♪♪ 415通信 49号 ♪♪
2001年5月27日発行


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【練習計画(6月〜8月)】

 6月から8月までの練習計画を掲載します。7月には音楽監督の海外出張があり、2回の練習を日下技術部長にお願いすることになっています。また、8月はお盆休みのため1回休みとしました。なお、土曜日は京山公民館、日曜日は芳田公民館でこれは変更ありません。

6月2日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館
6月10日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
6月10日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
6月16日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館(秋山さん発声指導)
6月24日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
6月24日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
7月8日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
7月8日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
7月14日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館
7月22日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
7月22日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館
7月28日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館(脇本さん発声指導)
8月4日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館
8月18日(土) 合唱:18:00〜20:50 京山公民館
8月26日(日) 器楽:10:00〜13:00 芳田公民館
8月26日(日) 合唱:13:00〜16:30 芳田公民館

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【ラテン語の読み方(その2)】

子音の発音

 子音も、大部分はローマ字式に発音されますので、そのまま読むことになる。いくつか注意すべき子音があるので、それを中心に説明することにする。
     普通の子音 B D F L M N P Q V Z
     要注意発音 C G H J R S T X
普通の子音ではあるが、ドイツ語などと同じく、F、Vは下唇をかるく噛むように発音する。Mは唇を閉じた有声の鼻音であり、[t] と [d] の前では [n] が発音される。また、Nは舌先を上前歯の奥にしっかり付けた有声の鼻音である(ドイツ語の場合は舌先は上歯茎についているから、ラテン語の方がやや前で発音される)。さらに、c[k]、g[g]、q、xの前ではn は [n] と発音される。
 なお、Vに関しては、比較的最近(20世紀初頭?)まで [w] と発音されていたらしいが、現在では [v] と読ませている。
1.C・G
 これは、古典ラテン語では常に [c]、[g] であったが、カトリック・ラテン発音法ではイタリア語など、ラテン語系言語に共通した原則にもとづいて区別される。
     C+明母音ce(チェ)、ci(チ)、その他はca(カ)、co(コ)、cu(ク)
     G+明母音ge(ヂェ)、gi(ヂ)、その他はga(ガ)、go(ゴ)、gu(グ)
C・Gを含むほかの子音も、あとにくる母音によって発音が変わる。
     SC 明母音の前では[∫]、その他は[sk]
      例scientiaシェンティア(知識)、scorpioスコルピオ(さそり、さそり座)
     XC 明母音の前では [k∫]、その他は[ksk]
      例excelsisエクシェルシス(高い、優れた)excludoエクスクルド(排除する)
     CC 明母音の前では [∫]、その他は [kk]
      例ecceエツチェ(見よ)、eccelesiaエクレジア(教会)
     ※∫は、英単語sheの子音の発音記号である。
2.S
 すぐ上に、例としてecclesiaを出した。ローマ字読みとしたのに、エクレ「ジ」アと濁っている。Sの発音は、母音にはさまれたとき軽くやわらげられて[z]になるのである。しかし、この[z]は[dz]ではない。どう違うのかというと、[z]は、舌が上あごに触れた摩擦音あり、[dz]は舌を閉じた歯の裏につけて発音する破裂音です。これは、しばしば歌を習っている人の中でも混同されているので注意を要するが、実際の歌い分けはなかなか難しい。
3.H
 古典ラテン語では、Hは全てそのまま発音されたが、カトリック・ラテンではイタリア語のSpaghettiを「スパゲッティ」と発音したり、フランス語でHotel(ホテル)を「オテル」と発音するように、Hはサイレントである。したがってhomo(人間)は「オモ」と発音される。ただし、mihi(私)とnihil(無、空)だけは[k]で発音され、「ミキ」「ニキル」となる。また、CH、SCHも[k][sk]の発音になる。
4.J
 カトリック・ラテンでは、Jは日本語のヤ行の発音[j]になる。「ジュ」という発音にはらない。よって、英語では「ジーザス」になるJesusは、「イエズス」と発音する。
5.T
 Tは通常の [t] の発音である。しかしTIと綴ったとき、大部分はそのまま[ti]と発音するが、TIに母音が続く場合は[tsi]となる。ただし、s、t、xがそのTIに先行する場合はこの限りではない。
     tiaraティアラ(王冠)→ギリシャ語をそのままラテン語に移した語であるため    
     gratiaグラツィア(感謝・敬意)
6.R
 語頭にある場合、アクセントのある場合、RRの場合は巻き舌とする。それ以外は日本語と同様に舌を一回だけはじけば良い。ただし、語尾のRの場合は後ろに [u] を付けて「ル」になら内容に注意する必要がある。
7.X
 ラテン語のXは無声の二重子音であって、その発音は [ks] であった。しかし、カトリック・ラテンでは、これを次のように読んでいる。
7.1 exのあとに母音が続く場合、xは [gs] と発音する。ただし、その [s] は厳格な無声音ではなく、有声化の傾向を持った曖昧なものである。
7.2 exと母音の間にhが挟まっても、このhはサイレントであるから、上の原則が適用される。
7.3 exsのあとに母音が続く場合、このexsの3字で [egs] と発音する。
7.4 これ以外の場合、xは常に [ks] と発音される。
8.その他
 綴りは2文字ですが1子音で発音されるもの。
     TH [t] sabaoth サバオトゥ(天軍):[h] の気息音は入れない。
     PH [f] phoenixフェニクス(不死鳥)
     RH [r] rhythmusリトゥムス(リズム)
     GN [(ニャ、ニュ、ニョ)]magnificoマニフィコ(称賛する)
 特にPHとGNが間違われやすいので注意が必要。Philippinをフィリピンと読んだり、ミサ曲の中のAgnus Dei(神の小羊)を「アニュス・デイ」と読んだりすることを心に留めておけば間違えないと思われる。

