登場人物の名前の由来
マリア=タチバナ
「サクラ大戦」のヒロイン。
帝国華撃団・花組の副隊長。帝国歌劇団・花組のトップスター(男役)。
ロシアはウクライナのキエフ出身。1903年6月19日生まれ。
花組に来る前は、ロシア革命のレジスタンスをしたりニューヨークで用心棒をしたりしていた。
「マリア」という名がどうしてついたのかは不明。
風組、花組の女の子たちはすべて名前が花の名前だが(旧星組以外)、
マリアの場合、「タチバナ」がそれにあたる。
でも、なぜマリアだけ苗字が花の名前なのだろう?
「タチバナ」という、苗字にしかなり得ない名前をなぜ、わざわざ選んでつけたのだろう?
どうして、例えば「ローザ = ブリューソワ」だったりしなかったのか。(笑)
(ちなみに、ローザ Роза =薔薇。ロシアで女性名)
たちばな【橘】 |
1. |
生食されたミカンの古名。キシュウミカンやコウジに類する。
京都御所の紫宸殿(ししんでん)の南階下の西側にある「右近(うこん)の橘」はこれという。 |
|
2. |
ミカン科の常緑低木。日本で唯一の野生のミカンで近畿地方以西の山地に生え、観賞用に栽植される。高さ3〜4m。枝は密生し小さなとげがある。葉は長さ3〜6cmの楕円状披針形で先はとがらず縁に鋸歯がある。葉柄の翼は狭い。初夏、枝先に白い五弁花を開く。果実は径2〜3cmの扁球形で11月下旬〜12月に黄熟するが、肉は苦く酸味が強いので生食できない。台湾では調味料に用いる。やまとたちばな。にほんたちばな。
学名は、Citrus tachibana。 |
 |
3. |
「からたちばな(唐橘)」の異名。 |
| 4. |
はなたちばな(花橘)
1.花の咲いている橘。橘の花。
また、橘の花を賞していう語。《季・夏》
2.「まんりょう(万両)」の異名。
3.襲(かさね)の色目の名。表は朽葉または白、裏は青。
4.香の名。かおりが早くでて、軽く薄く柔らかな匂いのもの。
5.橘の花の上方左右に、六個の小さな橘の花をつけた柄を
対にした図柄の紋所。
6.近世、京都堀川丸太町上ルの坂田屋で醸造した酒の名。
東福門院の命名という。 |
5. ← |
紋所の名。橘の葉と実とを組み合わせて図案化したもの。橘姓(橘諸兄)の紋にはじまるといい、久世・井伊・黒田家と日蓮宗(日蓮の出自は井伊家の分家の貫名家という)の紋となる。橘、向い橘、杏葉(ぎょうよう)橘、枝橘など種々ある |
| 6. |
香の名。質は伽羅、あるいは真南蛮という。 |
|
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban(Revised edition) Shogakukan 1988.国語大辞典(新装版 小学館 1988. |
|
「右近の橘、左近の桜」(うこんのたちばな、さこんのさくら)という言葉がある。
京都御所の中でも、天皇の在所である紫宸殿(ししんでん)の庭に、
平安の昔から植えられている一対の樹木を指す言葉である。
天皇から見て右に橘、左に桜が位置する。
ひな人形を思い出して欲しい。
あれの何段目かに、向かって左に橘(みかんに見えるが)、右に桜があるはずだ。
マリアが「タチバナ」さんでなければいけない理由は、この辺りにありそうに思われる。
(マリアファンとして知られるサクラ大戦プロデューサー・H井王子氏にとって、
マリアのポジションは、さくらと張る「主役」だったということでしょう…ふっふっふ)
| ■ 附則:マリア(Мария/マリーヤ)の愛称 |
| |
Маня/マーニャ Маруся/マルーシャ Маша/マーシャ Машенька/マーシェンカ |
|
ほかにもいろいろ、たくさん… |
→TOPへ
「クワッサリー」
マリアの革命軍闘士時代のコードネーム。「火喰い鳥」という意味らしい。
 |
ひくいどり(ひくひ‥) a cassowary
|
ヒクイドリ科の鳥の総称。全長および高さ約1.5m。
ダチョウにやや似ているが丈が低い。
翼は退化して飛べず、あしは強大で走るのが速く、泳ぐこともできる。
体毛は黒色の剛毛状。
頭上に烏帽子状のかたい冠があり、頭・くびは裸出して青・緑・赤などの美しい色を呈する。
雑食性で、暗い密林内にすむ。卵は濃緑色で、抱卵は主として雄が行う。
オーストラリア北部・ニューギニアなどに三種が分布。
カゾアル。
|
Progressive Japanese-English Dictionary,Second edition Shogakukan 1993.プログレッシブ和英中辞典第2版 小学館 1993.
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban(Revised edition) Shogakukan 1988.国語大辞典(新装版)小学館 1988. |
|
南半球原産の鳥の名を何故、ロシアの革命軍がコードネームに使ったかは謎。
考えられるのは、ロシアの民話の中に出てくる「火の鳥」が時々「火食い鳥」と訳されていることから、
革命軍的には「火の鳥」をイメージしつつ「火食い鳥」にしたのかもしれないということ。
それにしたとろで、「火の鳥」Жар-птица(ジァール・プチーツァ)と
「火食い鳥」казуар(カズアール)では言葉として別物のような気がする。
「クワッサリー」という読み方にしても、何故そうなるかが不明。何語なのだろう?
