◇◆◇ 2002.2.20 PARTU ◇◆◇

◇◆◇ 地中海を目指して ◇◆◇
 これから,地中海に向ってA376を南下し,マルベーリャで地中海に出たら海沿いのN340を東に走り,ソロブレーニャでまた北上してグラナダを目指す。今回のドライブで最も距離が長い所だが,途中でネルハ,フリヒリアナにも立ち寄る予定だ。
 ロンダからマルベーリャまでの道は山の中腹を切り開いたドライブウェイのような道だった。山に沿って道は続いていたが,ほとんど集落は見られなかった。
 標高が下がってきて,ちょっと山間を抜けたかなあと思ったとき,遠くに海が見えてきた。地平線がちょっと霞んでいて海と空の見分けがつきにくいが,近づくにつれそれはきらきらと反射する海だと認識できるようになった。スペインに来て初めての海,そして初めての地中海だ。
 見えてきた家々は今までの内陸のものより大きく,マンションも多かった。白い家が多いが,ピンクや黄色のカラフルな家もありずいぶん雰囲気が違う。この地はコスタ・デル・ソル=「太陽の海岸」と言われるだけあって,地中海性気候の温暖な地帯で,地中海に面するリゾート地という感じだ。
 N340に合流すると急に車が多く,その流れが速くなった。合流地点の手前に有料の高速道路の入り口があった(TOLL GATEの標識が出ている)が,誰がわざわざ有料道路を通るのだろう?混んでいるとはいえ,下道でも車は十分120kmくらいで走っている。車が多い分コルドバ−セビリア間の高速よりコワイ。
 地中海に沿ってマルベーリャ,フエンヒローラなど大きな都市が続く。内陸では集落と集落の間は何もない大地が広がっていて,セビリアでさえ数キロ郊外に行くと何もなかったが,この辺りは地中海に沿って途切れなく街並みが続いている。
 車の流れが速いので,右手にずっと海が見えているのになかなか立ち寄れない。しばらく走り海岸がすぐ近くになったところで高速を抜けてみる。標識にはリビエラと出ていた。地図にも地名が出ていないがマルベーリャとフエンヒローラの中間にある地域だ。スペインのコスタ・デル・ソルもイタリア・フランスのリビエラ海岸と繋がっているわけで,そこからリビエラと言う名が付けられたのだろう。
 車を止めてぶらぶらしてみる。歩いている人達も半袖でまるで夏のような気候だ。地中海の海はとても青く,キラキラしていた。この砂浜は「Fontana Beach」。
 ちょうど海に面してカフェがあったのでここでお昼を取ることにした。メニューはイタリアン。パスタ,ピザ,グラタンなどがある。私はラザニア,EIKIはアンチョビーのピザを注文した。このラザニアが,パスタとパスタの間のクリームソース部分が絹ごし豆腐みたいにあっさりしていてとてもおいしかった。EIKIのアンチョビーのピザはばかでかい。これ1枚で二人分にしてもよかったが,アンチョビーがかなり臭くて私はちょっと苦手。

山の中腹を切り開いた道を
地中海目指して走る
カラフルな家が立ち並ぶ
マルベーリャの街並みが見えてきた

リビエラ
Fontana Beach
リビエラのカフェ カフェの前に広がる芝生と
青い地中海


◇◆◇ ヨーロッパのバルコニー ◇◆◇
 しばらく行くとフエンヒローラの街で,左手に見える山に向かって道が走っていて「MIJAS」と標識が出ている。スペインの白い村として有名なミハスだ。よくツアーにも入っているが,これだけ美しい白い村がある中,なぜこの白い村だけがそんなに人気を集めているのか。どうも観光地化されているような気がするので今回はあえてコースからはずしてみた村だ。
 フエンヒローラ,トレモリーノスは海岸線に高層ビルが立ち並んでいて,今まで訪れたスペインの素朴なイメージとは違う場所だった。海と高層ビル,オーストラリアのゴールドコーストの雰囲気に似ている。そしてコスタ・デル・ソルの中心都市マラガ。さらに車が多く,空気が悪くなってきた。

 ネルハの町はマラガからさらに50kmほど東に行ったところにある。標識に従い高速をおりる。ガイドブックには紹介されているもののたった1ページで,小さな町の地図さえ載っていない。
 ネルハは当初立ち寄る予定ではなかったのだが,このネルハから山側に走っている道を行くと私の行きたかったフリヒリアナと言う小さな白い村があるため,ここで高速をおりる予定ではあった。そして,EIKIがガイドブックでネルハに地中海を望む「ヨーロッパのバルコニー」と呼ばれる岬があり,行ってみたいと言い,立ち寄ることになった。
 「ヨーロッパのバルコニー」がネルハの町のどのあたりにあるかわからないので,適当に海に向かって走ってみる。ちょうど出たところはブリアナ海岸のビーチになっていて,道沿いに駐車スペースがあり,多くの海の店が出ていた。まだ2月だというのに,多くの人でにぎわっていてみんな半袖姿,小さな子供は水着姿でまるで夏に季節が進んだみたいだ。大人たちはやしの葉っぱで作られたビーチパラソルの下に寝そべっているが,子供の中には海に入っている者もいた。

ネルハのブリアナ海岸 ネルハの街並みと
海辺のビーチパラソル

 このビーチでのんびりするのも楽しそうだが,「ヨーロッパのバルコニー」はここではなさそうだ。岬なのだからこのビーチの西か東かどちらかの崖の方だ。お店で聞いてみると西の方で,ちょっと来過ぎていたようだった。町中の道は狭く分かりにくく標識も出ていないので,途中途中で道を聞きながら進んでいくと,それらしい人の流れを発見した。しかし道が狭く駐車するところがない。しばらく走ると路駐している車がいっぱいあったので,その中に車を紛れこませた。近くにはオープンカフェやお土産物やさんもあり,かなりの観光地のようだ。
 「ヨーロッパのバルコニー」と言われるここ「Balcon de Europe」には同じ名前の4つ星ホテルが傍らに建っている。バルコニーからの眺めるネルハの町は断崖の上にあった。先にビーチに行ったので,ネルハの町がこんな風に海に面していたとは意外な感じだった。
 地中海の海は青く穏やかだ。ちょっと雲が出てきて,太陽が薄雲に隠れてしまったので,キラキラと反射するような海の様子が見たくてしばらく待っていた。しかし,時間はもう4時。太陽の光も余り元気がなくなる時間帯だ。残念だが先を急ぐことにした。

ヨーロッパのバルコニー バルコニーからの眺め 白いゲートと地中海


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