母音の長短

 「昔のローマ人は別々に聴音と短音を発音してたに違いないが、この区別がだんだん無くなってきて、現代は長音も短音も同じく発音する」といわれており、カトリック教会の祈祷文などは、母音の長短を区別しないで朗読されているようである。しかし、ラテン語にも母音の長短によって意味の異なる言葉がたくさんあるし、パレストリーナのモテットなどを見ると旋律と母音の長短が見事に対応しているので、我々は母音の長短に無関心ではいられない。しかし、母音の長短を強調すると、ドイツ語の場合のように母音の広狭の問題が、必然的に派生してくる。この母音の広狭は、現代のカトリック・ラテンでは注意されていないようであるが、本来のラテン語の場合には当然存在したと思われる。しかし、歌の場合にドイツ語の場合ほど強調する必要はないように思われる。
 母音の長短の一般原則は次の通りである。
1. 二重母音は常に長い。
2. 二重母音から出来た短母音は常に長い。
3. 約音法あるいは収約法(2つの単語が結合して1つの単語になるもの)によって出来た短母音は常に長い。
4. nf、ns、nx、nctの前にある母音は原則として長い。
5. 語尾のIとoとuは原則として長い。
6. 語尾のas、es、osは原則として長い。
7. 2つのシラブルに分かれた2つの母音が並んでいるとき(二重母音ではない)、前の母音は常に短い。
8. ha、he、hi、ho、huの前の母音は常に短い。
9. ntとndとの前にある母音は短い。
10. 語尾のaとeとは原則として短い。
11. 語尾にmまたはtがあるとき、その前の母音は短い。
12. 2シラブル以上の語で語尾がlまたはrで終わるとき、その前の母音は短い。
 これ以外に、シラブルについては、母音の長短に関わりなく、「位置によって長い」シラブルもある。

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【東京バッハ合唱団第89回定期演奏会「祝典のバッハ」を聴いて】

 曲目:BWV9 <救いは のぞめり>、BWV 51 <全地よ 歓呼せよ み神に>、BWV 29 <み神に 謝しまつらん>、BWV 140 <めざめよと呼ばわる ものみの声高し>

