ベジエ曲線から調律曲線へ (From Bezier to Tuning) v0.5


これまでの調律曲線はビートの作り方を工夫して作成していましたが 今回は逆に 先に作成した調律曲線(の様なもの?)からビートを見てみます。

MD5 (bezier.zip) = dc2a883362fc111c3c30aa089f3b28b1
bezier > S M L  Source File・bezier.zip SIZE = 7220
使い方:

[Bezier]白色の点がベジエ曲線で作ったセント値(調律曲線)です。
割り振りは作成していませんが Octaveや 2Octaveの高音の Beatは凸凹ですが 全体的な流れを見て頂ければと思います。

bezir

高音部のオクターブのうなりを大体 0にしてみます。

octave0

2オクターブを大体 0にしてみます。

2octave0

オクターブと2オクターブの中間ぐらいに持って行きます。 [Abs.]で見てみます。

octave0 2octave0

そしてさらに高音を上げて行くと... ([Cent][Beat]の倍率を両方共上げています。)

octave 2octave -

うなりはマイナスですが 4度・5度も減少して オクターブと2オクターブが揃っています。 興味ある所です。


(v0.2)追記です。
以前に「調律のシミュレーション (Tuning Simulation)」で純正5度を取り上げています。

tune-5th-01-beat

新たにJava(調律曲線テスト)で再現して見ました。

jtt-p5th-beat-d

そして それを合わせる方向を逆にした場合です。 上のベジエ曲線の図に似ているでしょうか?

jtt-p5th-beat-u

当時はまだ「方向」の考えがなかったので あまりにはずれとして オクターブのみに向かってしまいました。
では純正4度はどうでしょう。

tune-4th-06-be
jtt-p4th-beat-d jtt-p4th-beat-u

そして 5度・4度のうなりを 絶対値(Abs.)で見てみます。

jtt-p5th-beat-abs jtt-p4th-beat-abs

ノンゼロ方式 (NonZero)でオクターブと 2オクターブの二つで うなりがプラスとマイナスの違いながら近似するよりも多く 三つが近似しています。
高音域での倍音は測定器では明瞭に現れませんが 3:2の5度か 4:3の4度で ここまで高く合わせられる様に思われます。
ただし 最高音が40[cent]以上になるのが...
(v0.4.2)調律曲線を求める一つの試み (Tuning Curve Pursuits)で確かめて見ました。

その 5度・4度の調律曲線です。

jtt-p5th-tune jtt-p4th-tune

又 オクターブの調律曲線です。

jtt-oct-tune

低音では 5度でうなりを 0にしてから オクターブを 0にする 二段階(またはダブルチェック)が可能な様に見受けられます。

以下は「調律曲線テスト」のHTML5版です。

jtt-beat html5 HTML5版

(v0.3)エンベロープ型でTuningシミュレーションを行った場合は どうでしょうか。
高音部の拡張です。(上下の倍率は適宜変えています。)
オクターブで左から 3倍(6:3)まで・2倍(4:2)まで・1倍(2:1)のみ の順です。

envelope octave 3 cent envelope octave 2 cent envelope octave 1 cent

2オクターブで 3倍(12:3) 2倍(8:2) 1倍(4:1)です。
(3倍でセント値の最高音部が折れ曲がっているのは 60[cent]以上で制限している為です。)

envelope 2octave 3 cent envelope 2octave 2 cent envelope 2octave 1 cent

5度の場合で 2倍(6:4) 1倍(3:2)です。

envelope 5th 2 cent envelope 5th 1 cent

4度の場合で 2倍(8:6) 1倍(4:3)です。

envelope 4th 2 cent envelope 4th 1 cent

Java 調律シミュレーター (Java Tuning Simulator)」のエンベロープ方式の様に オクターブと2オクターブの合成は行わず その音程でのみを対象にしていますので 全て 1倍のみで行うようにしました。

低音部の拡張です。
オクターブに関しては「Java 調律シミュレーター (Java Tuning Simulator)」で見ていますが 多音程に対応する為 少し変更してあります。
ここでは 5倍(10:5) *6倍(12:6) 7倍(14:7)のみ見ています。

envelope octave bass 5 cent envelope octave bass 6 cent envelope octave bass 7 cent

