vergilius.aeneis.kit.ac.jp/~taro/latin1.html、と 
http://www12.u-page.so-net.ne.jp/pp25/stella/schola/latin1.html の2つです。

ラテン語とは
 ラテン語はもともと、古代イタリア中南部で語られていた3つの方言のうち、現在のローマの辺りの「ラティウム」と呼ばれた地域で話されていたもので、その後、ローマ帝国が領土を広げていくにつれ、エトルリアやギリシャの文化・言語に影響を受けながら発展していったものである。もともと文字をもたなかったローマ人は、エトルリア人を介してギリシャ文字を知り、これに手を加えて自分たちの言葉を表すようになったと考えられている。この頃のラテン語は「古ラテン語」もしくは「口語ラテン」と呼ばれている。
 紀元前3〜2世紀ころ、ギリシャの植民都市がイタリア半島に進出し、直接ギリシャの文化に触れるようになると、ギリシャの悲劇や叙事詩を摸した文学作晶がつくられるようになった。紀元前1世妃になると、特人のウニルギリウスやオウイデイウス、雄弁家のキケローや、「来た、見た、勝った」でおなじみカエサルなどが登場します。この時期を「黄金期」または「古典期」といい、この時期のラテン語を「古典ラテン語」と呼んでいる。
 時がたつにつれ、日本辞の口語と文語のように、ラテン語も話し言葉と書き言葉に隔たりができていった。ローマ帝国が領土を拡大し、兵士や商人によって話し言葉としてのラテン語が運ばれ、土着の言語と触れて大きく変化することになる。ラテン語系のフランス語やスペイン語は、こうしてできた言葉である。
 さらに、紀元1世紀ころにキリスト教がロ一マ帝国に伝わり、浸透していくと、教会の基本言語もラテン語に定められた。5世紀にはヒエロニムスが聖書のラテン語訳を作成し、ここから歌詞をとった宗教曲がつくられるようになっていく。このラテン語を「教会ラテン語」と呼んでいる。我々が、合唱曲などのなかで出会うのは、基本的にこの教会ラテン語である。

ラテン語の発音
 古典ラテン語と教会ラテン語では、発音が異なります。
古典ラテン語教会ラテン語現代イタリア語
Caesarカエサルチェーザルチェーザレ
Ciceroキケローチチェーロチチェローネ(Ciceroneと綴る)
 ラテン語は、いまでは「死語」であって、どこの国の国語でもない。そのラテン語について、たとえば、cervusという語について「教皇グレゴリウス1世はこれを「ケルウス」と読み、パレストリーナはおそらく「チェルウス」と読んだだろう」ということを、どうして知ることが出来るのかということは、誰しも抱く疑問であろう。
 カエサルは、日本では一般に「ジュリアス・シーザー」と呼ばれているが、これは、彼の名前「ユリウス・カエサル」の英語読みである。また、欧米人は、ラテン語を学ぶ際、自国語風に読むことが多い。そのため、ドイツ人はドイツ語なまりに、スペイン人はスペイン語なまりに発音がちである。「国によって違うのはいけない、原語に忠実になるべし」との批判もあるが、ちょうど、日本人が「毛沢東」を「マオ・ツオトン」ではなく「もうたくとう」と発音するのと同じで、なかなか抜けない習性のようである。しかし、どこの国語でもない万国共通語としてのラテン語の読み方を、何とかして統一しようとする気運が19世紀末頃から起こってきた。そして多くの研究が行なわれた。たとえば、th、ph、ch、rhなどにおいて、[h] の気息音を略す発音法は、「それは田舎流である」とキケロー時代の文法家が述べているかと思えば、聖アウグスティーヌスも「それは野卑であり、失礼である」と言っているのであって、、そういうことから「正統のラテン語では [h] を省略してはならない」という結論が得られるのである。こうして20世紀の初めころ、極めてわずかな点を除いて、古典ラテン語の発音法に関する学者の意見は、ほぼ一点に達したのであった。それは、要約すると次の3点となる。
1. 発音のルールは「ローマ字」読みをすればいい。ただしc は [k] と発音する。
2. 母音には長母音と短母音がある。
3. Jは半母音 [j] を、vは半母音 [w] をあらわす。
 ところが、ラテン語の発音法の不統一について最も困ったのは、ラテン語を万国共通の公用語としているローマ・カトリック教会であった。そこで、ローマ教皇庁も20世紀の初めころ、カトリック・ラテンの発音法の標準化を指令した。ところが、このカトリックラテンについては、まだ学問的な(音声学的な)研究がなされていないようである。小泉 功氏は、「ローマ・カトリック教会のラテン語は、ラテン語の正統の発音法を無視して、近代イタリヤ語によって修正を加えた「第20世紀的新ラテン語発音法」によって読むべきものである」と結論づけている。なお、ドイツでは教皇庁の許可を得て、ドイツ式の発音をしているとのことである。
 さて、これらの見解をうけて、我々OPEではラテン語をどの様に発音すべきであろうか。音楽監督としては、これまでのところ次のような方針で進んでおり、今後も一応この方向で進むこととしたいと思っている。それは、
 基本的に、カトリック・ラテンの発音法に従う。したがって、たとえパレストリーナがcervusを「チェルウス」と読んだだろうと推定されても、カトリック・ラテンの発音法に従って「チェルヴス」と読む。一方、バッハの作品に関しては(シュッツを歌うときは改めて考えるとして)、ドイツ語的発音を採用する。これは、カンタータ教会の指導者である佐々木正利氏やヴィンシャーマン氏のやり方でもある。
 以下に、カトリック・ラテンの発音法の概略をなるべく簡潔に説明する。