ちなみにドイツ語では Kasuar、フランス語では casoar、
「カズアル」「カゾアル」あたりに落ち着いても、決して「クワッサリー」にはならない。
→TOPへ
ブリューソフ=ワリー=ドミートリエビッチ
「サクラ大戦・前夜」(Aかほりさとる著)に記されたところの、マリアの実のお父さん。外交官だったらしい。
日本に赴任中に、のちにマリアの実の母となる橘須磨さん(日本人)と恋に落ち、ロシアに連れ去って結婚した。
が、宗教の違いから二人は内縁関係にとどまり、遂にマリアはブリューソフの名を継ぐに至らなかった、らしい。
たぶんここからとったのではないか、という人物が、
ヴァレリィ = ヤコフレヴィチ = ブリューソフ(Валерий = Яковлевич = Блюсов)。
ロシア革命期に活躍した退廃派詩人で、神秘主義者だった。(1873-1924)
「炎の天使」(1908)というオペラの原作者として知られている。
名前の基本構造に関しては、前章「ロシア人の名前」をご参照下さい。
ヤコフレヴィチ(Яковлевич)という父称&綴りに関しては、いまいち不安があります。
辞書では、ヤコフレフは「姓」で「名前」になっていないのですが、載っていないだけで実際はあるとか?
いずれにせよ、けっこうイレギュラーが多くて悩むところですね。(^_^;;)
→TOPへ
ユーリー=ミハイル=ニコラーエビッチ
マリアが、自分のせいで死なせてしまったと後々まで悔いていた、革命軍時代の直属の上司。隊長。
兄のように慕っていた、というが、ほんとうに「兄」どまりだったか「カレシ」だったかは、いまだに物議をかもしている。
マリアが14歳だった当時、28歳であった。一緒にアメリカに亡命しようとしていたという噂もある。
この人の名前がどこから来たのかは、全くもっていまだに不明。(ご存知の方、教えてください)
ただ、どのパーツをとってもよく聞く、いかにもロシア人な固有名詞であることに気がつく。
ひょっとして「らしい」ものを「テキトー」に組み合わせただけか?
一見してわかるように、「ユーリー」も「ミハイル」も「名前」である。
この人には「名前」がふたつもある。
末尾は「父称」であって、「姓」ではない。つまり、「姓」をもっていない。
(名前の基本構造に関しては、前章「ロシア人の名前」をご参照下さい。)
しかし、「姓」を持たないのは、当時の農民層にはごくありふれたことであったという。
農民出身か、隊長?
だからといって、農民が名前をふたつも持っていたという記録は今のところ目にしていない。
関係ない話だが、風貌が「逮捕しちゃうぞ」の中島くんクリソツだと、もっぱらの噂。
だからといって性格まで一緒だったかどうかは、死んでしまった今となっては知るよしもない。
→TOPへ
バレンチーノフ=ウラジミール=アレクサンドロビッチ
「サクラ大戦・前夜」(Aかほりさとる著)に記されたところの、マリアの革命軍時代の仲間のひとり。
ニューヨークで再会したマリアを利用しようとして、返り討ちに遭った。
と思っていたら実は生きていて、OAV「轟華絢爛」に出演。
衣装はルパン三世、性格描写は「レオン」の悪役を思わせる、かなりテキトーなおっさん。
享年、不明。
たぶんここからとったのではないか、という人物が、ニコライ = バレンチーノフ。(1879-1964)
綴りは不明。父称の記述も調べた限りでは見当たらなかった。
このニコライさん、名前がもうひとつあって、ニコライ = ウラジスラーヴィチ = ボーリスキーという。
初期の社会民主党員で、スイス時代のレーニンの腹心だった。
最初に挙げた名前に父称の表記がないのは、もしかしたらこれが
ロシア国外で活動していた頃に使った名前だったからかもしれない。
→TOPへ
ボードヴィル=グラスマン
「サクラ大戦・前夜」(Aかほりさとる著)に記されたところの、マリアがニューヨークで一瞬よろめいたオトコ。
バレンチーノフに陥れられて絶体絶命のマリアを助けるべく、体を張って、死んだ。享年、不明。
マリアの実年齢(16歳)を知りながら、呑み比べで負けたり本気で惚れかかったり、かなりおちゃめなおニイちゃん。
固有名詞として存在するかどうかはわからないが、フランス語に「ヴォードヴィル vaudeville(軽喜劇)」という単語があった。
フランス系の移民か?
ロシア語の中にも「ヴァディェヴィール Водевиль(通俗喜劇、ボードヴィル)」という単語がある、という情報を頂いた。(情報提供:Nishida様)
固有名詞としては存在するのだろうか?実は同じロシアからの亡命者か?
「グラスマン」のように、「〜マン」という名前は、ドイツ系やユダヤ系によく見られるという情報も頂いた。
(情報提供:龍真様)
ひそかにドイツ系の移民なのか?ユダヤ人か?ただの親のシュミか?
ひとつ、気になっている。
サンクトペテルブルク(旧レニングラード)のムソルグスキー記念オペラ・バレエ劇場のこけらおとし(1833)で、カラトゥイギンのバレエ「村のキューピッド」と一緒に上演されたのが、ボードヴィルの「見知らぬ知人」だという。ということは、「ボードヴィル」とはロシアに実在する人名なのか?(使い方から見て「姓」だけど)
この、バレエの作者である「ボードヴィル」氏については、今のところ何もわからない。
わかったとしても、「ボードヴィル」という名をここからとったかどうかまでは不明のままである。
→TOPへ
<参考資料>
Microsoft/Shogakukan Bookshelf Basic
週刊花百科フルール No.64 講談社
黒い夜 白い雪 〜ロシア革命1905−1917〜 (上・下) 時事通信社
NHK 気軽に学ぶロシア語 沼野充義 NHK出版
ロシア語辞典 博友社
独和新辞典 三省堂
クラウン仏和辞典 三省堂
エッセンシャル英和辞典 旺文社