| VII fl6th | VII fl7th | VII minor | VII m#5th | I major | I fl6th | I fl7th | I minor | I m#5th | bII major | bII fl6th | #I fl7th | #I minor |
| #IV fl7th | #IV minor | #IV m#5th | V major | V fl6th | V fl7th | V minor | V m#5th | bVI major | bVI fl6th | bVI fl7th | #V minor | #V m#5th |
| #I minor | #I m#5th | II major | II fl6th | II fl7th | II minor | II m#5th | bIII major | bIII fl6th | bIII fl7th | bIII minor | #II m#5th | III major |
| #V m#5th | VI major | VI fl6th | VI fl7th | VI minor | VI m#5th | bVII major | bVII fl6th | bVII fl7th | bVII minor | bVII m#5th | VII major | VII fl6th |
| III major | III fl6th | III fl7th | III minor | III m#5th | IV major | IV fl6th | IV fl7th | IV minor | IV m#5th | bV major | #IV fl6th | #IV fl7th |
「あんまり中心音は関係ない」などと、いい加減なモノ言いをしました。中心音を同じくする5つのペンタトニック・モードのそれぞれを、ひとつの調での各機能だと思うことにして、こんどは中心音なぞ放っておいて構成する絶対的な5音を同じくする5つのモードを縦に並べたわけです。
その際に根底にあった考え方を改めて表明しますと、「あるモードに固有の、中心音から垂直に構成される響きなぞを考えようとするよりも、サウンドが刻々と変化する文脈の中での調と機能を考えたい」という感じになりましょう。
「この表での絶対的な位置にはあまり意味はナイ、位置の変化に注目することが大事だ」と言い換えることも出来るかもしれません。表のヨコ方向の移動から来る響きの変化、これが重要って感じがしっくり来ませんか。タテは似たようなモンです、だってCとAm同じように使うじゃないですか。
この表のちょっとおもしろいところは、縦の関係を代理というだけでなく、ある調でのある機能を違う調での違う機能へ変換して考えちゃうように見えるところです。
移動距離と方向感、機能の変換の考え方は以下へ。相対性和声理論の誕生です。コペルニクスの地動説です。
I majorの列とI fl6thの列の間での行き来は、トニックとサブ・ドミナントの間での行き来と考えられます。同時に、他の調の他の機能の間での行き来と考えることも可能です。一番上の行をC(I)のキーだと思うと、これは、
とも考えられます。
これらの行き来の際に、モードは4つの音を共通したまま1つの音を入れ替えます。
I majorの列とI fl7thの列の間での行き来は、トニックとドミナント・マイナーの間での行き来と考えられます。同時に、他の調の他の機能の間での行き来と考えることも可能です。一番上の行をC(I)のキーだと思うと、これは
とも考えられます。
これらの行き来の際に、モードは3つの音を共通したまま2つの音を入れ替えます。
I majorの列とI minorの列の間での行き来は、トニックとトニック・マイナーの間での行き来と考えられます。同時に、他の調の他の機能の間での行き来と考えることも可能です。一番上の行をC(I)のキーだと思うと、これは
とも考えられます。
これらの行き来の際に、モードは2つの音を共通したまま3つの音を入れ替えます。
I majorの列とI m#5thの列の間での行き来は、トニックとサブ・ドミナント・マイナーの間での行き来と考えられます。この行き来は、他の調の他の機能の間での行き来と考えることは出来ないようです。
行き来の際に、モードは1つの音を共通したまま4つの音を入れ替えます。
5列の移動は、ひとつの調では考えられません。モードの色彩がそっくりそのまま半音上がる(下がる)感じです。
6列の移動も、ひとつの調では考えられません。筒のウラ側への移動となり、モードの色彩が増4度上がる(下がる)感じです。
7列の移動は、逆向きに廻れば5列の移動と同じです。つまり、モードの色彩がそっくりそのまま半音下がる(上がる)感じです。
これらでは、モードは共通する音を持たず全ての音を入れ替えます。
1列の右移動は、同じ機能に着目すると4度進行的と言えそうです(例えばV major->I major)。また、1列の左移動は、同じ機能に着目すると5度進行的と言えそうです(例えばIV major->I major)。2列以上の移動はその組み合わせ、言わずもがなです。
隣り同士のモードはそれぞれ4つの共通音を持ちますが、左や右の列と共有しない特徴的な音は、上記のような移動に際してそのモードの機能を際立たせます。
| major | fl6th | fl7th | minor | m#5th |
|---|---|---|---|---|
| R | R | R | R | R |
| m7 | m7 | m7 | ||
| M6 | M6 | |||
| m6 | ||||
| P5 | P5 | P5 | P5 | |
| P4 | P4 | P4 | P4 | |
| M3 | ||||
| m3 | m3 | |||
| M2 | M2 | M2 | ||
| R | R | R | R | R |
ちなみに、各モードに含まれる長短3和音は、これらの特徴的な音を含んでいます。
さてドミナントですが(Domと書くことにします)、これはいつでもどこでも現われて、強力にサウンドを連れて行くワープのようなものだと考えます。典型的なツー・ファイブは1列の左移動に現れるジャンプ、I fl6th->Dom->I majorで、空からI majorに着地です。
ボトム・モーションは音楽の流れを色づけしますが、ルートの4度進行を付ければ、さらに強力に前後の連結を手助けします(II minor->Dom/V->I major)。またマイナーのツー・ファイブは、I m#5th/II->Dom/V->I minorです。
「4度堆積の和音は、響きが抽象的になりすぎるので多用しない」などと言われたりしますが、それはこの枠組みから見ると自然です。そもそも5度(または4度)の5つの積み重ねであるペンタトニック・モードを機能と思ったため、より少ない数の音の積み重ねは、複数の機能に共有されます。4度を3つ重ねたsus4コードは3つの列に共有されるため、その機能は当然あいまいです。具体化するには、共有しない特徴的な音を足せばよい、ということになります。
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