母音の発音
1.単母音
 ラテン語の単母音は5つで1文字が1音に対応する。aは「ア」、iは「イ」、uは「ウ」、「は「エ」、0は「オ」。英語であれば、cat[kat]、table[teibl] 等、aひとつがいろいろな発音になるが、ラテン語では、aはいつも「ア」で変わらない。
 すこし、つけくわえると、[a] は、オに近いような奥まったaではなく、前の方に明るく響かせた [a]。
[i] も、明るい [I]。あまり口を横にしてつぶさないように。
[u] は少々留意せなばなりません.これは、日本語の「う」よりも唇を前に出して発音する。「うたう」「うれしい」等と発音したとき、ほとんどの場合は上唇が上の歯に接している。「注射」「主婦」等と発音したときは、上唇は上の歯よりも前に突き出ている。このようにはっきり構音された「う」が、うたうときの[u]である。
[e]、[o]は日本語の「え」「お」よりもやや開いたエ、オである。エは「えー、みなさん」と言うときの「え」に近いもの。
2.二重母音
 二重母音は教会ラテン語独特のもので、「1音節中に2つの母音が存在するもの」である。たとえば、グレゴリオ聖歌に昨年歌ったミサ曲の原曲のLauda Sion(シオンを讃えよ)という曲があるが、これは、「ラ・ウ・ダ・シ・オン」ではなく、「ラウ・ダ・シ・オン」と4音節に発音される。つまりLauは2つの母音[au]が存在しているがこれをあたかも一つ母音のように発音する。これが二重母音である。二重母音は、次の3種類に大別される。
2.1.本来の二重母音
 1音節の中に、文字としても発音としても2つの母音があるもので、AU、EU、EIの3つがある。たとえば、AUが長い音符にあてられた場合は、音符いっぱいをAでうたい、次の音に移る瞬間にUを発音する。あまりUを強調しすぎないように。他の2つも同じである。
母音のように発音される二重母音
2.2.1音節の中に、文字としては2つの母音があるが、発音としては1つの母音だけであるもので、AE、OEの2つがある。どちらも発音は「エ」である。
2.3.一方が子音のような役割をはたすもの
     QU+母音例qui クウイ(誰)
     NGU+母音例linguaリングヮ(舌)
     H+母音 例a=halleluiaアレルヤ
 長い音にあてられたとき、alleluiaの最後のiaの部分は、この音節に入る瞬間にiを短く発音し、そのあとでAを音いっぱいに伸ばして歌う。2.1.のAUが、Aを長く伸ばしてうたい、次の音に移るときにUを発音するのと対極的である。

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【編集後記】

 4月になり大学も新学年を迎えた。賑やかになったのは良いが、当然講義も始まり忙しくなってきた。特に、今年は、新しい科目が始まったことと、毎週金曜日に非常勤講師で高梁の吉備国際大学で3コマの講義を引き受けてしまった。結局新しい講義が4つ始まったことで、その準備に追われる毎日を送っている。またもや、公約した415通信の毎月発行に黄信号が点灯している。さしあたっては、書きためた原稿があるので何とかなっているが、皆様からのご寄稿がないと次次号あたりからピンチである。
 昨年秋から、事情により「うたごえ新聞」を購読することになってしまった。もっとも、読んでいるのは池辺晋一郎氏の「空を見ていますか」の欄だけである。そこで紹介されていた岩城宏行氏の著書「チンドン屋の大将になりたかった男」という本を読んでみた。久しぶりに一晩で読み切ってしまった。読んでみたい方にはお貸ししますので、お申し出ください。とても面白い本でした。 <蛙>

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2003/01/10 16:55