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高速旅客船 「ほくと」   〜下北汽船〜

 高速旅客船「ほくと」は青森市から脇野沢(脇野沢村)、牛滝(佐井村)、福浦(佐井村)、佐井(佐井村)を就航している。これを利用すれば、脇野沢まで(青森市から車で3時間かかるのだが)たったの50分(←取材時は55分かかったが)、終点の佐井まで(車で4時間かかるのだが)2時間20分でいける。(←取材時は2時間10分だった)

 1987年に始まったとても便利な航路であるが、利用者は少なく、まず2002年の秋に廃止プラン(2003年3月末)がでた。脇野沢村と佐井村が署名を集め反対し、地元支援を約束することでこのプランは回避された。
 しかし、利用者減・老巧化・地元支援の先行き不透明(脇野沢村はむつ市に吸収合併される)といった不安要素は解消されず2004年9月に再びプランがでてきた。この段階で「あと1年は使用可能」と判断され、2005年9月に廃止プランが確定した。
 この段階で下北汽船社には2億7千万の累積赤字があったそうだ。青森県も脇野沢村も佐井村も金がないので受け入れざるを得ないものだと思う。
 脇野沢村と佐井村は県が財政支援をして航路を維持すべき!とあくまでも存続を主張するので、廃止後の代替交通の話し合いは始まっていない。


 下北汽船社の会社概要を見ると、出資額NO.1は自治体ではなくて弘前の弘南バス社であった。社長の名前が似ている(名字が同じ、名前が漢字1字違い)ので、なにかしらの関係があるのだろう。≪下北汽船社の社長交代により現在は違います≫
 その下に青森県、蟹田町(市町村合併により現在は外ヶ浜町)、脇野沢村(同、むつ市)と続き、5番目が東日本フェリー社である。津軽海峡地域の発展が業績に影響があるのかもしれない。
 出資額トップ10に佐井村は入ってない。高速船の恩恵を一番受けているはずなのだが、大切な交通インフラにさえ出資できない厳しい財政状況なのであろう。さらに書くと、佐井村も他市町村同様に市町村合併をするはずであった。が、むつ市のわがままに耐えられずにむつ市合併協からは離脱した。逆隣の大間町は原発誘致で単独立町を目指しており合併案は拒否。ということで佐井村は孤立してしまっているのである。





 が、2005年5月になってまた話が変わった。下北汽船社を3つに分割(高速船、フェリー、清算)し、高速船「ほくと」はあと3年程度は動けるという。その後に関しては、改修(約1億)か新造(約3億)か検討とのことだ。
 上に書いた「利用者減」「老巧化」「地元支援の先行き不透明」の3点は解消されたわけではなく、またいつ廃止プランが浮上してきてもおかしくない。行く先は時化っている。

青森県の廃止代替案として、青森ー蟹田が乗りあいタクシー、蟹田ー脇野沢がフェリー(下北汽船社が運航)、脇野沢ー佐井が自家用車 というものがあったが、今のところこれが採用される見通しは無い。
 私が最初にこの高速船を取材する計画を立てたのは2004年の12月だった。秋田からは日帰りでもなく、1泊でもなく、2泊しなければならない場所なので結構行きづらかった。その2004年12月12日は運悪く波が高い日であったために「ほくと」は脇野沢までの運行であった。終点の佐井まで行きたい俺は泣く泣く断念した。(脇野沢まででも運行されるだけましなのかもしれない)
 無理やり運航して事故るよりかは安全のため欠航したほうが良いが、この12月12日以降下北汽船ホーページの運航状況のページを毎日チェックする習性がついた。それでわかったことなのだが、冬季は欠航や部分運休がほぼ毎日であり、公共交通機関ならばあたりまえである定時性がまったくなかった。この状況では「利用者減」は当然のことである。

 次に取材する機会は2005年の4月にあった。4月25日には佐井まで動いた!この目で現状を確認してきた。

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リンク          下北汽船 http://www.shimokitakisen.jp/