日時・会場:2001年5月12日(土)午後6時開演 石橋メモリアルホール

 この日、ちょうど都合の良いことに会議のための出張があり、会議を早々に切り上げて念願の東京バッハ合唱団の定期演奏会を聴くことが出来た。ポジティーフ・オルガンを譲っていただいたことをきっかけとして、一昨年秋に私どもの岡山ポリフォニーアンサンブルの演奏会に大村先生にお越しいただいた。それ以来、いつかは大村先生の東京バッハ合唱団の演奏を聴かせていただくことを願っていたが、やっと実現することが出来た。
 演奏を聴く前から楽しみにしていたのは、大村先生の音楽作りと、日本語によるバッハだった。大村先生と東京バッハ合唱団の演奏は、以前にいただいたヨハネ受難曲のビデオでは拝見していたが、実際の演奏を聴かせていただくのは初めてであった。 
第1曲目が始まると、大村先生のゆったりとした柔らかな指揮と、それに良く反応する合唱団、さらには柔らかなそれでいて芯の通った管弦楽から繰り出される、しっとりとした慈愛に満ちた音楽に魅了された。39年間、89回の演奏会を重ねた先生と合唱団の歴史と伝統の響きが感じられた。男声も、人数の少なさを感じさせないしっかりとしたものであった。
 ソリストは、全員が素晴らしい声と歌唱力の持ち主であった。テノールの佐々木正利先生は岡山バッハカンタータ協会でご指導をいただき、日頃から素晴らしい歌唱とご指導力に感銘を受けている。また、アルトの佐々木まり子先生には何度か演奏会で独唱をしていただいたことがある。今回も、両先生の素晴らしい歌を堪能することが出来た。ソプラノの光野孝子さんは、初めて聞かせていただいたが、透明感のあるのびのびとした歌唱であった。特に、51番のカンタータは素晴らしいものであった。 
140番は以前に演奏し、かつバスの独唱を歌った曲で懐かしく聞かせていただいたが、2曲の重唱ともに美しいソプラノと安定感のあるバスの好演奏であった。
 もう一つ期待していた日本語によるカンタータは、歌い手にとっては曲の内容が理解しやすく、音楽表現に価値が高い試みであることは十分に認められるが、残念ながら、合唱において言葉が明確には聞き取れなかった。音楽の流れと言葉のアクセントが一致しないところが残されており、そのようなところで、特に歌詞が良く聞き取れなかった。カンタータの日本語訳は大村先生のライフワークとされ、非常な情熱を傾けておられるお仕事である。このことは、決して大村先生のご努力を過小評価するものではなく、カンタータの演奏に取り組んでいる者の一人として、先生のお仕事がさらに発展されることを期待している。原語と日本語のアクセントや言葉のニュアンスの違いというのは訳詞の宿命でやむを得ないところではありが、今後とも先生のご努力により歌いやすい訳詩が出版されることを心より念願している。
 今回の演奏会は、合唱団員の生き生きとした顔が印象的であった。皆様が大村先生のご指導のもとに、バッハの音楽に真摯にかつ楽しく取り組まれていることが伺われる演奏会であった。私も今秋の演奏会に向けて、心を新たに取り組まなければならないと感じつつ会場を後にした。

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【編集後記】

 念願の東京バッハ合唱団を聴いた。超多忙な中での出張だったためか、前夜から体調を崩し、若干熱のある中で聴いたので、正常な感想になっていないかも知れないことをお断わりしておく。しかし、やはり訳詞というのは聞き手にとって難しいものだと思った。アンコールでドイツ語のコラールを聴いたときに、何かホッとした気分になったのも事実であった。
 7月の国際会議出席、8月のドイツ演奏旅行と2ヶ月にわたって皆様に、そして日下技術部長にご迷惑をお掛けすることになる。この場をお借りしてお詫び申し上げる。
 まもなく梅雨にはいるが、健康にご留意されることをお祈りする。            <蛙>

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2003/01/10 16:58