2オクターブで 1倍(4:1) *3倍(12:3) 5倍(20:5)です。 (2倍[8:2]は1倍と同じで 4倍[16:4]は3倍と同じです。)

envelope 2octave bass 2 cent envelope 2octave bass 3 cent envelope 2octave bass 5 cent

5度で *1倍(3:2) 2倍(6:4) 3倍(9:6)です。
5度の場合は 3倍(9:6)と思われますが 7つ毎のセント差を無くそうとすると 1倍(3:2)に近付くので 1倍にしています。

envelope 5th bass 1 cent envelope 5th bass 2 cent envelope 5th bass 3 cent

4度で 1倍(4:3) *3倍(12:9) 5倍(20:15)です。 (2倍[8:6]は1倍と同じで 4倍[16:12]も3倍と同じです。)

envelope 4th bass 2 cent envelope 4th bass 3 cent envelope 4th bass 5 cent

倍数の頭の「*」印がシミュレーションで決まった倍数です。
例えば 4度で2倍の(8:6)の様に 打弦点の倍数の場合に 音は 0になりますので (参照>「巻線の調律シミュレーション (Tuning Simulation of Wound Wire) 打弦点」) 対象にはなりません。

エンベロープ型 Tuning シミュレーションです。

envelope octave 3 cent html5 HTML5版

低音です。A1を 0[cent]と -30[cent]にしてみます。

bass 0cent bass -30cent

[Abs.]で 0[cent]を見てみます。

4度5度 abs.

Jtsで オクターブのうなり 0を再現してみます。 (割り振りはフラットにはならずに幾らか残っています。)

jts beat jts cent

オクターブで A(1) -30[Cent]を再現してみます。

jts beat -30 jts cent -30

オクターブのうなりに 0.5は必要になります。

時々 オクターブのうなりは 0なのに 4度・5度にうなりがあり それを少なくして行くと オクターブがどんどん下がって行く事があります。
最近ではエンベロープでうなりを包括的に見る様になりましたが シミュレーションではどうしても 1つのうなりを見てしまいがちです。
勿論教科書では うなりの検査は 他の音程で繰り返し見るように書かれています。


(v0.4.1)低音について追伸です。

[Beat]を拡大して 低音の調律曲線を 0セントから -10・-20セントへと順に下げて行きます。 右は ビートを[Abs.](絶対値)にした場合です。

bezier 0cent bezier 0cent abs
bezier 10cent bezier 10cent abs
bezier 20cent bezier 20cent abs

-10セント当たりの[Abs.]で うなりが同時に 0に近付く様に見受けられます。

そこで「調律曲線テスト」(HTML5版)で 低音部の Octave・P5th・P4thの3つのうなりが 同時に最小になる様にして見てみます。 (高音部はオクターブでの拡張に固定しています。 (v0.4.2)固定しなくなりました。)

0.0 cent 0.0 beat

セント値はあまり下がらず 最適値とも思えません。

そこで うなりを 1.0までと設定して見ます。

1.0 cent 1.0 beat

セント値もそこそこ下がります。

さらにうなりを 2.0までに設定します。

2.0 cent 2.0 beat

セント値は下がり過ぎ 2octaveなどのうなりも増加してしまっています。

では P5th・P4thの2つではどうでしょうか。最小値の場合です。

0.0 4th 5th cent 0.0 4th 5th beat

1.0の場合です。

1.0 4th 5th cent 1.0 4th 5th beat

2.0の場合です。

2.0 4th 5th cent 2.0 4th 5th beat

ちなみに オクターブとP5thの 1.0の場合です。

1.0 oct 5th cent 1.0 oct 5th beat

オクターブとP4thの 1.0の場合です。

1.0 oct 4th cent 1.0 oct 4th beat

低音域でのうなりは 複数の音程を見る事で 素直なセント値(調律曲線)を作り出します。
(「調律曲線テスト」(HTML版 v0.3)では 高音側も同じ拡張を行っています。 又[Beat]の量を調整して 1.0より前後した値に設定しています。)

《参照》


Dobashi.M
Last modified: 1月 03日 火 14:31:54 2023 JST