ついに、ついに、先月は書けませんでした。遅れてでも、毎月きちんと書いてきただけに自分でも残念。でも、仕方ないですね。のんびり、ゆっくりの私にしては珍しく、11月以降ステージ続きで、それは忙しい日々でした。「そんなにライブないじゃない」といわれるかもしれませんが、スケジュールにはのせていない(一般の方は入れない)イベントやパーティーもあるのです。そして、ライブハウスでない会場で行われるステージのほうが、段取りその他の打ち合わせに時間がかかることが多いのですよ。というわけで、まずは先月書けなかったことをお詫びします。楽しみに読んでくださってくれている方、すみませんでした。(お詫びに、というわけではありませんが、今年じゅうにあと1回書きますね)
で、ばたばたしているうちにもなんとか3作目のCDは完成し、ただいまおかげさまで大好評(ホントよ)発売中です。「The CHIRISTMAS SONGS」のタイトルどおり、おなじみのクリスマスソング集。大好きなクリスマスソングをゆったり静かな感じで歌ってみたいな〜、という思いから生まれました。CDを作るにあたって、私は何かコンセプトがないと嫌なのです。ただ「いまこういう曲歌ってます。こういうのが得意なの」みたいに並べられても、なんだかなあ・・と思ってしまって。ということで、今回はクリスマスソングでまとめてみました。CDのライナーノーツには曲目ごとの解説がないので、今日は少し説明を書いてみます。
1.The Chiristmas Song・・・メル・トーメが作曲したそれはそれは美しいバラード。ナット・キング・コールの歌でおなじみです。「コールの歌ったレコードを一枚無人島に持っていくとしたら、どれにしますか」という問いに、クィンスィ・ジョーンズが「もちろん、The Chiristmas Songだ。これしかない」と答えたとか。今回のCDは、前2作とは違って、バックはシンセサイザーで作ったオーケストラサウンド。でも、まったく機械的な感じはしなくて、温かみのある多彩なサウンドに仕上がっています。プロデュースの吉田哲さん、アレンジの伴隆司さんに感謝!この曲もイントロのハープの音色が幻想的。北の寒い国でのクリスマスをイメージさせてくれます。子供のころは(秋田に住んでいたので)いつも雪のクリスマスだったな、などと思い出しながら歌いました。この曲の短縮版は、ホームページのディスコグラフィで試聴可能です。
試聴版なので、音質は抑えてあるのですが、よかったらお聴き下さい。
2.Santa Claus is comin' to town・・・超有名なクリスマスソング。クラリネット、フルート、トロンボーンを加え、ゆっくりしたテンポで歌っています。私の空想のなかでは、サンタさんも「のんびり、ゆっくり」。そんなことじゃ、目を覚ました子供にみつかっちゃうよ?通常ライブでは1コーラスめの歌詞だけですが、ここでは2コーラスめの「少年少女の国の子供たちは皆で楽しいお祭りさ。おもちゃの街をつくるんだ、クリスマスツリーのまわりをぐるりと囲んでね」という2番も歌ってみました。イメージはパーシーフェース・オーケストラ?
3 Winter wonderland・・・管楽器4本にマリンバも交え、ミュージカルっぽい仕上がりに。「熱く燃える恋には季節も天気も関係ない、さあ雪の世界へ出て一緒に歩こう」というバースから、ワンコーラスのみ歌いました。コーラスの最後の歌詞が大好き。「暖炉のそばで夢見ながら、僕らは計画を練ることにしよう。たてた計画を怖がらずに実行できるように、この冬の不思議の国を歩んでいきながら」というの。たくさんの怖いこと、嫌なことにクールに立ち向かう、私の愛するハードボイルドの世界と共通するではありませんか?
4 Have yourself a merry little Christmas・・・数あるクリスマスソングのなかで、私の最も好きな歌。メロディーを聴くだけで、涙がでそうになるくらい。「運命の許すかぎり、これからも一緒にクリスマスをすごそう」といった歌詞。シンセギターを入れて、暖かな雰囲気に。
5 My favorite things・・・サウンドオブミュージックの挿入歌。最近はJR東海さんが「京都に行こう」のキャンペーンCMソングに、ずっと採用しているので、そちらのほうが有名かも。現に、私とプロデューサーの吉田さんも「じゃあ来週はJRの歌入れですね?」なんて打ち合わせしてました。この曲だけは、厳密にはクリスマスソングではないのですが、冬や雪を歌っているので収録しました。「悲しくて、苦しくてどうしようもないとき、雪のかけら、白銀の冬などの私の好きなものを思い出すと、気分が悪くはなくなる」という歌詞で、これまたちょっとハードボイルド?私はぜひ収録したい!と意気込んでいたのですが、アレンジの伴さんは相当悩んだようです。だってコルトレインをはじめ、ジャズの名アレンジはたくさんありますし、歌そのものが難しいですから。でもそこはさすが伴さん!オーボエ、フルートを加えたミステリアスな印象のイントロから、バラード風の大人っぽいアレンジにしてくれました。気分を出すため(?)スタジオも暗くして録りました。これぞ、私のMy
favorite thingsです。ライブで歌っているのとは別アレンジなので、聞き比べてみてはいかがでしょう?
6 White Christmas ・・・クリスマスといえばこの曲。ゆっくりしたテンポで、ひねることなく、正統派で勝負したつもり。オーボエを入れ、エレガントにまとめました。空から白い雪が音もなく降ってくる、クリスマスの夜をイメージ。ラストのひとこと(台詞)で、このCD全体にラッピングリボンをかけたつもり。
長くなりましたが、全体にジャズ色は薄いものの、私のイメージどおりのエレガントなクリスマスサウンドになりました。ジャケットも「What‘s
new?」で紹介したとおり、カラフルで写真満載です。ジャケット写真が若く写っているので(?)「これは相当前に撮ったんじゃないか」なんてご質問もありましたが、この11月ですからね〜。クリスマスまであとわずか。各ライブで販売しているほか、どうしてもライブに来られないという方には、通信販売も可能ですので、ぜひぜひお聴きくださいませ。「必殺CD行商人☆大越」からのお願いでした。
では、皆様どうぞ素敵なクリスマスシーズンをお過ごしください。
大越 康子
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