これまでの調律曲線はビートの作り方を工夫して作成していましたが 今回は逆に 先に作成した調律曲線(の様なもの?)からビートを見てみます。
画面上(※) [ Inha(rmonicity) ]ボタン: 仮想ピアノのインハーモニシティ値を表示します。
(※)[ Cent ]ボタン: ベジエ曲線で作った値から キー番号の重複を取り除いて表示していますので [Bezier]の白色の点とは多少異なります。
(※)[ Beat ]ボタン: キー全体の'うなり'(beats)を表示します。
(※)[ Bezier ]ボタン:
[Beat]の表示と共に 緑色の7つのポイントから(低音と高音毎に4つずつ)
ベジエ曲線(白色)を作成しています。
A49は固定していて A1とC88は左右には変わらず上下のみ動きます。
他の4つのポイントは上下左右にドラッグします。
(※)[ ]テキストフィールド: [Inha][Cent][Bezier]でマウスカーソル位置のデータを表示します。
(※)[ Curved | Straight ]トグルボタン: インハーモニシティ値を曲線か直線に切替えます。
画面左(※) [ B+ ][ B- ]ボタン: [Beat]の上下表示を増減します。
画面右 [ C+ ][ C- ]ボタン: [Cent]の上下表示を増減します。
[ Abs. ]ボタン: 'うなり'[Beat]の表示を絶対値に切替えます。
[ -> | <- ]トグルボタン: 'うなり'(beats)の取り方(上下)を変更します。
画面下 [ || ] スライダ: 巻線(Wound)の数を変更します。 (0 から 48までです。)
[ || ] スライダ: A49のインハーモニシティ値を変更します。
[ || ]スライダ: 巻線側のインハーモニシティ値の傾き(BassGrade)を変更します。
[ || ] スライダ: 芯線側の傾き(Grade)を変更します。
(※)[ unison 1:1 ... 3octave 8:1 ]リスト: [Beat]で表示する音程を選びます。
[Bezier]白色の点がベジエ曲線で作ったセント値(調律曲線)です。
割り振りは作成していませんが
Octaveや 2Octaveの高音の Beatは凸凹ですが
全体的な流れを見て頂ければと思います。
高音部のオクターブのうなりを大体 0にしてみます。
2オクターブを大体 0にしてみます。
オクターブと2オクターブの中間ぐらいに持って行きます。 [Abs.]で見てみます。
そしてさらに高音を上げて行くと... ([Cent][Beat]の倍率を両方共上げています。)
うなりはマイナスですが 4度・5度も減少して オクターブと2オクターブが揃っています。 興味ある所です。
(v0.2)追記です。
以前に「調律のシミュレーション (Tuning Simulation)」で純正5度を取り上げています。![]()
新たにJava(調律曲線テスト)で再現して見ました。
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そして それを合わせる方向を逆にした場合です。 上のベジエ曲線の図に似ているでしょうか?
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当時はまだ「方向」の考えがなかったので あまりにはずれとして オクターブのみに向かってしまいました。
では純正4度はどうでしょう。
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そして 5度・4度のうなりを 絶対値(Abs.)で見てみます。
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ノンゼロ方式 (NonZero)でオクターブと 2オクターブの二つで うなりがプラスとマイナスの違いながら近似するよりも多く 三つが近似しています。
高音域での倍音は測定器では明瞭に現れませんが 3:2の5度か 4:3の4度で ここまで高く合わせられる様に思われます。
ただし 最高音が40[cent]以上になるのが...
