◇◆◇ 2002.2.17  ◇◆◇

◇◆◇ プラド美術館 ◇◆◇
 スペインの朝は遅い。眠れなかったからますます遅く感じた。8時くらいになってようやく明るくなってくる。
 実はマドリッドはロンドンより西にあり西経4度くらいなのに,日本との時差は8時間。なぜ9時間にしていないのか知らないけど,そのおかげで完全に時間が夜側にずれている。2月のこの時期でも日が落ちるのは19時頃。だからスペイン人は夜遊び好きなのかな。
 プラド美術館は9時開館なので8時半頃にホテルをチェックアウトし,スーツケースだけ預けて出発する。朝の人通りは少ない。昨日タクシーで通ったシベーレス広場には,2頭のライオンに引かれた女神シベーレスの噴水がある。スペインの交差点(ヨーロッパはどこもかも)はロータリーになっていて,その真中に噴水や銅像が立っている。

マドリッド一の大通りグランビア通りの
交差点も朝は静か
シベーレス広場のライオンと女神 プラド美術館の建物は結構シンプル

 美術館への道はガイドブックを見なくても標識がちゃんと出ているので迷うことはなかった。立派なリッツホテルの前を通りすぎるとプラド美術館の正面から見て左入口にあたるゴヤ門が見えた。
 既に人が並んでいた。カウンターでお金を払おうと10ユーロ出すと「Three」と言う。確かガイドブックにも3ユーロってなってたから,2人で6ユーロと思って10ユーロ出してるんですけど...。怪訝な顔をしていると,「Today is free day.」と言われた。Freeって言ってたのね(^_^;)。そうそう,日曜は無料なのだ。
 どうやらボディチェックで結構並んでいるらしい。空港みたいなゲートを通って,リュックは預けなければならない。なかなか厳重。
 はっきり言って宗教画はわからない。バックボーンがないから共感できない。モネやルノワールなんかの印象派のほうがすっと入ってくる感じがする。プラドは絵画の保有数としては世界一らしいが,そのほとんどが宗教画なのでちょっとしんどいかも。スペイン画家として注目していたゴヤやグレコの色彩は暗く,あまり私の好みでなかった。好きなのはイタリア絵画のラファエロ,フランドルのルーベンス。ラファエロは瀬名秀明の「BRAIN VALLEY」に出てきた「キリストの変容」に見入ってしまった。旅行の出発前に入院することになった母親にたまたまこの本を貸したのを思い出す。
 一階部分を見て,まだ朝食を取ってなかったのを思い出した。ホテルからプラドまでの間にどこかいいカフェでもないかと思っていたのが見つけられなかったのだ。美術館内にカフェテリアがあるので行ってみる。さすがに朝一で来て,いきなりカフェテリアに向かう人はいないらしく,他にいるお客は美術館の職員らしき人ばかり。2人でパン,チュロス,プリン,コーヒー,ジュースを注文して7ユーロほどで,美術館の中にしては高くなかった。チュロスは日本で見かけるのと同じ形だったので,あまーい味を想像していたら塩味。
 続きを見るが,寝不足のため頭ががんがんしてくる。慣れない宗教画を見すぎて酔ったのかもしれない。本当に「ざっと」だが見て回ったので,美術館を出ることにした。

◇◆◇ TALGOでコルドバへ ◇◆◇
 ホテルに戻りスーツケースを取ってアトーチャ駅までタクシーに乗る。結構大きな駅だ。コルドバへ移動するのにAVEを取らなければならない。AVEの窓口があったので行くと結構多くの人がいた。順番がどうなっているのかわからなかったのでしばらく様子を見ていると,どうやらボタンを押して番号札を取り,番号を呼ばれるのを待っているようだった。
 順番が回ってきて,12:00のコルドバまでのAVEがまだ空いているか聞いてみる。AVEは1時間に一本あるが,今は10分前。さすがに空きはなかった。次のAVEは13:00だが,12:25のTALGOの方が早いようだ。言ってみればAVEはのぞみでTALGOはひかりやこだまみたいなもの(コルドバ先の行き先も違うようだ)だが,別にAVEにこだわっているわけではなかったので早く着くTALGOにした。
 水とサンドイッチを購入して乗り場へ向かう。やはり他のRENFEと乗り場が違った。TALGOはAVEみたいなスマートな顔ではない。本当に日本の新幹線の違いのようだ。
 マドリッドの滞在は夜を含めて14時間ばかり。本当にプラド美術館に行っただけだった。外の景色はアトーチャ駅を出発して5分ほどで何もない広大な大地に変わった。後はひたすらこの茶色と緑の景色。眠れずぼーっとしながら2時間ほどでコルドバに到着した。

これはAVE。
だってAVEのほうがかっこいいだもん


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