(2004/06/26)
フリーのプリント基板CAD EAGLE を使ってプリント基板を設計し、ブルガリアのプリント基板メーカ OLIMEX に発注するときの、個人的な作業メモです。
EAGLEは、ドイツの CadSoft社が開発している回路図エディタ/PCB CAD で、次のような特徴があります。
無料、低コスト(シェアウエア含む)CADもいくつか存在しますが、基板製作とのリンクのよさ(OLIMEXを使いやすい)ということでアマチュアの中では、EAGLE が一番人気だと思います。Web上での情報源も豊富です。
それぞれに、Windows 版と Linux 版、ドイツ語版と英語版が存在します。
無料版は、Light から、tel&fax supoort と紙マニュアルとCDROMと箱を除いたものです。無料版から US$49.- で Light にアップグレード可能です。
同様に Non-Profit版はStandard 版に、non-profit 制約がついたものです。さらにシングルユーザライセンスです。
Freeware 版で100x80mm 両面基板を設計すると、OLIMEX の DSS(100x160mm,両面)に、ぴったり2枚、面付けできます。もちっと大きい基板を、という時は、$125.- で Non-Profit を購入すると、DSS ピッタリサイズまで設計できます。配線が増えてきたら、4層板を設計して、ガーバを生成して松電子かP-板.com まで。
Freeware | Non-Profit | Light | Standard | Professional | |
---|---|---|---|---|---|
値段 | $0 | US$125.- | US$49.- | US$593.-(1user) | US$1197.-(1user) |
回路図 | 1枚 | 1枚 | |||
パターン | 2層 | 4層 | 2層 | 4層 | |
基板面積 | 100x80mm | 160x100mm | 100x80mm | 160x100mm | |
サポート | email,forum | email,forum,fax,tel | |||
紙マニュアル | × | ||||
メディア | Download | ||||
Profit | × | × | ○ | ○ | ○ |
私の環境では Linux 版の英語版を導入しました。eagle-4.11e-1.i386.rpm をダウンロードしてきて、rpm コマンドで /opt/eagle 以下にインストールされます。/opt/eagle/bin -> /usr/bin/eagle の symlink も自動で張られるみたいです。
初回起動時にライセンス同意を求められます。フリーウエアとして使うボタンを押せば、フリーウエア用のライセンスキーが作られます。/opt/eagle/bin 以下に書き込むので、root で起動してくださいね。
一般ユーザで起動すると、~/eagle に作業ディレクトリを作り、その中にプロジェクトを作ってゆきます。ユーザ用のスクリプトや設定ファイルやなんかも ~/eagle にまとめて配置するようにするとよいでしょう。
Linux 版に特化している箇所があるかもしれません。
Linux ユーザの場合、システムライブラリディレクトリ(/opt/eagle/lbr/)はそのままにしておいて、ユーザライブラリディレクトリ(~/eagle/lbr/)を作成してその中に自分用ライブラリを構築するとよいでしょう。
Control Panel の Optionsメニュー→Directories... でダイアログが開きます。Projects ディレクトリに ':' で区切って $HOME/eagle を入れておけば、Control Panel の Projects ツリーの下の eagle 枝の下に $HOME/eagle 以下が繋がります。ほかも同様に、$HOME/eagle/lbr など ':' で区切って入れておくと、ライブラリツリーに $HOME/eagle 以下が入ります。
特に、ulp と scr については、ここで指定したディレクトリにある filename.ulp は run filename で実行することが出来ます。また、Fileメニュー→Run... や ULP ボタンを押した時や、引数をとらない run コマンドを実行した時に開くファイル選択ダイアログの先頭のディレクトリが開きます(scrも同様)。dru も、先頭に指定したディレクトリがオープンダイアログのデフォルトになります。つまり、$HOME/eagle/ 以下を先に書く!ということ。
また、~/eagle/lbr/DESCRIPTION などのファイルを書くと、Control Panel などで見た時に、付属ライブラリのような説明を表示させることが出来ます。文法は疑似HTMLのようなもので、付属品の /opt/eagle/lbr/DESCRIPTION などを参考にしてください。
→ライブラリの作成(別ページ)
ボードを設計する前に、必ず、回路図を、回路図エディタで書いておきます。ERC(Electric Rule Check)ボタンを押せば、電気的な接続をチェックしてくれます。
などなど。ERCを有効に使うには、ライブラリの symbol 作成時に、ピンクラスを正しく設定しておく必要があります。
→ボードの設計(別ページ)
OLIMEXはブルガリアにあるプリント基板メーカで、次のような特徴を持ちます。
EAGLE と OLIMEX はアマチュア工作には最強の組み合わせです。もちろん、それでコツをつかんでおいたら、Non-Profit EAGLE を購入して、ガーバを生成して、P板.com や松電子システムなどの日本メーカに4層板を頼むこともできます。(それぞれ、相性のいいCADがあるようですが、ガーバならどこでもOKかと)
苦手な英語と格闘するついでに、OLIMEX のサイトを和訳してみました。
→OLIMEX 発注手順(別ページ)