(v0.4.2)調律曲線を求める一つの試み (Tuning Curve Pursuits)で確かめて見ました。その 5度・4度の調律曲線です。
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又 オクターブの調律曲線です。
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低音では 5度でうなりを 0にしてから オクターブを 0にする 二段階(またはダブルチェック)が可能な様に見受けられます。
以下は「調律曲線テスト」のHTML5版です。
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HTML5版
(v0.3)エンベロープ型でTuningシミュレーションを行った場合は どうでしょうか。
高音部の拡張です。(上下の倍率は適宜変えています。)
オクターブで左から 3倍(6:3)まで・2倍(4:2)まで・1倍(2:1)のみ の順です。![]()
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2オクターブで 3倍(12:3) 2倍(8:2) 1倍(4:1)です。
(3倍でセント値の最高音部が折れ曲がっているのは 60[cent]以上で制限している為です。)![]()
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5度の場合で 2倍(6:4) 1倍(3:2)です。
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4度の場合で 2倍(8:6) 1倍(4:3)です。
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「Java 調律シミュレーター (Java Tuning Simulator)」のエンベロープ方式の様に オクターブと2オクターブの合成は行わず その音程でのみを対象にしていますので 全て 1倍のみで行うようにしました。
低音部の拡張です。
オクターブに関しては「Java 調律シミュレーター (Java Tuning Simulator)」で見ていますが 多音程に対応する為 少し変更してあります。
ここでは 5倍(10:5) *6倍(12:6) 7倍(14:7)のみ見ています。![]()
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2オクターブで 1倍(4:1) *3倍(12:3) 5倍(20:5)です。 (2倍[8:2]は1倍と同じで 4倍[16:4]は3倍と同じです。)
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5度で *1倍(3:2) 2倍(6:4) 3倍(9:6)です。
5度の場合は 3倍(9:6)と思われますが 7つ毎のセント差を無くそうとすると 1倍(3:2)に近付くので 1倍にしています。![]()
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4度で 1倍(4:3) *3倍(12:9) 5倍(20:15)です。 (2倍[8:6]は1倍と同じで 4倍[16:12]も3倍と同じです。)
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倍数の頭の「*」印がシミュレーションで決まった倍数です。
例えば 4度で2倍の(8:6)の様に 打弦点の倍数の場合に 音は 0になりますので (参照>「巻線の調律シミュレーション (Tuning Simulation of Wound Wire) 打弦点」) 対象にはなりません。エンベロープ型 Tuning シミュレーションです。
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HTML5版
低音です。A1を 0[cent]と -30[cent]にしてみます。
[Abs.]で 0[cent]を見てみます。
Jtsで オクターブのうなり 0を再現してみます。 (割り振りはフラットにはならずに幾らか残っています。)
オクターブで A(1) -30[Cent]を再現してみます。
オクターブのうなりに 0.5は必要になります。
時々 オクターブのうなりは 0なのに 4度・5度にうなりがあり
それを少なくして行くと
オクターブがどんどん下がって行く事があります。
最近ではエンベロープでうなりを包括的に見る様になりましたが
シミュレーションではどうしても 1つのうなりを見てしまいがちです。
勿論教科書では うなりの検査は
他の音程で繰り返し見るように書かれています。
(v0.4.1)低音について追伸です。
[Beat]を拡大して 低音の調律曲線を 0セントから -10・-20セントへと順に下げて行きます。 右は ビートを[Abs.](絶対値)にした場合です。
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-10セント当たりの[Abs.]で うなりが同時に 0に近付く様に見受けられます。
そこで「調律曲線テスト」(HTML5版)で 低音部の Octave・P5th・P4thの3つのうなりが 同時に最小になる様にして見てみます。 (高音部はオクターブでの拡張に固定しています。 (v0.4.2)固定しなくなりました。)
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セント値はあまり下がらず 最適値とも思えません。
そこで うなりを 1.0までと設定して見ます。
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セント値もそこそこ下がります。
さらにうなりを 2.0までに設定します。
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セント値は下がり過ぎ 2octaveなどのうなりも増加してしまっています。
では P5th・P4thの2つではどうでしょうか。最小値の場合です。
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1.0の場合です。
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2.0の場合です。
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ちなみに オクターブとP5thの 1.0の場合です。
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オクターブとP4thの 1.0の場合です。
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低音域でのうなりは 複数の音程を見る事で 素直なセント値(調律曲線)を作り出します。
(「調律曲線テスト」(HTML版 v0.3)では 高音側も同じ拡張を行っています。 又[Beat]の量を調整して 1.0より前後した値に設定しています。)
《参照》