5つのペンタトニックへと機能集約されるドレミファソラシドの他に、もうひとつ不気味なモードがいます。半音が並ばない2つの7音モードの別翼、倍音列だとかブルーノートだとかでいろんな信奉がでてくる、リディアン7thとその転回形たちです。
これらはひとつのペンタトニックを含みますが、それとは違うところで、サウンドを外から引っ張る重力を起こすようです。例えばトニック的なIm6もImM7も、トニック・マイナーが外の世界から来たメロディック・マイナーと引き合う重力によって捩じれた、とも言えるかもしれません。引き合う重力は、この転回形たちにも見られます。
のような連中がそうです。モードの名前はよくわからないので、勝手にコードにしちゃいました。ここでのIIm7(b5)はナチュラル9thのテンション、かっこいいですね。
引き合う重力一覧表をつくってみました。まだまだ謎が多いです。
| ペンタトニックの筒 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| VII fl6th | VII fl7th | VII minor | VII m#5th | I major | I fl6th | I fl7th | I minor | I m#5th | bII major | bII fl6th | #I fl7th | #I minor |
| #IV fl7th | #IV minor | #IV m#5th | V major | V fl6th | V fl7th | V minor | V m#5th | bVI major | bVI fl6th | bVI fl7th | #V minor | #V m#5th |
| #I minor | #I m#5th | II major | II fl6th | II fl7th | II minor | II m#5th | bIII major | bIII fl6th | bIII fl7th | bIII minor | #II m#5th | III major |
| #V m#5th | VI major | VI fl6th | VI fl7th | VI minor | VI m#5th | bVII major | bVII fl6th | bVII fl7th | bVII minor | bVII m#5th | VII major | VII fl6th |
| III major | III fl6th | III fl7th | III minor | III m#5th | IV major | IV fl6th | IV fl7th | IV minor | IV m#5th | bV major | #IV fl6th | #IV fl7th |
| 引き合う重力(メロディック・マイナーの筒) | ||||||||||||
| #ImM7 | #I7sus4(b6) | #I7sus4(b9) | #Im7(b5) | IM7(#5) | #I7alt | I7(#11) | ImM7 | I7sus4(b6) | I7sus4(b9) | Im7(b5) | VIIM7(#5) | I7alt |
| #V7sus4(b6) | #V7sus4(b9) | #Vm7(b5) | VM7(#5) | #V7alt | V7(#11) | VmM7 | V7sus4(b6) | V7sus4(b9) | Vm7(b5) | bVM7(#5) | V7alt | #IV7(#11) |
| #II7sus4(b9) | #IIm7(b5) | IIM7(#5) | #II7alt | II7(#11) | IImM7 | II7sus4(b6) | II7sus4(b9) | IIm7(b5) | bIIM7(#5) | II7alt | #I7(#11) | #ImM7 |
| #VIm7(b5) | VIM7(#5) | #VI7alt | VI7(#11) | VImM7 | VI7sus4(b6) | VI7sus4(b9) | VIm7(b5) | bVIM7(#5) | VI7alt | bVI7(#11) | #VmM7 | #V7sus4(b6) |
| IIIM7(#5) | IV7alt | III7(#11) | IIImM7 | III7sus4(b6) | III7sus4(b9) | IIIm7(b5) | bIIIM7(#5) | III7alt | bIII7(#11) | bIIImM7 | #II7sus4(b6) | #II7sus4(b9) |
| I7alt | VII7(#11) | VIImM7 | VII7sus4(b6) | VII7sus4(b9) | VIIm7(b5) | bVIIM7(#5) | VII7alt | bVII7(#11) | bVIImM7 | bVII7sus4(b6) | #VI7sus4(b9) | #VIm7(b5) |
| #IV7(#11) | #IVmM7 | #IV7sus4(b6) | #IV7sus4(b9) | #IVm7(b5) | IVM7(#5) | #IV7alt | IV7(#11) | IVmM7 | IV7sus4(b6) | IV7sus4(b9) | IVm7(b5) | IIIM7(#5) |
ディミニッシュは、大別してドミナント的とパッシング的(空飛ぶというよりトンネルか?)の2つ、と思えばペンタトニックの筒と矛盾しませんが、効果的な使い方となると要研究です。
もしやパッシング的は、移動距離と方向別に分類する必要があるのかしら。いや移動しないパッシング的だってあります。いずれにせよ飾り的という気もしますが、飾り的は他にも沢山ありそうです。トニック・ディミニッシュもそうですね。
ドミナント的には、増4度も短2度も長7度もたくさん入ってますので、空飛ぶ感じは爽快そうです。
オーギュメントも、ドミナント的と飾り的という分類では駄目でしょうか。コンビネーション・オブ・オーギュメントなんてリッチー・バイラークは言ってるらしいですが、これには短2度と長7度がたくさん入っているようです。ホールトーンには増4度がたくさんです。
「タテは皆同じ」などと大雑把に整理しましたが、ボトム・モーションが音楽の色彩を大きく決めることは間違いないです。4度進行やらペダルやら、効果的なボトムの使い方は、ものすごく研究の余地がありそうです。ペンタトニックの筒でいえば、タテの代理関係の中から、またはボトムに付加するテンションの中から、何を選び繋げていくのかということです。こりゃセンスだな。
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