◇◆◇ 2002.2.19 PARTW ◇◆◇
◇◆◇ オルベラ,セテニルの白い村 ◇◆◇
サハラへはルートを外れてきたので少し戻る。A376とA382の分岐地点で,ロンダへはA376をそのまま南下したほうが近いのだが,オルベラ,セテニルに立ち寄るためA382の方へ進路をとる。サハラもオルベラも小さな村だが,道路の標識がしっかり出ているので迷わず行くことができる。
サハラでは雲が出て天気が悪くなっていたのに,オルベラのほうはそんなに悪くないようだ。遠くにオルベラの村が見えてきた。やはり少し小高い丘に白い家が立ち並び,その中でひときわ目立つお城や教会がある。スペインの白い村はどこともこんな感じだ。ガイドブックに紹介されているのはその中のほんの一部で,私達も素通りしてしまった名も知らない美しい白い村はたくさんあるのだ。
オルベラの城のふもとで車を止めて降りてみる。荷物を持った家族連れの旅行者とすれ違ったが,このようなのんびりした村に何日かゆったり滞在するような旅もいいなあと思った。なにしろ私達は駆け足の旅行者だ。せっかく来たのだからここも見たいあそこも見たいといろいろ周って転々としている。
城壁に沿って登っていくとアラブのお城がある。丘の頂上にあるので村を見下ろすことができる。城のそばに立つ家に洗濯物の干してあって,その下でくつろぐおじいさんがものめずらしそうに私達を見ていた。あまり日本人なんて来ないんだろう。
城壁の外側に羊の群れを見つけた。少年二人が羊を追っている。すれ違い際「オラ」と挨拶してみる。ちょっと無愛想な「オラ」が返ってきた。何をうろうろしてるんだ,こいつらって感じ?
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オルベラ遠景 丘の上のアラブの城跡,エンカルナシオン教会と白い家々 |
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不思議な形のアラブ城 |
アラブ城から見たオルベラの街並み |
クリーム色がかわいい エンカルナシオン教会 |
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アラブ城の裏手を行くと... |
羊たちが現れた |
反対側から見たオルベラの村 |
オルベラからセテニルへは一旦A382に戻るつもりだったが,街中でセテニルと書かれた標識を見つけたので行ってみる。
その前に乾燥したのどを潤す水,水がほしい!バルを見つけたので「Uno agua.」(必殺単語話法(^_^;))と注文すると,大きなボトルが出てきた。「No,little one.」って今度は英語かよーって感じだけど(^_^;),冷蔵庫からよく冷えた小さいボトルを出してくれた。ここのバルには大きな肉の塊がつるしてあって,タパスもおいしそうでずいぶん心引かれたが,水だけ手に入れ車に戻る。
オルベラの村の中心といっても数100m行くと終ってしまう。村,町の終りには標識でENDマークが出ている。駐禁のマークみたいな赤丸に斜線の標識にOLVERAという具合に名前が入っているのだ。
セテニルへの道は細い村道。平地が多かったのが高地になり,ロンダの峡谷に近づいている感じがしてきた。トレホ川沿いの道を入って行くと川をはさんで両側に白い家が現れ始めた。ここがセテニルだ。村の中に入るとますます道が狭くなった。川に侵食された洞窟を利用して家が作られている。崖に白い壁が埋まっているような感じで,上から家が押しつぶされそうな圧迫感がある。
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平野から高地に景色が変わる |
ロンダの渓谷の雰囲気が出てきた |
セテニルの洞窟住居 |
セテニルの村を抜けると,右の方向にロンダと標識が出ていた。ロンダまでもう少しだ。一本道の道路を走っていくと途中で道が細くなり小学校から仮装した子供達が出てきた。カラフルな衣装に身を包みとてもかわいらしい。
そうこうするうちに道は右に曲がり更に狭くなり,先は行き止まりのような所へ入って行く。おかしい。確かにロンダと書いてあった方向に10分ほど走ってきて,ここまで一本道だったはずだが,どこかで曲がる所を見落としたのだろうか?
不安になり来た道をひき返してみる。セテニルで見た看板まで戻ってみたが他に道は見当たらない。先ほどの小学校のある集落の手前でなにやら細い道はあったが,どう見ても農道で看板も出ていない。この集落自体どの辺りなのかと思って辺りを見ると,小さな看板で「La Cimada」と書いてある。地図を見るとその名の小さな集落がある。道は間違えていない。このまま南下すればロンダに行けるはずなのだ。
さっきの狭い道は右に振っていて明らかに方角がおかしい。その右に曲がる箇所は工事されていてまっすぐには行けないと思っていた。しかしここをまっすぐ行けばロンダに行けるようだ。でも工事中で通行止めなのだろうか?
車を止めて工事している人に通れるのか聞いてみようと思っていたら,向こうから数台の車が現れた。なんだ,全然通れるじゃないか!おかげでずいぶんロスしてしまった。
しばらく行くとArriateの村,そしてロンダへと続く鉄道が見えてきた。
もう数キロだと思ったとたん,トイレに行きたくてたまらなくなった。オルベラで買った水をほとんど一人で飲み干してしまったためだろう。ロンダまで我慢できない...。Arriateで車を止めてもらい,バルでトイレを借りようと思ったが,行ったバルは薄暗く男の人が何人かたむろしていてとても雰囲気が悪くてちょっと覗いてやめた。
その隣にアンダルシア地方の焼き物のお店があったのでトイレを借りようと思って行ってみたが,年をとった女の人が一人で「toilet」や「rest room」も通じない。スペイン語でトイレ,何だったっけ?何回も目にしていたはずだがとっさに思い浮かばない。
仕方なく諦めて車に戻り,ロンダへ急いでもらうことにした。その間ガイドブックでトイレのスペイン語を探すが見つからない。絶対のっていたはずなのに...。しばらく行くとガソリンスタンドを発見。結局単語を発見できないままいちかばちか「toilet」と言ってみると「Aseos?」と建物を指差してくれた。そう,「aseos」だ。 とりあえず助かったが,やっぱりドライブではトイレが一番問題だと思った。
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