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T-21 ゲット !2003.7


 トリオの S-Hコイルと 奇跡的に新品でストックされていた T-21を入手できました.同時期に
コイルパック KR-5も市場に出ており,これさえあればMF〜30Mのオールウエーブ機ができ
たのですが,47kまで高騰してしまい手に負えませんでした.

 今回の T-21も入手価格は 10kをオーバーしました..ウーン,この調子では完成までにはい
くらかかることやら.最初から覚悟の上とは言うものの,もしかしたらドロ沼に足を踏み入れつ
つあるのでは・・  (・。・;




 S-Hは3.5〜7.5Mまでをカバーするコイルですが2セクションバリコン用 とされておりチョット気にな
ります.まぁ,なんとかなるでしょう.




 懐かしい T-21です.MT管の寸法に合わせてT-6などよりも小さくまとめられています.本体上に写って
いる3枚のプレートはその補正用です.かつては中学生の小遣いでも購入できたものですが,現在は骨董
品的な価値が付いてしまっています.使うのがもったいない?!


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* 2セクションバリコンについて

 私は2セクションバリコンなるものを使用したことも見たこともないので,すこし考察をして見たいと思いま
す.私の師匠であるJH1GVBによればセクションとは,元来ステーター(固定羽)間にシールドをほどこして
ある構造を指すそうです.
 確かにそうしなければ同一周波数を増幅するRF段ではいくらコイル間のシールドを厳重にしてもステータ
ー同士の結合で発振してしまいます.ステーター間の金属板にしつこいほどアースを取ってある理由もそれ
でわかりました.私はこの点についてメールを頂いて初めて気づきました.そうなるとすでに入手済みの2個
の3連バリコンは3セクションバリコンと呼ぶことができます.

 つぎに下の回路図は S−Hコイルに添付してあった回路図の一部です.これをみるとANT,RF,OSCそ
れぞれについてBC帯のみがコイルに430p(250p+180p)が並列に接続され,短波帯では 小VCの180pの
みが接続される構造です. トリオで2セクションと呼んでいるのはどうやらこれを指すようです.これは一種の
6連バリコンです.

 

 ではなぜこんな面倒な構造になっているのでしょうか? 文献が手元にないので正確なところはさだかで
はありませんが,2つの理由によると思われます.

その1 
コイルの並列容量を430pから180pにすることにより展開周波数幅を狭くすることができる.

似たような規格のコイルにS-Bがあるが,こちらは430p接続で受信範囲は 3.5〜10.5Mであるのに対
して S-Hは 3.5〜7.5Mです.これによって同調操作が多少やりやすくなる.


その2 (こっちが本命だと思うが・・)
同一周波数で共振するならば回路のQはCが小さいほど大きい.

同調回路のQは

(2πfL)/R または 1/(2πfCR)  

で表されるため,同じ周波数のQはLがより大きいかCがより小さくなると高くなる.
数理的な最適値はさておきBC帯でバランスの良い430pが短波帯では少し大きすぎるということだろう.


・・っと言うことは用意した430pの3連バリコンでは大きすぎるということになります.ローターの羽を何枚か
はずせば目的は果たせますが,かなり昔の部品なので,できれば避けたいです.コイルをもう少し探すか,
180pのバリコンを見つける努力をしましょうか・・


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